Abema恋愛リアリティの分析

今日好きになりました
というAbemaの恋愛リアリティ

恋愛リアリティに抵抗がありつつも、人が視聴する理由も何となく分かる。

興味のあるなしは別にして気になったものは一通り調べたくなるアンテナが、ついに日本のティーンを賑わすAbema恋愛リアリティに達した。
納得いくまで情報収集したので、ここに残そうと思う。

学生向きのAbema恋愛リアリティの中でも、「オオカミくん」「今日好き」が特に有名。
オオカミくんは今はAbemaではやってなくて、Netflixとパートナー契約が結ばれそっちで放送。Abemaでは今日好きに力が入れられてるっぽい。

どちらも初対面の男女が4.5人ずつ集められ、数日で恋に落ちるといった枠組みはだいたい同じで、
オオカミくんはその中に恋をしない人が混ざっていて、その人を避けて運命を掴み取るといった少し創作要素が強め。成立しても実際に付き合う訳ではない。

一方の今日好きは、2泊3日で数人の中からリアルな恋愛相手を探し、成立＝お付き合いという内容。 

オオカミくんは、今日好きと比べて割と名前の知られ始めている事務所の次世代売れっ子俳優やモデルが出ている印象。
実際に付き合う訳では無いのでリスクもないし、知名度も上がるしで一石二鳥だと思う。

今日好きは、もう少し知名度の低い、インフルエンサーやtiktoker、近頃だとpopteenやeggの専属モデルが出ていることが多い。
実際に付き合うということで活動者にはリスクがありそうだけど、こちらも色々仕掛けがあった。

今日好きは成立直後から、男の子と女の子の名前をあわせて、「〇〇●●カップル」とセットで売り出される。
その状態で今日好きカフェやら、TGCteenやら、モデルプレスのインタビューやら、YouTubeやらに出まくる。

成立したらそれで終わりじゃなくて、そのまま2人での日常が仕事となる日々が始まる。YouTubeのカップルチャンネルに近いんだろうけど、一緒にいたいと願う学生特有の感情を刺激する、キラキラした毎日がシェアされる。
ここが1つ目のお金の生まれる仕組みかなと思う。

画面で見ている中高生は、まるで友達のように2人が付き合うまでを見守っていたわけで、その後の動向も気になって仕方ないはず。
今日好きメンバーが出演するイベントが多数開催される他、popteenやeggは表紙争奪戦があったりアパレルとのコラボも多く、お金を落として応援できるタイミングが、成立後も無限に用意されている。

カフェやイベントに足を運ばなくても、インスタやtiktokで一緒にライブ配信したり、写真をあげたり、やりとりをしている2人の様子を追い続けることができる。

本来アイドルなどは、自分や生活を切り売りして見せたり見せなかったりすることで人の興味を引くけど、
カップルとなると、なにか特別なことをしなくても経過が気になるもので、2人の様々な動向に自然と注意が向いたままになりやすい。
都度お金を落とすチャンスも生まれやすくなる。

しかもこの今日好き、「継続制度」というものがある。
みんなの予想通り、数日で成立したことや、遠距離などが要因ですぐにお別れするカップルが多い。また成立しなかったメンバーも沢山出てくるわけだけど、
成立して別れたとしても、不成立だったとしても、1回今日好きにでたら今日好きファミリーみたいな感じになって、「継続メンバー」という肩書きを持って次の旅以降で戻ってくる可能性がある。
高校生のうちは何回でも出られるらしい。

仕組みは違うけどテラスハウスのように入れ代わり立ち代わり、色んな人が出たり入ったりしていく。
すると〇〇●●カップルで破局した〇〇くんが違う回で出てきたりするので、必然的にカップルとして応援しつつ、個人のファンも獲得していく。
視聴者は無数にいる出演者から誰と誰をくっつけたいと言い出し、次放送回への視聴意欲も高まるのだ。若年層の中で今日好きというコンテンツ自体に価値がついて、ファンが増えていくのも頷ける。

しかも放送が終わるまでは誰と誰が成立したか、視聴者は知らされない。
出演してる高校生たちは当然今日好き用アイコンの個人のSNSを持っていて、それなりにフォロワーがいる人ばかりだ。
放送毎に写真が上がったりインスタライブがされるから、視聴者は得意のネットサーチを駆使して考察している。
〇〇ちゃんはいいねしてるけど、〇〇ちゃんはいいねしてないとか、
●●ちゃんとの写真が多いからどうだ、とか。
そうやって予想を楽しんでいる。

先ほど説明した途中参加の継続メンバーもいたりして、最初はモザイクで隠されていたりする。そのメンバーが誰なのか、体格やネクタイの色で考察されたりする。
こうやってたくさんの仕掛けがあって、よく作られているなぁと思う。

学生だけかと思いきや、意外と主婦や大学生で考察している人も多くいて、視聴層がどんどん拡大している気がする。
成立したカップルを見て、少女漫画の誰と誰みたい！と漫画や2次元好きの層にも刺さっていた。

今日好きの旅は海外が舞台になることがほとんどで、海外旅行に馴染みのない中高生が見入ってしまうのもわかる。
Googleがスポンサーに付いており、所々でGALAXYの自撮り機能やタッチペンデコの宣伝が入っているけど、カップルのデートの中でのやりとりだからか、あんまりいやらしい感じがしないのもすごい。

あとは謎に今日好きの中でしか使われないワードがあって、
「第一印象」「〜のが上です」
この辺りが面白い。

男「第一印象何人ですか？」
女「2人です、あなた第一印象に入ってます」
男「僕も今入りました」
女「嬉しいです、〇〇君より上です」
男「僕も上です」

こんな会話が初っ端、様々なペアの中でされている。

第一印象が3人から2人になりました
今は1人です

これ盛り上がるポイントらしい。

意味わからなすぎて面白い。

あなたのが上ですって、上って。
第一印象2人ですって、第一印象って人数で答えるものだっけ。そんな脱落式で絞られていくものだったかなと思ったらものすごいシビアで笑えてくる。
今、気になる人に入りました！とかも平気で言ってておもろい。

何しろ2泊3日でパートナーを決めなきゃならず時間が無いのと、ティーンならではの感性で、婚活中の人たちより鋭利な言葉で、高校生たちが選び抜かれている。

ハマっていません。
探究心によるものです。

私たちの時は天てれとかがこれに当たるのかなぁと考えていた。今は恋愛を公開して有名になる時代みたいです。

Abemaトライアルに課金しました。しばらく見て、また面白いものがあればレポーティングします！