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最近注目のglobeカバー動画

※2020/02/11にamebaownedで掲載した過去記事を転載。


 今回は僕がここ最近見つけることができたglobeのYouTubeカバー動画の中から、特にお気に入りの2曲をピックアップする。どちらも昨年結成されたばかりの新しいユニットで、女性ボーカルを据えた2人組。一度耳にしたら、今後の展開が気にならずにはいられないだろう。globeの活動が止まってしまって寂しい思いをしているファンには、ぜひチェックしていただきたい。

MINT SPEC「DEPARTURES」

 澄んだ声でまっすぐに歌う正統派ボーカル。アニメの主題歌も似合いそうな声質をしている。頭のワンフレーズだけでハッとさせる存在感。素質・実力とも申し分なしだ。これまで見たことのあるglobeのカバーでは、映像の力の入れ具合が抜きん出ている。決して見かけ倒しではなく、歌だけで勝負できる実力は備えているように思うが、ルックスも売りになる。プラスアルファの部分にも力を入れてる。これは見ていて楽しい。

 ラップ・パートはごっそり抜け落ちているのだが、それ以外の要素で十分過ぎるほど穴埋めできているので、聴き終わった後のガッカリ感がない。マーク・パンサー役不在のglobe「DEPARTUERS」でこんな満悦になれることは、なかなかない。撮り終わった後で言っても仕方ないことだが、最初からラッパー不要の華原朋美バージョンで作れば良かったじゃん。その方がギタリスト的にも弾いていて楽しいアレンジだろうに。と思ってしまった。

 YouTubeチャンネルには他の曲も掲載されているので、聴いてみた。僕が選んだ曲は、X JAPANの「Say Anything」と「紅」だ。前者はボーカル、後者はギター演奏に惹きつけられた。まだチェックしてない他の曲も、おそらくハズレなしなんじゃないかという予感がする。

 掲載曲の並びを見てみると、X JAPANの曲が多い。おそらく影響を受けたアーティストなのだろう。個人的にはここにV2「背徳の瞳」が加わったら面白いことになるのに!という気がする。オリジナルで歌っているのは、ボーカルが本職ではない小室哲哉だが、この名曲をトレーニングを積んだ本職のボーカルが歌ったらどんなことになるのか。

 ただ、「背徳の瞳」にはギターが出てこない。そんな曲を、サウンド面を管轄しているであろうギタリストのTsukushiが「おっしゃあ、いっちょ作ったるか!」という気になるかというと…ならないな。

 しかし「背徳の瞳」には、ここにTHE ALFEEの高見沢俊彦が加わるはずだった、という嘘か本当かわからないようなこぼれ話がある。もしこの曲にギターがあったら…という仮定でなら、制作意欲も沸くかなあ。

 僕はX JAPANの音楽に特別詳しいわけではなく、HIDE生前の頃のシングルは8割方知っている、という程度のものだが、2~3曲聴いてお腹いっぱいになるようなユニットではなかった。まだ聴いていない曲にも興味があるし、今後の活動にも期待したい。Tsukushi自身のルーツであろう、X JAPANの楽曲にはこだわりつつも、SUGIZOの外仕事などもレパートリーに少し絡めていけば、globe目当てで辿り着いた僕のように生粋のファンではなく、少し別な層からの流入も見込めるのではないか。




Re:place「Winter Comes Around Again」

 結成時期は先のMINT SPECとあまり変わらないが、つい最近知ったばかりのMINT SPECに対して、こちらは立ち上げのころから知っていて何度も楽曲を聴いているので愛着が深い。既成のカラオケ音源ではなく、伴奏を自前で用意できるという点ではMINT SPECもRe:placeも、他の多くの歌ってみた動画とは一線を画している。そこからもう一歩踏み込んで、自分ならこう弾く!というこだわりがあるのがRe:placeの大きな売りだろう。選曲もストレートに「DEPARTUERS」ではなく、あえてこの「Winter Comes Around Again」の方にしているのかな。

 アーティスト本人による市販のオリジナル音源に親しんでいるファンが聴いても、ガッカリしないようなクオリティーにコピーするだけでも相当なもの。そこに独自のアレンジが加わるのだから、他のカバーものよりも期待値は高まる。伴奏がオリジナルとは様変わりするとなると、ボーカリストもそれに対応できなければ、良い作品は生まれない。それも一度オリジナル版が身に染みついていてこそ、初めて可能なんだよね。ボーカリストのpurinは、そこは完璧にクリアしている。過去のカラオケ動画を見れば一目瞭然だ。バックトラックの変わりっぷりへの対処を極めたら、今よりすごいことになるんじゃないかな。

 市販のリミックスバージョンの多くは、元のボーカルトラックはオリジナルのテイクを使い回すことがほとんど。リミックス用にわざわざ歌い直すことはあまりない。伴奏の旨味の部分を汲み取り、KEIKOならこう歌うというのを分かった上で、変化した伴奏にアジャストすれば究極だ。そんなことができそうのはpurinだけじゃないだろうか。

 2月22日の20:00からは、You Tubeで生ライブ配信も予定されている。


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