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【読書記録】2024年5月12日〜5月18日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
私、気に入った作家さんの文庫新刊はできるだけ新品を購入するようにしているんですが、初めて読む作家さんや刊行日が古いものに関しては近所の古書店、具体的には世界一の売り場面積を誇る全国チェーンのあの店で探すことが多いんです。
これだと著者さんには一銭も入らないことはわかっていて、申し訳なく感じてはいるのですがなにせ安月給のサラリーマンなので、できるだけ安く済ませたいというのも本音。そのほうがたくさんの本とも出会えるし。
最近はこの売り場面積世界一の〜、あーめんどくさい、ブックオフの実店舗とオンラインストアを併用しています。なにせオンラインで注文して店舗受け取りだと送料無料だし、50円引きクーポンもついてくるので。
そういえば最近はブックオフでも新品の本が買えるみたいだけど、これを買ったらちゃんと著者さんの収入になるのかなぁ。
では、今週出会った本たちをご紹介します。ちなみに全てブックオフで購入。著者さんすみません。
【2024年5月12日〜5月18日に出会った本たち】
⚪️極北ラプソディ
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【内容紹介】
破綻した極北市の市民病院。再建を図る新院長・世良は、人員削減や救急診療の委託を断行、非常勤医の今中に"将軍"速水が仕切る雪見市の救命救急センターへの出向を指示する。崩壊寸前の地域医療は、ドクターヘリで救えるのか?医療格差の現状を描く!
【感想】
〝極北クレイマー〟の続編。
前作でどん底まで転落したのであとは這い上がるだけ。とはいってもそう上手くいくわけもなく…。
強気一辺倒に見える世良先生にも迷いや悩み、苦しみがあって、それをすべて認めて、ありのままを受け入れてくれる人生の師・久世先生のような寛大さはぜひ見習いたい。
もう一つの柱、隣の市の救命救急センターではあのジェネラルが相変わらずの立ち居振る舞い。
ヘリを飛ばす飛ばさないで医師と運航側が激論を交わす場面は、どちらも正しくてプロとして譲れない部分が衝突するので実に熱い。
それにしても世良先生と花房さん、そうかあれから18年か。
後藤先生も、自分の進むべき道が見えたみたいでよかった。
⚪️ジーン・ワルツ
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【内容紹介】
帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた──。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。
【感想】
主人公は帝華大学医学部助教の曾根崎理恵。
産婦人科医であり顕微鏡下体外受精のエキスパートでもある彼女は、学生を指導する傍ら、閉院間近の産婦人科医院でも診察を行なう。
この産婦人科に通う5人の女性がそれぞれ抱えている問題は、どれも考えさせられます。
代理母出産の話はミステリー要素たっぷり。
4人同時の出産というエピソードは読んでいるこちらが緊張の連続。この世に生まれてきたことが既に奇跡!
それにしても少子高齢化とか言われて何年になるかわからないけれど、どっちの問題も解決の糸口さえ見えないとは。これで大丈夫なのか日本!
⚪️マドンナ・ヴェルデ
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【内容紹介】
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵、人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。彼女は母に問う。ママ、私の子どもを産んでくれない――? 日本では許されぬ代理出産に悩む、母・山咲みどり。これは誰の子どもか。私が産むのは、子か、孫か。やがて明らかになる魔女の嘘は、母娘の関係を変化させ……。『ジーン・ワルツ』で語られなかった、もう一つの物語。新世紀のメディカル・エンターテインメント第2弾。
【感想】
まず初めにこの本に興味を持たれた方は〝ジーン・ワルツ〟を先に読むことを推奨します。なぜならこの本は〝ジーン・ワルツ〟では語られなかった大切な部分を補完する物語だから。
それにしても理恵先生はなぜあんな極端な人間になっちゃったんだろう。その辺りの原因というかきっかけが知りたかった。
まさかヤンママのユミがキーパーソンになるとは。彼女なら暴走しがちな理恵先生のブレーキになれるかな。
何はともあれ生まれてきたタクくん、しのぶちゃんとかおるくんが幸せになれますように。
妊娠や出産にまつわる簡単に答えが出ない問題がいくつも提示されているこの2冊。女性だけでなく男性も読んで考えてほしい。
⚪️ひかりの剣
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【内容紹介】
1988年、バブル真っ盛りの頃。いずれ医療の世界で悪戦苦闘する医学生も最初は医学の素人で、普通の大学生のようにサークル活動に部活に励んでいた、そんな時代。桜宮・東城大剣道部の猛虎・速水晃一と天下の官僚養成大学、東京・帝華大の臥龍・清川吾郎もまだ医学生で、剣道部員だった。医学部剣道部の象徴的大会「東日本医科学生体育大会」(東医体)。この大会の覇者は将来、外科の世界で大成するという言い伝えがあった。優勝校に送られる「医鷲旗」をめぐって、速水と清川による伝説の闘いが繰り広げられる。『チーム・バチスタの栄光』でお馴染みの面々が、メスの代わりに竹刀(しない)で鎬(しのぎ)を削る、医療ミステリーの旗手が放つ青春小説!
【感想】
〝ジーン・ワルツ〟で清川医師が度々回想していた学生時代の剣道の話が気になって手に取りました。
速水も清川も学生時代はまったく雰囲気が違っていて驚きましたが、速水を研ぎ澄ましたのも、清川をしたたかにしたのもあの高階先生だったというのがなんとも。
結局その後二人は別々の道を歩むので、今のところ接点はないけれど、もし二人が共闘したら最強だろうな。
そういえば抜群の存在感を示す魅力的なキャラの朝比奈ひかりは、本編では出てきたっけ?
剣道はやったことがないので詳しいことは分かりませんが、試合中の緊張感は充分伝わってきました。
⚪️ナニワ・モンスター
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【内容紹介】
浪速府で発生した新型インフルエンザ「キャメル」。致死率の低いウイルスにもかかわらず、報道は過熱の一途を辿り、政府はナニワの経済封鎖を決定する。壊滅的な打撃を受ける関西圏。その裏には霞ヶ関が仕掛けた巨大な陰謀があった――。風雲児・村雨弘毅(ドラゴン)府知事、特捜部のエース・鎌形雅史(カマイタチ)、そして大法螺吹き(スカラムーシュ)・彦根新吾は、この事態にどう動く……? 海堂サーガ、新章開幕。
【感想】
雑誌掲載が2009年で2011年に単行本化、文庫化は2014年。これは高嶋哲夫さんの〝首都感染〟や篠田節子さんの〝夏の災厄〟の感想にも書きましたが、まさかコロナ流行の10年以上前にこんな預言めいた小説が書かれていたなんて。
さすがにこの物語のような情報操作はされていないと思いたいけれど、もしかして…。
それにしても桜宮市という狭い地域の医療の話のはずが、彦根が出てくると話がどんどんデカくなってついていくのが大変。単なる地方の救命救急センターの医師の言葉に翻弄される人の多いこと。「弁は剣よりも強し」って感じ?
⚪️スカラムーシュ・ムーン
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【内容紹介】
新型インフルエンザ騒動で激震した浪速の街を、新たな危機が襲う。今度は「ワクチン戦争」が勃発しようとしていた──霞が関の陰謀を察知した異端の医師・彦根新吾は、ワクチン製造に必要な鶏卵を求めて加賀へ飛び、さらに資金調達のために欧州へと旅立つ。果たして、彦根が挑む大勝負は功を奏するのか? 浪速の、そして日本の医療の危機を救えるのか。メディカル・エンタメの最高傑作!
【感想】
〝ナニワ・モンスター〟の続編というか解決編というか。
インフルエンザワクチン確保のために養鶏場の娘で大学院生の名波まどかが起業し奮闘するという物語と、スカラムーシュ・彦根が日本を3つに分割しようと画策する物語の二本立てのような感じ。
前者は青春小説でありお仕事小説。後者は政治小説というか謀略小説というか。この二つを力技で一つにまとめ上げちゃうのがすごい。
それにしても海堂さんの小説には無駄がない。なにせここにきて〝スリジエ…〟の話が出てきたり、彦根がスカラムーシュという通り名になった真相が明らかになるんだから。
この物語で一番心に残ったのが、主人公であるまどかの背中を押した野坂教授のこの言葉。
「成功するために必要なものは三つだけ。先を見通す視野、流れに身を任す度量、世のため人のためになりたいと願う素直なこころ、です」
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
海堂作品を読み始めて3週目。合計15タイトル22冊。
今週は、桜宮市を飛び出して、北海道、東京、関西、北陸、四国と全国各地を旅しました。
しかもそれぞれの話が絡み合いつながり合っているので、続きが気になるのでどんどん読み進めてしまう。そうすると当然の如く話が進むにつれて登場人物が増え、過去のエピソードが掘り返され、「見覚えのある名前だけど誰だっけ?」というのもしばしば。
そんなごちゃごちゃなあ頭の交通整理をしてくれたのがこのホームページ。
このサイトは海堂尊さんの著書の紹介やレビューだけではなくて、各物語の登場人物をリスト化し、他作品との関連を表にまとめているんです。もちろんその時の所属部署や役職、通り名などの設定メモも充実しているという、まさに「痒いところに手が届く」スグレモノ。
これはすごいの一言。
こんなに物語を読み込んでいる人がいるなんて…。
これからはこのホームページを地図代わりに桜宮サーガの世界を旅したいと思います。
最後に
読書っていいよね。
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