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【読書記録】2023年10月1日〜10月7日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
毎回、いい書き出しが思いつかなくて、ついつい無難な天気の話題から入ってしまいますが…。
今年の夏は35度以上の猛暑が3ヶ月近く続いたっていうのに、今週に入って急に涼しく、いや寒くなって、気持ちのいい、穏やかな秋という季節は、いったいどこへ行ったやら。
富士山では初雪も観測されたっていうし、正直身体が悲鳴を上げております。
さぁ、毒にも薬にもならない前置きが終わったところで、早速今週出会った本たちを紹介します。
【2023年10月1日〜10月7日に出会った本たち】
⚪️ギフト
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【内容紹介】
もやもやとした気持ちを抱いて私は旅に出る(「この風がやんだら」)。大学時代の親友の結婚式へ向かう特別な近道(「コスモス畑を横切って」)。海外留学の前夜、桜並木の下を父親と歩く(「そのひとひらを」)。エニシダの枝に飾られた、彼からのメッセージ(「花、ひとつぶ」)。希代のストーリーテラーが、慌ただしい日常の中に潜む小さな幸せを描き出す、心温まる20の物語。母と娘の切ない絆を描いた短編「ながれぼし」を併録。
【収録作品】
この風がやんだら
雨上がりの花
夏の灯
輝く滑走路
コスモス畑を横切って
茜空のリング
小さな花束
真夜中の太陽
贈り物を探しに
12月のカレンダー
ポケットの中の陽だまり
サウスショア・ピクニック
そのひとひらを
ドライブ・アンド・キス
15分後の春
窓辺の風景
聖夜、電車に乗って
ささやかな光
花、ひとつぶ
薬指の蝶々
ながれぼし
【感想】
20編の心温まる掌編に、アンソロジー〝東京ホタル〟に収録されていた短編を加えて、一冊にまとめたもの。
ページを捲ると、まず最初に飛び込んでくるのかページの白さ。紙が違うんです!
タイトルの「ギフト」は、いわゆる贈り物だけではなく、ちょっとした言葉だったり心遣いだったりと様々。季節の移り変わりを感じつつ、人の心の優しさと温かさを感じることができます。
物語の中身もそうですが、「真夜中の太陽」、「15分後の春」、「そのひとひらを」などタイトルも、そして挿絵もとてもオシャレ。
それこそ大切な人にギフトとして贈りたい一冊です。
⚪️あの頬の誰か
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【内容紹介】
メッシー、アッシー、ミツグ君、長方形の箱のような携帯電話、クリスマスイブのホテル争奪戦。あの頃、誰もが騒がしくも華やかな好景気に躍っていました。時が経ち、歳を取った今こそ振り返ってみませんか。東野圭吾が多彩な技巧を駆使して描く、あなただったかもしれれない誰かの物語。名作『秘密』の原型となった「さよなら『お父さん』」ほか全8篇収録。
【収録作品】
シャレードがいっぱい
玲子とレイコ
再生魔術の女
さよなら『お父さん』
名探偵退場
女か虎か
眠りたい死にたくない
二十年目の約束
【感想】
東野さんの代表作〝秘密〟の原型的な短編が収録されているということで手に取った本書。
著者曰く「訳あり物件」的な小説を集めた短編集だとか。
それはともかくまず驚くのが、最初にも書いた〝秘密〟の原型〝さよなら『父さん』〟。内容はもちろんすごいけれど、25ページ弱の短編を、400ページ越えの長編まで膨らませるんだから、作家の想像力ってやっぱりすごい。
すごいと言えば、他人からタイトルをもらって書くという企画もやっぱりすごい。この短編集では〝女か虎か〟がそれに当たります。この物語がなかなかgood.
作家って自分の書きたいものだけ書いているわけじゃないんですね。
⚪️心淋し川
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【内容紹介】
江戸、千駄木町の一角を流れる、小さく淀んだ心淋し川。そこで生きる人々も、人生という川のどん詰まりでもがいていた――。悪戯心から張形に仏像を彫りだした、年増で不美人な妾のりき。根津権現で出会った子供の口ずさむ唄に、かつて手酷く捨てた女のことを思い出す飯屋の与吾蔵。苦い過去を隠し、長屋の住人の世話を焼く差配の茂十……。彼らの切なる願いが胸に深く沁みる、第164回直木賞受賞作。
【収録作品】
心淋し川
閨仏
はじめましょ
冬虫夏草
明けぬ里
灰の男
【感想】
江戸・千駄木を流れる小さな淀んだいわゆるドブ川、通称「心淋し川」の周りに暮らす人たちの連作短編集。
各編の主人公たちは、皆なんらかの傷や後悔、不満や不安を抱えながらも必死に生きています。
どんな境遇にあっても、自分の居場所や生きる目的を見つけた人はやっぱり強い。
どの話もほろ苦い毎日の中に少しだけ明るい明日が見えてくるのですが、下半身不随の息子を看病する母親の話〝冬虫夏草〟は、なんかちょっと変化球的な印象。
一番好きなのは、四文屋という飯屋の店主・与吾蔵の話〝はじめましょ〟。同じ料理屋で修行し、四文屋の初代店主・稲次が生前、主人公の与吾蔵に語ったこの言葉が心に沁みます。
「おれの弱気もおめえの勝気も世間さまじゃ疎まれる。ここはそういうはみ出し者ばかりが吹き溜まる。世の中って海を上手に泳げないまま流されてきた。灰汁が強かったり面倒な者もいるが、少なくともあたりまえを楯に難癖をつけるような真似はしねえ」
⚪️ご本、出しときますね?
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【内容紹介】
小説家って面白い! 無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と、20人の作家たちが“自分のルール”を語りつくす。 大人気番組、ついに書籍化! 西加奈子/朝井リョウ/長嶋有/加藤千恵/村田沙耶香/平野啓一郎/山崎ナオコーラ/佐藤友哉/島本理生/藤沢周/羽田圭介/海猫沢めろん/白岩玄/中村航/中村文則/窪美澄/柴崎友香/角田光代/尾崎世界観/光浦靖子
【感想】
2016年の春、BSジャパンで放映された「文筆系トークバラエティ ご本、出しときますね?」を書籍化したもの。
こんな番組があったなんて!知らんかった。
この番組、毎回オードリーの若林正恭さんと若手作家さん二人が登場し、はちゃめちゃなトークを繰り広げていたらしい。
3ヶ月間の番組で登場した総勢18人+、書籍化にあたって新たに収録された2人の作家さんの中で、際立っていたのは西加奈子さん、そして村田沙耶香さん。特に村田さんはなんか別次元の人物でした。
あと意外だったのは〝教団X〟の中村文則さん。まさかあんなに明るい方だったとは正直意外。
この番組、ぜひリアルタイムで観たかった。
⚪️漢字が日本語になるまで
音読み・訓読みはなぜ生まれたのか
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【内容紹介】
中国から伝わった漢字は、日本語にとってかなり不便な文字だった。日本人はどう工夫し使いこなしてきたのか。ことばの奥深さに迫るタイムトラベルに出かけよう!
【感想】
本書は中国で生まれた「漢字」が、日本に入ってきてどう取り入れられたかについて具体的な例を挙げ、時折クイズも挟みつつ、10代前半の子供達に向けてわかりやすく解説してくれる。
音読みと訓読みはもちろん二字熟語の5分類、重箱読みと湯桶読みなど少し突っ込んだ内容から国字や国訓など日本独自の漢字の成り立ちまで取り上げている。
本文には書かれていませんが、明治時代に日本に入ってきたベースボールを野球と訳したのは正岡子規だとか。
10代前半向けだからといって侮ることなかれ。大人が読んでも充分楽しめる内容です。
⚪️悪さをしない子は悪人になります
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【内容紹介】
「悪」は排除するべきものではない。悪と善は相対的なものに過ぎない。大事なのは、総体としての生身の人間の中に「悪」を正しく位置づけることだ。罪を犯し、非行に走った少年であっても、「悪」を正しくその子の中に位置づけてやれば、それは人生をプラスの方向に導くためのエネルギーともなるのだー。家庭裁判所調査官として、数百人の非行少年を更生に導いてきた著者が説く「悪理学」。
【感想】
元・家庭裁判所調査官の著者が、様々な経験から、「青少年と悪」について解説した本。
大切なことは悪を排除したり、力で押さえつけるのではなく、誰にでもある「悪」の感情を認め、その上でどう折り合いをつけていくかということ。そして幼少期の遊びの中で、良いことも悪いことも含めて、たくさんの経験をさせることと、それを大人がむやみに制限しないことが重要だということ。
興味を引いたのが、青少年と犯罪の関係について、家の間取りという視点から分析している点。特に家族の在り方の変化を、まさか「サザエさん」の磯野家と「クレヨンしんちゃん」の野原家の間取りで比べるとは。
こういう本を手に取る時いつも思います「もしも10年前にこの本に出会っていたら」と。
子育て真っ只中の方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今週は、短編集、時代小説、学術系、新書などなかなかバラエティに富んだラインナップとなりました。この「あっちへふらふら、こっちへふらふら」な拙僧のなさが私の持ち味だと思って、最近は開き直っている私。
そんな私が、いつか読もう読もうと思いつつ二の足を踏んでいたあの長編シリーズに挑戦!
ヒントは、新潮文庫「う・18・2〜11」
別にクイズにする必要はないんですけどね。
来週はこれ一色になる!
…かもしれません。
もしかしたら毎週1冊読むことを心がけている新書もお休みになるかも。
わからんけど。
最後に、
読書っていいよね。
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