お受験@米国  最終編

さてJuniorYear(高校3年生)を2021年5月で終え”その3”で紹介した様々なアクティビティが揃ったところで次は大学選びです。時期は2021年の6月&7月です。この時期に実際に数校のキャンパスを訪問したりします。コロナの影響で様々な制限がありましたが2021年シーズンは多くの大学が訪問を許可してました。
まず息子は大学でのメジャーとしてComputerScience(CS) を取りたかったのですがUCを筆頭にCSは非常に人気があり、特に志望者の多いAsianMaleにとっては狭き門なのです。ただ今までUCでは内部トランスファーがそこそこ可能だったので他のEngineeringのメジャーからのトランスファーを狙う手法もありました。なので息子も当初はMechanical EngineeringやCivil Engineering などを初期ターゲットにし、トランスファーを狙ってました。ただしどういう事情かこの状況も2020-2021あたりから変化し内部トランスファーによるCS専攻はほぼ不可能となりました:( 
従いUCにおけるCS専攻は厳しいという前提で他校のCSも検討しないと行けないな~、というタイミングでMacalestor というリベラルアーツの大学のクロスカントリーのコーチからアプローチをうけたのです。息子のトラックのパフォーマンスが目に止まったとのことでした。ここで初めてリベラルアーツの大学という選択肢に気づいたのです。同時に息子の陸上(トラックとクロスカントリー)のパフォーマンスがリアルにアプリケーションに効果的で有ることを認識しました。
使える物はなんでもつかおう!という事で息子は6月末くらいから多くの大学のコーチに自分の陸上のパフォーマンス、学校のGPA、そして課外活動のエッセンスをまとめたEmailを出しまくりました。
結果そこそこの大学からレスをもらうことができました。7月初旬における状況をまとめると、

リベラルアーツ
  Macalester
        Williams
        Amherst
        Washington Univ St. Luis
一般大学
  Carnegie mellon
   MIT
         Chicago

他にありがたいことに正直名前を聞いたことない多くの大学から(15校くらい)も先方からCONTACTを貰いました。ただやはり相手からアプローチが来るパターンはそれ程有名校では無かったです。

さて上記の大学ですが陸上だけでAcceptされるケースはまず無いです。通常のプロセス同様GPAと課外活動、そしてケースバイケースでSAT/ACT(テスト)が総合的に評価されます。ただその内何がどれくらいの割合を占めるのかは不透明です。ただリベラルアーツの大学は総合判断にせよかなり初期の段階で合否の判定をしてくれる、逆に言うと早い段階で息子も腹を決めないといけない、一般大学の3校は残念ながら殆ど陸上によるポイントが大きくない、という感じでした。コーチ曰く"君に是非来てもらいたい、ED(early decision)で応募してくれ、なんとかなるかもしれない” という感じでした。

ここでちょいと補足です。上記の7校は陸上をDIIIというカテゴリーで運用してます。NCAA(全米大学体育協会)は各大学をサイズやサポートする予算でDI,DII,DIIIと分けてそれぞれのグループでCompeteさせてます。基本大学のサイズ=予算となるので大きくて有名な大学がDIとなります。スタンフォード、ハーバードなどのアイビーリーク、UCLA・UC Berkleyなどの殆どのUCはDIです。息子も陸上成績だとなんとかギリギリこれらの狙える位置にいましたが早い段階でDIは狙わない事にしました。何故ならDIプログラムは下手するとセミプロ、大学が支援をするかわり勉強がおろそかになる可能性もあるからです。DIプログラムでは成績が悪いとTutorなどのサポートしてくれますがそれは基本成績をひどい状態から平均に戻す、というレベルです。やはりスポーツでのパフォーマンスを求められます。勿論陸上と勉強両方がTOPクラスという子も存在してそういう稀有な存在がスタンフォードやアイビーに行きます。実際息子の一個上の先輩で勉强もTOPクラス、陸上はカリフォルニアでTOP10以内の子がスタンフォードに行きました。ただスタンフォードやUCに限って言えば世界レベルのアスリートであれば勉强がひどくても行けるようです。例としてはタイガーウッズ(スタンフォード)。ほかにも水泳のオリンピック選手など私の知っている範囲でもワールドクラスのアスリートがポロポロいます。更にアメフト、パスケ、野球あたりの国民的スポーツの場合は大学も殆どプロ化しているのでこのへんが強い大学UCやスタンフォードなどはほぼほぼスポーツだけで入学できます。ただ全米クラスで有ることが条件です。

話が少しずれました。兎に角スポーツによる大学応募というのはそこそこケースが多いものの私達日本人家族には全く知らなかった世界で手探り状態でしたが7月末までには以下の状況となりました。

リベラルアーツ:以下3校に絞る。
  Williams
        Amherst
        Washington Univ St. Luis

一般大学:以下3校はスポーツが評価が低いので断念
  Carnegie mellon
   MIT
         Chicago

DI:一応UCLA、UC Berkleyにレターを出すがコーチから返信なし。上記の理由もあり断念

リベラルアーツの3校はコーチとのコミュニケーションも頻繁にありかなり手応えがあったので敢えて他に食指が動かなくなった感じです。更にスポーツを全面にだして応募する場合、通常Early Decision (ED) というプロセスを利用を求められます。これは通常の応募時期より早い段階で1校だけ応募し、Acceptされたらその大学に行かなくてはいけない、というシステムです。つまり応募してOKがでたら他にいけないのです。ということであまり選択肢を増やしても意味がなかったという状況でもありました。

更に上記の大学の内実際に7月にはWilliams、Amherst、Chicago大のキャンパスを訪問しました。学校の雰囲気も大事ですが息子はやはりコーチに会っておきたかったみたいです。

さて8月になってWilliams、Amherst、Washington Univ St. Luisからスポットをもらいました。以下の流れです。
それぞれ陸上のパフォーマンスはコーチが精査します。ただコーチの一存では決まりません(先述のDI、全米レベルの場合は違うかもしれません)。
コーチはCandidate となる学生からGPAの情報(Transcript)や課外活動の情報、学校の情報などを収集しAdmissionOffice( AO)に総合的な判断を委ねます。そこで結果判定となるわけです。そしてコーチはAOからスポットをもらうとその結果を学生につたえると同時に”すぐにCommitしろ”と言ってくるわけです。嬉しくもあり状況によっては困るわけです。
息子はまずAmherstからスポットをもらったので喜んでましたが、早々に返事を求められたので逆に他校にその事実を話し他からもスポットをもらいました。あまり駆け引きはオススメしませんがこれくらいの交渉というかレバレッジは許されるでしょう。

8月中旬最終的にWilliamsにcommitし他は断りました。Williamsはリベラルアーツとしては全米No.1にランキングされているのとクロスカントリーもDIIIでは一位、二位を争う学校で私もいい選択と思いましたが息子の判断基準はコーチでした。あまりガツガツしないで練習もかなり個人に委ねる姿勢が気に入ったようです。更に7月後半から8月頭にかけ結構な数の現役の大学生と色々会話させてもらいその辺もかなりの判斷要素になったようです。

という事で8月に高校4年生が始まる前に”ほぼ”大学が決まったのです!
正直米国の大学入学はよくわからない部分が多く非常に心配していたのですがかなりあっさり決まったのでちょっと拍子抜けでした。ただこれは本ぎまりではなく全て口頭でのコミット/約束なので5%くらいの不安も残ってました。

10月末にEDによる応募をしその結果が12月中旬に出て来るわけですがここで無事正式にWilliamsからAcceptされようやく本決まり、ヤッターとなったわけですが同時に大きな問題に直面したのです。お金の話しです。

Tuition:Williamsを始めとするTOPリベラルアーツやアイビーなどはざっくりいうとTuitionは年間$55-65K(Y2022-2023),  平均$60Kです。Williamsは平均に近い$61KでDormの費用等あわせると約$80K, 4年間で恐らく$350K….つまり4000万円位です!!!!さらっと書きましたがこれは大変な額です。
どうやって払うのか?米国には多くの奨学金やAidが有りますがローンが多く将来長きに渡り学生の負担になるのです。ただTOPスクールは数兆円の現金を保有しそれを専業ファンドマネージャーが投資で増やしているのでお金があります。そのお金を活用しFinancial Aidを提供してくれるのです。返済義務はありません。
各大学のホームページにはこのFinancial Aidがいくら貰えるか?最終負担はいくらなのか?をシミュレーションできるツールを用意してくれてます。事前にこのツールを利用しFinancial Aidを計算したところ自己負担は$80=>$35K と出てました。勿論安くは無いけどこれならなんとかなる、と考えてました。事前のシミュレーションでは前年の所得(TaxFiling上の)、持ち家の価値、貯金とローンなどの数字を投入してます。因みにサンノゼの世帯所得における"低所得"の定義が約1300 万円なのですが我が家の所得はそれ以下。。。所得の低いのもメリットあるな〜とすこしニンマリしてました。

WilliamsからAcceptの通知でヤッターと皆で喜んでましたが、更にもう一つのレターがEmailにくっついてました。Financial Aidに関するレターでした。
そしてそこには無情にもFinancial Aid”0”と書いてあるではないですか!!!
しばらく放心状態でしたが、何らかのミスではと思い始め、気を取り直しAOに確認することにしました。(実際にはFinancial Aid専任の方)。
Zoom会議もふくめ色々有りましたが結果はかわらず。。びた1セントもくれない理由は我々が保有している不動産でした。持ち家の不動産以外を報告する必要は無かったので”ラッキー”と軽く考えてましたが先方はこれ専門のプロ。TaxFiliing から資産を見つけてしまったのです:(
不動産はゆくゆく売却して余生の資金にしようと思っていたのですが大學はそんな事は構いません。
Eearly  Decisionは Acceptされたら断れない、と先述しましたがどうしてもお金が払えない場合は断れるということがわかり一旦は他校の検討もしましたが、亡き野村克也監督の ”財を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上” という名言を何故か思い出し”財より人”と自分自身をなんとか納得させお金を出すこととしました。

兎に角年収1500万円位までで他資産がそれほど多くなければ間違いなく$40-50K/年間のFinacialAidがもらえるはずです。米国の大學は噂通り滅茶苦茶高いのですがAidもかなりです。見た目のTuitionに惑わされず是非チャレンジしてください。ここまで読んでくれた方ありがとうございます。そして質問がある方はなんでも聞いてください。  @silicon_valley7 (twiiter DM)








   



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?