私が「麻雀戦術本」を買い続ける唯一無二の理由
私は麻雀の戦術本を買うのが好きだ
私の部屋の本棚には、本屋の麻雀本コーナーもビックリするぐらいの数の麻雀戦術本が並んでいる
さっき数えたら、全部で55冊あった
我ながら、よくもまぁ、これだけ買ったものだと思う
少し自分語りになってしまうが、買い始めたキッカケと買い続ける理由を書いてみたいと思う
話を遡ること、約二年半
三十代を一緒に過ごした女に逃げられ(ふられ)て、休日にはテレビゲームをして過ごすか、風俗に行くかぐらいしかなかった頃の話だ
比較的仲の良い職場の同僚と会話をしていた時に、なんかの話の流れで、その同僚が今度職場の契約社員の人達と麻雀を打つことになったという話が出た
「麻雀、懐かしいなぁ。昔はよくやったなぁ」なんて会話を続けたら、「九作も来れば?」って誘われた
その同僚以外の面子とは同じ職場なので面識はあるが、私と同僚は正社員で、残りの人は契約社員で立場が違うので、あまり話したことはなかった
正直な話、行ったところで話が合うかわからなかったが、暇をしていたのもあって、お邪魔することにした
いや、暇も理由の一つだが、昔ハマった麻雀を久々に打てるという甘美な誘いに勝てなかったのである
もし、その面子で飲み会をするという誘いだったのなら、100%断っていたと思う
やっぱり久々に麻雀を打てるという魅力には勝てなかったのだろう
私が麻雀を覚えたのは今から約30年くらい前の中3のちょうどこの時期のことである
友人の一人に田舎の土建屋の長男がいて、そいつの家の離れにあるプレハブに呼ばれたのがキッカケだった
当時はまだ羽振りの良かったソイツの親父が、そのプレハブの一室に全自動麻雀卓を持っていたのだ
そいつとは部活が違っていたので、仲は良かったがそんなにつるむ感じではなかったので、麻雀をやっているなんて話は知らなかった
私が行った時にはそいつの部活の奴やそいつの小学校時代からの友人で卓はたっていた(中にはほとんど喋ったことのない奴もいた)
麻雀を打ったことはおろか、ルールもまったく知らない私は、友人に麻雀入門の本を渡され、その本を読みながら、友人の後ろで麻雀を見させられた
友人たちが実に楽しそうに麻雀を打つ様を見て、本を見ながら「今のは何だ?」って質問をしまくった
友人たちも私を麻雀沼にはめようとしていたのだろうと思うが、実に親切丁寧に教えてくれた
その日はわけもわからず半荘一回だけ打たせてもらい、4面子1雀頭の基本的な構成とリーチと特殊役の七対子だけ覚えた
そして、麻雀本と麻雀漫画を借りて帰宅して、深夜まで貪るように本を読んだ
数日後には、消しゴムにカッターで「中」と掘ったモノを授業中に永遠に引きヅモしてる馬鹿な厨房になっていた
完全にドハマリである
大事な受験勉強の時期にえらいことである
毎日、学校終わりにそいつの家に行って日付が変わるまで麻雀を打ち、休日は朝から晩まで打った
今思えば、全自動麻雀卓だからできていたと思う
あとはお決まりのコースで、高校受験大学受験と当たり前のように失敗するぐらいハマった
ただ、私は元来チキンなので、仲間内のセット麻雀オンリーで、雀荘に行くことはなかった
だから、入ったサークルで麻雀を打つ先輩がいなかったこともあって、大学で麻雀にハマることはなかった
仲間内のセット麻雀は細々とは続いてはいたが、就職や結婚を機に一人減り二人減りして、気づくと麻雀を打たなくなって15年以上たっていた
15年以上ぶりの麻雀、それなりに麻雀に自信を持っていた私だが、全然勝てなかった
なぜなら私の麻雀が昭和の綺麗な麻雀だったからだ
両面重視、手役重視、オカルト全開、今思えばそこで勝てなくて良かったと思う
負けて悔しかった私は、もう一度麻雀を勉強し直すかと、ネットで麻雀の本を調べた
そこで出会ったのが「現代麻雀技術論」と「科学する麻雀」である
まさに目から鱗だった
麻雀においての独学の危険性を恐ろしいまでに感じた私は、それからしばらく色んな麻雀本を買いまくった
【ネマタ】さんや【とつげき東北】さんや【福地誠】さんといった、プロ雀士ではない人の麻雀本から買い始めたせいか、著者がプロ雀士かどうか、有名な人かどうかなどは、本を買う選択の基準にならなかったのは良かっと思う
程なくして天鳳強者の麻雀本にも次から次へと手を出すようになっていた
そんな折、Mリーグが開幕することになった
自分が15年ぶりに麻雀を再開した年にMリーグが開幕するなんて、勝手ながら運命を感じた
当然、Mリーグの視聴にハマった
時間の許す限りMリーグを見た
そこで私は一人の麻雀プロの上手さと強さにひかれてしまった
それは誰あろう「多井隆晴」プロである
恥ずかしながら、私は多井プロを知らなかった
私の中の麻雀プロは大昔の知識で止まっていて、安藤満や飯田正人や小島武夫ぐらいしか知らなかった
だから今思えば、余計な前情報無しに多井プロのファンになれたのもあると思う
強さと上手さを尊敬する多井プロのインタビューの記事を読んで、そのインタビューの中で、多井プロは「どんなに忙しくても、この世に出る麻雀戦術本は全て目を通すようにしている。自分の知らない麻雀の戦術があることは嫌なので」と語っていた
麻雀界のトップオブトップなのに、この勉強熱心さには頭が下がる
自分も少しでも麻雀が上手くなりたいと思っている人間なので、多井プロに少しでも近づけるように(無理だと思うが)同じような選択(麻雀戦術本の新刊を買う)をするのは当然の帰結である
Mリーグ2019の対局だったと思うが、多井プロが解説の時に、アマチュアの山越さんが書いた本の「山越リーチ」の話をした時に、私は感動すら覚えたのを覚えている
Mリーグ関連の仕事だけじゃなく、色んな仕事で忙しい中、一介のアマチュアが書いた本まで本当に読んでいるんだと思った
多井プロは軽い発言をすることもある人だけど、有言実行の人なんだなと思った
尊敬する多井プロが麻雀戦術本を書い続けるというのだから、私も同じように今後も麻雀戦術本を買い続けるしかないじゃないですか
それが、私が麻雀戦術本を書い続ける唯一無二の理由である
おわり
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