意味の無い人生など存在しない

「人生に意味はあるのか」という時間の無駄のような質問がありますが、
「どうしたって意味が出来てしまう」というのが実際の所かと思います。

例えば世の中には、ランダム関数というものがあります。
これを使えばランダムな数字を簡単に生成することが出来、
ネット上では簡単なおみくじや抽選などなどに用いられることもしばしば。
それを基にして表を作成することも出来ます。

例えばこんな感じに。

これはランダム関数で適当に生成したものになります。
具体的には、ランダム関数で出た数値をx.yと座標にあてはめて図にしたらこうなりました。（グリッド線は消去しています。）

ランダムらしい訳の分からない画像ですが、よく見ればギザギザに見える部分があったり、テトリスの凸みたいな形があったり（画面上部中央からやや左の辺り）と、ちょっと図形のようなものが出現しています。
こうなってくると本当に全てランダムなのか疑わしい部分もありますが、一応全てランダムで出来たものです。信じてください。本当なんです。

一方こちらはどうでしょうか。

こちらは一見かなりランダムに整列されているように見えますが、ゴリゴリに手を加えています。
具体的には私がペイントを使って、点と点の間隔がくっつきすぎないように調整して作成しました。あとめんどくさかったので途中からコピペしまくっています。信じてください。

人は「ランダム」と聞くと上の画像のように完全にバラバラになったものを「ランダム」と認識しがちですが、
実際のランダムというのははじめの画像のように、点同士がやたらくっついたり離れたりするのが普通です。
むしろあれこそがランダムと言えます。
一見ランダムと思いがちな、全ての点がどの点からも適度に距離が離れているようなものはそもそもパターンとしてかなり限られてくるものであり、
点の数が増えれば増えるほど全てが距離をおいてバラバラになっているという状態はかなり起こりづらいものとなってきます。
それを狙って作成しようとすればランダムでなく人工的に作るしかないのです。

さて、これを踏まえて。
人というのは何か特徴があるとそこから何かを見出そうとします。

例えばもう一度先程の画像、まずは色々と見渡してみていただければと思います。
ランダムに点が並んでいるだけなのにギザギザが見えたり、凸のような模様が見えたり、やたら点の固まっている箇所などが見えてきます。
そういう特徴を見つけると人というのは
その特徴に"ギザギザ"とか名前を付けたり、既存の概念に紐づけしてみたりと、とにかくそこから意味を見出そうとします。
点の無い空間が少しあればあったで、今度はそこにも何か特徴付けるための名前を付けようとします。お豆腐とか。（適当）
「シミュラクラ現象」というものがあり、人は点が3つあればそれを顔として認識しようとする自然な働きがあるそうです。
たった3つの点からも何かを捉えようとするのですから、
上の画像のようにあれだけの点があれば、それ以上の認識をしようとするのは当たり前のことかもしれません。

そして次に、人生とは「ランダム」なものです。

どんな家で生まれてきて、どんな環境で育って、どんな人と出会って、どんなモノを手に入れて、どんなタイミングでそれが起こって。
似たような環境でさえ、イベントが発生したタイミングなどのちょっとした差が人に影響を与え、
結果として一つとして同じ人生はありません。
それはさながら先程の画像のようです。
先程の画像も、ランダム関数を基にして作られているので
実行する度に似ているようで他のどれとも違うたった1つの画像を生成してくれます。
全ての点が均等に並んだランダムなど存在しません。

そしてそのムラから人は意味を見出そうとします。
生きている限り、そのムラは絶えず発生し、人はそれをどうにか解釈しようと無理にでも意味を見出します。
人生はランダムであるので、ランダムに作成された上の画像のようなものです。
点の一つ一つが今までの人生で起こったイベントとすれば、
一つとして同じものはなく、特にその偏った部分に意味を見出そうとします。

よって自ずと、生きているだけで日々イベントは発生するわけで、意味の無い人生など存在しないということになるのです。
行動した結果はイベントとなり、
何もしなかったとしてもそれ自体がやはりイベントです。
外部から唐突にやってくるイベントも存在します。
天変地異が発生したとか、親戚の〇〇さんにトラブルが起きたとか、豆腐に醤油をかけようとしたら中身を切らしてたとか。

結局どう生きようが、イベントは日々発生し続け、それを与えられた人間はそこから意味を無理にでも作り出そうとします。
全ての人生には意味が見出せてしまうのです。
今日も明日も、どんどん点は増えていくでしょう。
そこに人はまた新たな意味を見出し続けていくのであります。

人生はランダムである限り、意味の無い人生など存在しないということです。