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「エネルギーがあって、人の熱を感じる」TRFの新曲を、YU-KIがラジオ番組で語る!

 8月30日にTOKYO FMで放送された番組・DIG GIG TOKYO!に、TRFのYU-KIがゲスト出演した。
 「TRFのYU-KIです。」と名乗った後に、「絵美里さん」と、MCの名を呼んだ。そのときの中川絵美里のリアクションからも緊張の程が伺い知れる。「名前を呼んでいただいて光栄です」と言う声も、少し上ずっていたように感じられるぐらいだった。もしかしたら心臓をバクバクさせながらも、必死で司会進行しようと頑張っていたのかも知れない。彼女にとってYU-KIが大きな存在なのだろうということは、すぐに感じ取れた。

 まずは3月に配信リリースされた、EZ DO DANCE Ver.2023の話題から。リテイクを行うにあたり、他にも支持されている楽曲が多数ある中でも、やはり、TRFの代名詞だと思われているのはEZ DO DANCEではないかということで、こちらに決まったという。
 中川絵美里も楽曲を聴いた感想をYU-KIに話した。彼女はこの新バージョンから、30年間の経験・重みを感じ取っていたようだ。YU-KIもこれを受けて「ありがとうございます!」と、食い気味に返礼。その口調からも心底嬉しそうだった。
 さらに楽曲のレコーディングの話に移る。新バージョンは、YU-KIのボーカル・DJ KOOのラップ・小室哲哉のコーラスもすべて新たに収録し直した。YU-KIは次のように語る。
 「EZ DO DANCEのコーラスは小室さんじゃないとダメだというのが私の中であったので、そのオファーもさせていただきました。オケも小室さんにお願いするのが一番清く美しい形だし、小室哲哉プロデュースで私たちはデビューさせていただいています。ファンの方にも、今もなお絆は続いていると思ってもらえるのもいいじゃないですか。」
 この話は長年のリスナーである筆者にとってはグサグサ刺さる名言だった。もしも小室哲哉以外の声で収録したときに感じられるであろう、リスナーの違和感や、新進気鋭のトラックメイカーを起用した際の、なんとなくフィットしない感じを、YU-KIも察知していたのではないか。30周年という大きな節目だからこその、この選択。間違っていない。
 もちろん、新しい試みは受け入れられないとは、筆者は思ってはいない。小室哲哉やTRFのメンバーが一切介入しないカバー・リミックス作品を聴くのも楽しいし、今後も続々と出て欲しい。ただ、このタイミングでのオフィシャルからのリリース作品が、小室哲哉直々の仕事だというのは、何物にも代えがたい喜びだ。そこをTRFのメンバーもちゃんと踏まえているのが、また格別だ。

 ミックスはロンドンで行ったという。TRF初期の頃からお世話になっていると言って、YU-KIは、Dave Fordの名を出した。今作はオリジナルの良さを継承するねらいもあったので、90年代の小室哲哉作品に実際に関わったリミキサーとしても、良い人選だろう。
 YU-KIは「新しい方と組むのも当然勉強になりますし、新鮮でもあるんですけど、30年近くつながっているっていうのも、嬉しいことですよね。」と、話していた。

 ここで、新曲シングルの告知となる。まだ詳しくは話せないと前置きしつつも、YU-KIは次のような感じで説明した。TRFが今伝えたいことを歌詞に表そうと思っているし、曲を聴いて一番最初に思ったことは、エネルギーがあって、人の熱を感じるような音だということ。これを受けた中川絵美里が、これまで積み重ねてきた縁を感じるかどうかを尋ねた。これにYU-KIも深く頷いていた。
 来年、日本武道館で開催されるTRFのライブの告知もされた。YU-KIが「遊びに来て下さいよ、絵美里さん」と誘いの声をかける。このとき、中川絵美里の声のトーンも一気に上がった。やはり今回は彼女にとって特別な回だったのではないだろうか。ここで、YU-KIによるタイトル・コールでこちらをオンエア。

TRF『EZ DO DANCE -Version. 2023-』


 YU-KIはこれまでの活動を振り返り、数多くあるだろうエピソードから、デビュー当初のことを話す。マハラジャなどの全国のクラブを回っていたころ、現場にサイン入りの音源を持ち込んで「よろしくお願いします」とTRFのアピールをしていたそうだ。そういえば、このようなTwitterの投稿があったことを思い出す。

 こちらはDJ REMO-CONのアカウントからピックアップ。やはり自分の楽曲を広めようと思うのなら、音楽が実際にかかる場所へ赴き、DJや現場の担当者などに聴いてもらえる努力をするのが大切なのだろう。

 それから、メンバー・チェンジをすることなく30周年を迎えられたことも、嬉しく思っているそうだ。
 「私たち、『幼馴染でユニットを組みました!』ではないんですね。小室さんがダンサーに声をかけて、私は踊っているところをスカウトしていただいたんですけど、それでグループができたので『よろしくお願いします』から始まっているわけですよ。お互い役割が違うので、そんなすぐに分かり合えるのは難しいじゃないですか。それを踏まえて今があるので、私たちメンバーの良いところは、相手を尊重してリスペクトがあるってことかなあと思ってますね」
 YU-KIは結成の経緯から現在までをこのように振り返った。これを聞くと、生みの親・小室哲哉のユニットであるTM NETWORKとは対照的だ。TM NETWORKはメンバー同士が友人関係から始まっており、特に宇都宮隆と木根尚登は小学生からの付き合いだ。そこにほどなくしてデビュー前の小室哲哉も加わる。これなら分裂の危機はあまり考えられない。
 一方、TRFは全員が成人してからの出会いだ。ダンサー陣はMEGA-MIXとして自らの体制を持った後だし、DJ KOOもJG'sとして音楽業界の現場を経験済み。バックボーンがそれぞれ違う中、紆余曲折もあっただろう。それでも5人一体となって現在までTRFを存続させてきたのは、並大抵のことではない。
 中川絵美里もYU-KIの話で、長く続ける秘訣がメンバー同士の関係性・リスペクト精神にあることを感じ取ったようだ。

 ここで30周年の豪華BOXリリースの告知がされる。「私たちが心から感謝しているのが伝わるような内容にしたい」と、YU-KIは声を大にして言った。なんでもかんでもあるものを大量に詰め込むのではなく、意義のあるものを厳選した内容になりそうだ。
 メンバーの預かり知らぬところで、レコード会社が勝手に出すベスト盤とはまったく趣が違うのは間違いない。YU-KIも自ら意見を出したと言っていた。ファンには見逃せない作品だ。

 来年の日本武道館のライブの話になると、YU-KIは自分がステージから見えている景色について話す。YU-KIは観客の表情をよく見ているそうだ。「見ている方が緊張しない」と言う。
 そう言えばTRFのメンバー・CHIHARUとETSUも、自らのレギュラー番組「TRF RHYTHM FIVE」で、10歳のリスナーから「もしTRFのライブに行けたら、CHIHARU・ETSUのウチワを作って持っていきます」というメッセージが寄せられたときに「見つけるよ!」と返事をしていた。YU-KI個人としてというより、ユニットの方針として観客の様子を本番中にしっかり気にかけながらパフォーマンスしているようだ。
 YU-KIは、観客がマスクをしていても、目を見れば「この人、楽しそうだな」というのが分かるとまで言っていた。ここまで聞くと、「ライブ中に出演者と目が合った」からの、「そんなわけないじゃん、気のせい気のせい」という、よくある一連のやりとりも、TRFのライブでは当てはまらないと言えるだろう。TRFは本当に観客とのコール&レスポンスを大事にしているアーティストだというのが分かる。YU-KIはTRFの日本武道館公演に「ぜひぜひ遊びにいらして下さい」と言ってこちらの話題が締めくくられた。中川絵美里も、ステージの上に立つ者にしか分からない景色の話を直接聞けたことに感激したようすで、「ワクワクが止まらない」と返し、公演タイトル・日程などの詳細を読み上げた。
 最後はYU-KIのタイトル・コールでこちらの楽曲をオンエア。

TRF『Where To Begin』


 30周年の大きな節目を迎えるTRF。彼らの今後の動向に、ぜひご注目いただきたい。

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TOKYO FM公式サイトより、放送内容を写真付きで紹介。

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