週刊ユグド通信Vol.100『チェンパロの世界検証7』
今回のチェンパロは九領の鬼達の中でも伝説や歴史に由来すると思われる偉人伝神 をやりたいと思います。該当要件は以下の二つ。
神話、伝承、古典、史実に由来するもの
名前とエピソードに親和性があるもの
なので同名の偉人はいるものの共通項が見出だせなかった人物については保留にしました。
・表示の見方
No.○『元セリフorタイトル』
【画像】
第○部-第○章-第○話『クエスト』
or
キャラorイベント『クエスト』
解説
(※)No.は累計の通しになります。
No.51・52「伊邪那美命&伊邪那岐命」(イザナミノミコト&イザナギノミコト)
第八領主イザナミと式神イザナギはどちらも古事記(or日本書紀)に登場する日本神話の神様。夫婦で日本列島と多くの神々を生み出した。しかしイザナミが出産時の怪我で亡くなりイザナギは黄泉の国に妻を探しに行くものの、覗くなという約束を破ったせいで腐敗した妻に追いかけられ離縁。イザナギに黄泉の出口を閉ざされたイザナミはその後も夫と子々孫々を呪い続け、イザナギは最後の子供達である天照、月読、須佐之男に国を委ねた後に隠居しました。
No.53・54「風神&雷神」(フウジン&ライジン)
ソヨとシデンは第八領の番兵。漢字で書くと『微風』と『紫電』と思われます。風と雷を司る神様の起源は諸説ありますが中国から仏教と共に伝わった模様。一般に知られているイメージは江戸時代の俵屋宗達や尾形光琳の屏風絵『風神雷神図』でしょうね。
No.55「塚原卜伝」(ツカハラボクデン)
かつてはゲンリュウサイに仕えシュザの下克上の立役者であり現在は第九領の客員に収まっているボクデンは『塚原卜伝』がモデルであることは彼の流派シントウ流が卜伝の興した鹿島新當流(かしましんとうりゅう)が元になっていることから見ても間違いないでしょう。卜伝は戦国時代の剣豪で伝承によれば真剣仕合19回、戦場37回、木刀の打ち合い数百回において不覚をとること無しと呼ばれています。他にも血気にはやる若剣士が決闘を要求するも勇み足した剣士を置き去りにするといった戦わずして勝利の逸話もあり、講談では食事時に奇襲した宮本武蔵を鍋蓋で制したという伝説まで作られています。
No.56「那須与一」(ナスノヨイチ)
第三領主ズイハの懐刀ヨイチのモデルは平安末期の武将で源頼朝に仕えた『那須与一』でしょう。平家物語によれば、屋島の戦いにおいて平家の女官が「落として見せよ!」と軍船の竿先に掲げた扇を馬上から見事射止めたという逸話が残る弓の名手になります。余談になりますが、落ちた扇を拾い挙げ舞を踊り始めた敵将を「射落とせ!」と源義経に命じられて実行したという逸話もありました。(敵からは無作法と罵倒されたそうです)
No.57「島左近」(シマサコン)
石垣崩しの剛力で知られる傭兵サコンのモデルは戦国時代に活躍した石田三成の重臣で関ヶ原の戦いでは東軍から「その強さ鬼神の如き」と恐れられた武将『島左近』でしょうね正に鬼。
No.58「円空」(エンクウ)
エンクウは空腹に喘ぐ人々に食べ物を分け与えるべく棺に食べ物を詰め込んで旅を続ける僧侶。モデルは江戸時代の仏師でもある修験僧『円空』でしょうね。円空の名を冠した僧侶は平安や鎌倉時代にもいたようですが、諸国を廻っていたのは江戸時代の円空だけのようなので合っているとは思います。
No.59「道満」(ドウマン)
第四領筆頭陰陽師ドウマのモデルは平安時代の陰陽師『道満』(芦屋道満)でしょう。道満は藤原道長の失脚にも関与していたと言われており、藤原道長と縁の深い安倍晴明の好敵手と描かれることも多いです。
No.60「葛の葉」(クズノハ)
式神使いクズノハのモデルは室町時代に執筆された安倍晴明出生説話に登場した晴明の母とされる『葛の葉キツネ』でしょう(チェンクロでは『葛葉』でしょうけど)。クズノハは両親が消息不明で母親が余所者だったことから陰陽師の一門から迫害されて一人暮らしをしています。案外母親は妖狐なのかもしれませんね。
後記
今回は偉人伝神というテーマで九領の鬼達の由来を調べてみましたが如何だったでしょうか。本当はヨシツグなんかもやりたかったのですが、『大谷吉継』『三好義継』『二本松義継』『源義次』『西尾吉次』『吉良義継』多い実に多い。同じ理由でヨシカゲも今回は断念しました。ボクデンくらい分かりやすい由来はもういないのでまた何か分かったらまとめたいと思います。
まとめ
・今回までの元ネタの累計(+は今回分)
アニメ(ラノベ、漫画)5
ガンダム5
ジャンプ(全般)5
テレビ(CM、ドラマ、バラエティ)5
特撮3
ゲーム(セガ、スクエニ)18
映画(文学)13+1
言葉(名言、格言、スラング)2
キャラ1
伝説(神話)2+4
偉人1+5
今回は以上となります。