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性遍歴1-5(終):別れ→執着→絶縁

◆前回◆


◆マガジン◆


誰かに「依存」する事はおすすめしません。
どう足掻いても人は一人なので、誰かに全てを委ねて必要以上に信じることはしない方がいいです。
誰かが自分を「支える事」はしてくれても、「守る事」はしてくれません。
最終的に自分を守るのは自分です。




メンヘラ女との関係が続いていた1年半、数え切れないほど何度も別れ話を切り出しました。
しかし、その都度拒絶を受け、首を締め上げられ、刃物を振り回され、事実無根の噂話をばら撒かれました。

メンヘラ女はよく「構って欲しい」と僕に言ってきましたが、構っている時ですら「構って欲しい」とごね続けるので、何をどうすれば構っていると思って貰えるのかが分かりませんでした。
本人にそれを聞いたこともありましたが「そんなもん男が全部察しろ!」と怒鳴られるだけでした。

「妊娠した」「エイズになった」「白血病になった」と嘘をつかれたこともありました。
それが嘘だと分かったのは、言われてから何ヶ月も経った後でした。
「産婦人科に行ったら妊娠3ヶ月って言われた」と打ち明けてきた1ヶ月後も「妊娠3ヶ月」と言っていたし、そこからさらに半月経った頃にも「妊娠3ヶ月」と繰り返していました。
エイズと言われてから僕はすぐに採血検査を受けましたが、結果は陰性でした。
数週間、数ヶ月と時間を空け、合計3〜4回検査をしましたが、その全てが陰性でした。
白血病を治すための抗がん剤の薬と言って見せてきたのが市販の頭痛薬(半分は優しさで出来ているやつ)だった時は本当に呆れました。

「女性」と特定出来る人の連絡先を全て削除させられた事もありました。
友人知人はもちろん、「世の中には近親相姦って言葉もある」という理由で家族や親戚に至るまで全て削除させられました。
特にメンヘラ女は僕の家族を嫌っていたため、僕の家族は性別関係なしに全員削除させられました。
当時、自宅の固定電話以外で家族の誰にも連絡が入れられない時期がありました。

それらの行動は全て、僕の気を引きたいがためのものでした。

自分以外の誰とも関わって欲しくない、常に自分だけを見て欲しい、自分の事以外考えて欲しくないとよく言われました。
メールの返信が5分以上掛かっただけで浮気を疑われ、何度も尋問と暴力を受けました。
封筒を片手に持って歩道橋から下を見下ろしているような画像を添えて「今すぐ会いに来てくれやんかったら飛び降りて死ぬ。私の死に関する全ての責任はあんたにあるって遺書も書いた」とメールで迫られた事もありました。
僕にバイトがあるのを知っていながらドタキャンで欠勤させされ、会いに行かされた事もありました。
僕が修学旅行で数日会えない時に「なんとかして抜け出して会いに来い」と何通もメールが殺到した事もありました。

そうこうしているうちに、僕は精神的にバランスを崩し、人と会うことが怖くなってしまい、学校やバイトにも行けなくなり、人の名前を思い出すだけでパニックになってしまうような状態でした。
メンタルクリニックで「神経過敏症」と診断を受けました。
ジプレキサという薬を飲むようになりました。(今は完治しています)

就職活動の時期が迫ってきていた頃だったにも関わらず、僕は採用試験を受けに行く事が出来ず、第一志望の会社を見送りました。

いよいよ自分の将来に関わる危機に直面した僕は、メンヘラ女への態度を急変させました。
メールや電話にも応じず、会いたいと言われても会わず、こっちから話しかける時は毎回別れ話を切り出し、暴力や脅迫を受けてもそれを続けました。
それでもメンヘラ女は別れてくれませんでした。

ある日、穏やかなトーンで僕が別れ話をしていた時がありました。
その時は珍しく話を聞いてくれていました。
途中で話を遮られるのがお決まりだったんですが、それもなく、ちゃんと頷いて話を聞いて、別れることにも応じてくれました。
僕はようやく肩の荷を下ろすような思いで気持ちが前向きになりました。
ですが、その翌日のメンヘラ女からの電話で全てが覆りました。

「昨日の話やけど、あの言い方はないと思うよ。絶対彼女なんて作らせやん。また好きになってもらえるように頑張る。あんたに拒否権は無い」


そこまでで僕は電話を切り、即座にメアドと電話番号の拒否設定を掛けました。
同時に、メンヘラ女と接点のある共通の友人知人周り数十人の連絡先も全て拒否を掛けました。
そのまま連絡が来ることもなく、僕はなんとか就職先を見つけ、高校も無事に卒業出来ました。

働き始めて少し経った頃、当時流行していたSNS(アバター作成が充実してたやつ)のミニメール機能を使ってメンヘラ女から接触がありました。
「話したいことがあるから電話番号教えて下さい」
僕は返信をせず、そのアカウントをブロックしました。
数日後、メンヘラ女が新たにアカウントを作り直してまた同様のミニメールを送ってきました。
僕はそのアカウントもブロックしました。
その一連のやり取りが何度も続き、僕はSNSを退会しました。
それから数ヶ月後、知らない番号から着信履歴がありました。
間違い電話かと思って最初は出ていなかったんですが、あまりにも頻繁にかかってくるので、お年寄りが番号間違いに気づいていないのかもしれないと思って出てみる事にしました。
電話口から聞こえてきた声は、メンヘラ女のものでした。
話を聞くと、僕と別れた後に新しく彼氏が出来て、今はその彼氏の携帯から電話を掛けているという事でした。
ミニメールで僕に「話したいこと」と言っていた内容は

「今の彼氏と結婚することになると思うんやけど、本当に上手くやって行けるか分からんから元カレとしてアドバイスが欲しい。一応あんたの方が今の彼氏より私の事をよく知ってるはずやからそれくらい協力してくれてもいいやろ」


というものでした。
話している途中でしたが、僕は電話を切り、その番号も拒否を掛けました。
それがメンヘラ女との最後の接触でした。
この記事の投稿日時から数えて約16年前の出来事です。
それ以来、メンヘラ女がどこでどうしているかは今も全く知りませんし、知る気もありません。


◆次回はここ◆


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