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小室哲哉カバー曲イベント・GROOVE 2023を、出演者・Shinnosukeが語る!

 5月20日にDARAZ FMで放送された番組・Pop Life Vol.160で、Shinnosuke自身も出演した音楽イベント「Nori presents GROOVE 2023」のようすが語られた。筆者は残念ながら行けなかったが、このようすが少しでも感じられたのは幸運だった。今回はこの放送の感想を綴っていきたい。

 こちらは5月10日にEX THEATER ROPPONGIで行われたライブイベントで、さまざまなミュージシャンが集い、小室哲哉の楽曲をカバーするという内容だ。マーク・パンサーはDJプレイを披露し、ラップ・パートは自身の生の肉声で届けたようだ。これはきっと盛り上がったに違いない。

 こちらはTM NETWORK大好きな、ドラマー兼ボーカリストのNoriが立ち上げたイベント。
タイトルはTMN DAYS GROOVE 4001に由来している。
 主催のNoriはプロ・ミュージシャンではないのだが、こんな大きな会場を借りてしまってどうするんだ!?と、周囲をザワつかせたようだ。大舞台を経験している木根尚登やマーク・パンサーさえも、自分たちのライブでもこんな大掛かりな仕込みはないと言っていたようだ。
 さすがにそれは言い過ぎだろう。筆者はTM NETWORKのMajor turn-roundツアーの映像装置やglobeのドームツアーも観覧している。これ以上の規模だとは考え難いが、この当事者である2人の心をビクともさせたということは、気合いの入った仕掛けだったのだろう。
 オープニングのバトンが降ってくる演出を例にとってみても、愛情もお金もたっぷり注いだイベントだったと思われる。

 最初にオンエアした曲は、イベントのセットリストから、『69/99』。リリース当時、小室哲哉はDeep Purpleのロックなテイストを出したかったのだろうというのがShinnosukeの解説だ。この曲のジャンルとツアーの参加ミュージシャンから、『Stormbringer(邦題:嵐の使者)』のギターを葛城哲哉に弾いてもらい、SOUL’d OUTの楽曲制作に使用したことを思い返していた。

 Shinnosukeは、リハーサルの場でのドラムの山田わたるとのやりとりを振り返った。1994年5月18〜19日に東京ドームで行われたTMNの終了ライブを思い出して叩いて下さいと頼んだものの、「忘れちゃったよー」と返事された。キャリアの長いアーティストのあるある話として、本人よりファンのほうがよく覚えていることを挙げていた。

 ゲスト出演した木根尚登が、この日のステージで歌ったのは、『1/2の助走』。こちらもオンエアした。TM NETWORKのデビュー・アルバムに収録された楽曲だ。ウツさん(宇都宮隆)の声のイメージが強いが、今回は木根さんご自身が書かれた曲を歌っていただいた、という旨の説明だった。
 この曲のリリースから39年。経過した年月の長さに思いを馳せながら、「歌というのは歳を重ねると、その人の人生が乗っかる。バラードは特にそう」。Shinnosukeはこのように語った。デビュー・アルバムを持っていて、自宅で好きなときに聴けるとしても、あえて今、会場まで足を運んで聴く意義を、Shinnosukeの言葉から見出せるのではないだろうか。
 奇遇なことに、この放送を聴いた当日、筆者は木根尚登のソロ・ライブを観覧したばかりだった。このツアーの主旨は、木根尚登が他のアーティストに提供した楽曲を自らの弾き語りで披露するというものだった。
 ここで宇都宮隆のソロ・アルバムへの提供楽曲も聴けた。リリース当時、宇都宮隆はこの仮歌を聴きながらレコーディングに臨んでいたのだろうか。筆者はこんな想像をしながら木根尚登の弾き語りを堪能していて、なんとも感慨深かった。
 もしかしたら会場にいた観客の中には、宇都宮隆が木根尚登の吹き込んだ仮歌デモテープに耳を傾ける、TM NETWORKのデビュー・アルバムの制作風景を思い浮かべながら、ライブを楽しんだ方もいるかも知れない。

 木根尚登が披露した、もう1つの曲は『STILL LOVE HER』。TVアニメ・シティーハンター2でもお馴染みだ。こちらではハーモニカも吹いたそうだ。木根さんはギターにピアノにベース、なんでも弾けてすごいとShinnosukeは言っていた。




 『Be Together』では、木村建による間奏のアツいギターソロにも触れ、ゴニル(Supernova)が曲に合わせて体を一回転させるパフォーマンスのようすも話した。キャッチーでヒットする要素も詰まっている楽曲だが、「これをシングルにしないのがカッコいいんだなー」というShinnosukeの言葉からは、楽曲自体はもちろん、シングルの選曲センスや、作品を世に出していくときの彼らの方法論にも惚れ込んでいるように思えた。


 Shinnosukeの話の中でも、データの作成も、実演奏も両方楽しく、慣れないショルダー・キーボードを持ち込んでみたりした。それほど思い入れがあるという楽曲が『Crazy For You』だ。こちらはライブ・バージョンのアレンジにこだわった。ヘッドホンで耳コピしながら書き起こした譜面は、4〜6枚に及び、楽譜を渡された山田わたるにも「何枚あるんだよ〜」と言わせるほど。
 気になるのはセリフの部分だが、ライブ映像から音声を抜いてきたそうだ。ラジオ放送の前にSNSで演奏曲目が一部明るみになったとき、筆者も知りたかったことだった。望月英莉加が、「だって、私が告げ口するもん」とセリフを言う場面も想像していたのだが、この話は聴けてよかった。

 今回の放送は、実際にイベントに足を運んだ方が、ステージのようすを思い返すのはもちろん、行けなかったリスナーにも会場や舞台裏の空気を追体験できる機会となった。

 今回のように、Shinnosuke自ら出演したライブの後日談や、他のアーティストのライブを観た感想をはじめ、楽曲提供をしているアーティストとの制作のようす、さらにShinnosukeが個人的に最近気になっている音楽から、自身のルーツなど、『Pop Life』ではさまざまな興味深い話が語られる。Shinnosukeの音楽活動を追うには絶好の番組だ。ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

 尚、Shinnosukeは5月26日に東京・目黒で開催される、DISCO HARDAYZ BANDのイベントにも出演する。こちらもご注目いただきたい。

※楽曲リンクはスタジオ・レコーディング版を掲載していますが、放送ではすべてライブ・バージョンが流れました。

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