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うつわ 人器と天器 その6

 人物ができて参りますと、膽気⇨膽力⇨膽織⇨人物⇨大器と備わって行きます。
些細なことで精神が動揺したり、気持ちに振り回されることも無くなります。東洋医学や東洋思想を調べてみても肝臓や胆嚢と精神は密接に関連があります。
 例えば、怒りの気持ちは、交換神経を興奮させ、交感神経が肝臓へ伝達物質で肝臓貯蔵のグリコーゲンを血液中に流し込むようにと指令がゆき血液を糖で充して行きます。
 何故そのような現象が起こるのでしょうか?怒りを感じた後に起る事を生命は長い年月の中で把握しているからなのです。怒りを感じた後に想定されることは、闘争か逃走です。何も大量のエネルギー消費が予想されるので血中を糖で満たすのです。
 心臓は努力して大量の血液を駆出します。血液の循環量は増加し、血管は収縮し血圧は当然上昇します。赤血球も増加して、身体各部へ酸素運搬量を多します。血液は、骨格筋に充分に送られ、活発な身体活動に備える事となります。
 胃液や腸液などの消化液の分泌も低下する事となります。怒りの時の身体反応は、自律神経系の中の交感神経の興奮による症状である。
 怒りという情動の心が形成されるのは、旧皮質の視床下部で、視床下部には、自律神経系の中枢があります。怒りの場合には、旧皮質と視床下部は近接していて密接な関係を持っていますから、感情はすぐさま、自律神経を通して身体症状を表出することになります。
 また感情により、ひき起こされた自律神経の興奮は、視床下部に近接している脳下垂体に刺激を伝え、脳下垂体は、身体の数箇所にある内分泌器官に対して、ホルモン分泌の指令を出します。脳下垂体から副腎へ指令がゆき、副腎の内部(髄質)から、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンは、交換神経系を興奮させるように作用するから、怒りによる交感神経の興奮症状は、さらに強くなるわけです。怒りという情動は、心理だけではなく、激しく身体症状を巻き起こすのです。
 これらの、現象は肌の色や貧富の差、性別、地位や名誉に関係なく生き物に共通した選択できない現象なのです。
                                つづく

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