globeカバー曲で注目の2人組・Re:place、生ライブ配信

2020/01/01


 今回は令和元年に結成された音楽ユニット・Re:placeの活動を追ってみたい。キーボード・Ryutaroとボーカル・purinの2人組。シンセサイザーのエネルギッシュで派手な音色を前面に打ち出した、刺激的なサウンドに、エモーショナルかつ繊細な、心を熱く揺さぶるボーカルを乗せて、globeファンのハートを鷲掴みにしている。そんな印象だ。

 令和元年末にはYou Tubeでの生演奏の配信が行われ、次々と新たな楽曲が発表された。その中でも僕が特に手応えを感じたのは、冒頭の「Stop! In The Name of Love」。ついつい
globeの、と言いかけてしまいそうになるが、スプリームスが1965年に発売した楽曲だ。すごい昔だな〜。まだ産まれてないよ。小室哲哉がglobeバージョンを作ったときには大胆なトランスアレンジで驚かされたが、そこから更にもう一盛りしたのがRe:placeの新バージョン。音程が細かく動くシーケンス・パートがアツイ。
 今回は終わり方が次の曲とひと続きになっているが、きっちりカットアウトで終わらせる、スタジオ・レコーディング版の製作・発表が、今後あるのかどうかも気になるところ。まあフェードアウトで終わらせるかもしれないけどさ。

 ちなみにglobeのバージョンで僕が一番好きな部分はラストのマーク・パンサーによる「Stop! Stop! Stop!~」というラップパートだ。僕にとっては、この部分こそがサビ。それまでは長い長いイントロだと言っても過言ではない。僕は先にアルバム「Lights」収録分の方に慣れ親しんでから、ずいぶん後になってシングルの表題曲バージョンを手に入れたのだが、シングルは最後のラップ・パートの尺が短くなってるんだよね。あそこは2周目もないと物足りないなあ。

 生配信の中盤に披露されたglobe「Precious Memories」は、逆にちょっと心配になったかな。聴いてて、明らかに「なんか速くない!?」って思ったもんな〜。ご本人たち的には、そういう解釈なのかなとも思いもしたが、シンプルな弾き語りスタイルでこの曲調だし、テンポを上げる意図も汲みとれなかった。ボーカルも序盤で音程の低いところ、一瞬声がなくなってたよね。速くてブレスが間に合わなかったのかな。
 歌い終えてからのMCで、個々に練習してきたものを即席で合わせたらしいのが分かって、「ああ、なるほど」と合点がいった。ボーカリストの感情が乗り切らないまま、鍵盤がドンドン次の音へ、次の音へと移行していってる印象を受けたので、ボーカルの息遣いを感じられる環境でリハーサルを重ねるのも大切なことなのかも知れない。
 曲順の影響もあるだろう。これまでの楽曲の曲調の余韻が冷めやまぬまま、出演者自身が「Precious Memories」モードに入り切れてないうちに楽曲がスタートしてしまった可能性もある。例えば、この曲のときだけ照明を落とすとかしてみれば、違った結果になったかも知れない。

 生配信の終盤で披露されたglobe「wanderin' destiny」のMCで触れていたのは、globe 20周年カバーベスト盤に収録された、倖田來未のバージョンのことだろうか。ラップ・パートの音程を、マーク・パンサーとは違ったアプローチでつけているのが聴きどころなのだが、Re:place版はマーク・パンサーとも倖田來未とも違う、独自の音の取り方をしているところに要注目。「きっと静かに暗闇を」の所はグッ!ときた。

 ちょっと口うるさかったけど、僕にとってRe:placeは、止まってしまったglobeの活動を代行してくれている大きな存在。春先には実現しなかった生配信も、今回は無事行われて、それだけでも何よりだ。

 結成以来、「Is This Love?」、「MISS YOUR BODY」、「Always Together」、「winter comes around again」といったglobeの楽曲群を、原曲をまるまるなぞるだけではなく、独自の解釈も盛り込んで新鮮に聴かせる活動を展開。精力的にライブも行う。新たな音源の発表にも期待が高まる。


下記は、かいつまみ鑑賞用のタイムテーブル。

01:30 globe「Stop! In The Name of Love」
05:50 globe「Try this shoot」
18:10 globe「Precious Memories」
29:35 globe「wanderin' destiny」
37:25 globe「FREEDOM」
40:50 globe「Feel Like dance」