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【読書記録】〝あの日、松の廊下で〟白蔵盈太 著
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
今日は12月14日。
12月14日といえば、赤穂浪士の「討ち入りの日」!
…といってピンとくるのはかなりの年配者?
最近は見かけませんが、自分が子供の頃はこの時期になると必ずといっていいほど、どこかのテレビ局が「年末時代劇スペシャル」みたいな感じでドラマ化していたような気がします。
今回は珍しく、本紹介の前にこんな動画をご用意しました!
そしてもう一本!!
↑↑
これなら、「時代劇なんて古臭い」と思っているナウでヤングな若者にも受け入れられるかも。
さてさて、ここからが本文です。
今回ご紹介するのは、
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【内容紹介】
「殿中でござるってばァ…」そう発することになってしまった旗本・梶川与惣兵衛は、「あの日」もいつもどおり仕事をしていた。赤穂浪士が討ち入りを果たした、世にいう「忠臣蔵」の発端となった松の廊下刃傷事件が起きた日である。江戸中を揺るがす大事件の目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として一躍注目されるようになった彼は、どんな想いを抱えていたのか。江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた、第3回歴史文芸賞最優秀賞受賞作。
厳密に言えばこの物語はいわゆる12月14日の「討ち入りの話」ではなくて、そのきっかけとなった「松の廊下刃傷事件」を題材にした物語なのですが。
松の廊下刃傷事件といえば、一般的に意地悪な吉良上野介に「田舎モノ!」と馬鹿にされた浅野内匠頭がブチ切れて吉良を切った事件(ざっくりすぎ)として知られていますが、この物語はその二人の諍いを止めたあの「殿中でござる!」で有名な旗本・梶川与惣兵衛(そういう名前だったの!?)の視点から、そこに至るまでの経緯が詳しく語られています。
吉良は超真面目人間で真面目すぎるが故に問題を引き起こす。
浅野は浅野で家臣からの信頼は厚かったものの人財に恵まれず…。
周りの無責任さと全てはちょっとした行き違いの積み重ねから起こった事件だったという視点はとても新鮮で、楽しく、あっという間に読了しました。
最も心に残ったのは、梶川が手紙について語る部分。
「とかく、顔を合わせない書面上のやり取りは、感情の行き違いが起こりやすいのである。書面で連絡を取り合う時は、自分から頭を下げ相手を持ち上げ、相手の苦労を慮って、その上で申し上げにくそうに自分の依頼を簡潔に伝えるくらいの腰の低さでちょうどいい。その時に、なんで自分がそんな依頼をするのかについても、できるだけ背景と理由を詳細に書き添えておくべきだ。
それくらい丁寧に慎重にやってもなお、誤解や齟齬を完全に防げないくらい、書面でのやり取りは危険なのだ」
今の社会でも、いやSNSがコミュニケーション手段の中心を担う今だからこそ、心に留めておかなければならないと感じました。
さて、話を「討ち入り」に戻します。
内入が起きたのは元禄15年の12月14日の早朝で、そのひはあたり一面が雪化粧だったという設定になっています。
??
12月14日に雪景色?
しかも江戸で!?
いくら地球温暖化が進んでいなかったとはいえ、それはどーなんだろうと思って調べてみたところ…。
この12月14日というのは旧暦の話で、新暦に直すと1月30日に当たるそうです。
なるほど、だったら納得。
…ということで、最期に
読書っていいよね。
【この記事でご紹介した本】
タイトル:あの日、松の廊下で
著者:白蔵盈太
出版社:文芸社
レーベル:文芸社文庫
ページ数:312
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