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鈴木亜美がNHK「うたコン」に出演!

 11月7日に放送されたNHKのテレビ番組「うたコン」に鈴木亜美が出演。出番が訪れると、まずは小室哲哉プロデュースにより、オーディション番組からデビューした経緯が紹介された。ポップジャムなど、デビュー当初の歌唱映像も流れた。ここで驚きだったのが、ASAYANの映像も使われたこと。NHKなのに他局の映像が出てくるとは思いもしなかった。たしかに鈴木亜美の経歴を振り返るのには必要不可欠な番組だが、よく許諾が下りたものだ。激辛女王と呼ばれる、近年の活動を撮影したYouTubeチャンネルの映像も流れた。鈴木亜美はこれらの映像を見ながら、若いころの自分が、今の子供によく似ているというふうに思い返していた。

 司会からの「歌手活動と子育ての両立は大変でしょう?」との問いかけには、子どもたちも自分がテレビに出る仕事をしているのは認識しており、「ママ、かわいかったよ」と言ってくれるのが何よりの励みだと答えていた。この心温まるエピソードには、後方の座席で聞いていたモーニング娘'23のメンバーも、思わず笑みがこぼれていた。

 今回は2曲をメドレーで披露。まずはデビュー曲『love the island』を短めの尺で歌ったあと、すかさずTM NETWORKのカバー『BE TOGETHER』へ移行。こちらは1曲目よりもたっぷりと聴かせた。フレーズ頭の「BE」の部分を短く切り取って、この部分を連打するアレンジだ。強いインパクトで楽曲がスタートする。衣装はノースリーブの白いドレスで、銀光りする腰巻を着けていた。それにかかとの高いブーツ。華やかな見た目も相まって、ステージを勢いよく盛り上げた。

 久々にテレビで元気な姿を見ることができたのは良かったのだが、欲を言うと、「もう一歩踏み込んだ内容だったら、尚面白かったのに」と思えるような選曲ではあった。
 今回は「入魂のカバー特集!」と銘打った放送。鈴木雅之やJUJUが、さすがのパフォーマンスを見せていた。特に鈴木雅之が歌った「愛燦燦」は、筆者にとっては画面に曲名テロップが出ただけで、即トイレタイムで離席したくなるような、興味の薄い楽曲だ。それでもまったく退屈せずに、最後まで聴いていられた。イメージとしてはマイナスのスタートだったのに、自らの喉元ひとつで、いち視聴者の目を逸らさせなかったのは凄い。鈴木雅之が出演するのなら、オリジナル曲の方がよっぽど聴きたかったし、YOASOBIの『怪物』という、良いカバーがあるじゃないかとも思う。だが、今回は意外な魅力も垣間見えた。
 小林幸子の歌唱は、演歌歌手が持ち歌以外の曲を歌うときにやりがちな、リズム遅れの典型的な崩し方と、過剰なビブラートが耳についた。筆者の好みではなく、好きな曲でこれをやられたらたまったものではないが、自分なりの表現方法というのには違いない。それぞれの出演者が独自の表現で、楽曲に対して別の角度からのアプローチを試みていた。

 これならば、鈴木亜美にはメドレーで2曲歌うのなら、デビュー曲よりももっと胸が熱くなる曲がある。Ananda Projectのカバー『KISS KISS KISS』だ。今回の企画なら、こちらを選択して欲しかったところだ。『love the island』だと、カバー特集であろうとなかろうと、どんなタイミングでもやれそうな選曲ではないか。
 検索したとき、上位にきそうな2曲をそのまま選んだのか。それとも、『KISS KISS KISS』を歌おうとしたものの、洋楽は権利関係をクリアにするのが邦楽よりも難しく、やむをえず『love the island』に差し替えたのか。このあたりは邪推になってしまうが、どうにかなっていれば、より面白かったのに、と思ってしまう。
 
 少々水を差すようなことも書いてしまったが、鈴木亜美もすべて順風満帆でここまできたわけではない。これからも向かい風にさらされることはあるだろうが、負けずに活動を継続して欲しいと思う。

 この番組には、見逃し配信サービスもあるので、利用を検討してみてはいかがだろうか。また、鈴木亜美はデビュー25周年を記念して、12月20日に永久保存版BOX『2SA ~Ami Suzuki 25th Anniversary BOX~』がリリースとなる。こちらもチェックしていただきたい。

鈴木亜美『BE TOGETHER』


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エイベックス公式サイトによる、永久保存版BOXの告知

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