2020.10.19

むかーしむかし、どうでもいいようなものをどうでもいい人のところに置いてきてしまった。どちらにも執着はないけど、執着がないからこそ、自分のものがそこにあるのがどうも気持ち悪い。人に価値を感じていればあの人のところにあるだけで繋がってる感じがして嬉しいとか、物に価値があればあれがあるならきっと便利だろうとか思えたんだろうけど、そういうものは何もない。ただわたしのものが他所にあるという事実だけが悪目立ちしてそれが最近気になって仕方ない。

あなたが使えるものでもないし、自分のものが人のところにあるっていうことが気になって仕方ないから急ぎじゃないけど絶対に回収したい、それが無理なら処分してほしい、なくしたならなくしたでわたしのモヤモヤは解決するからなくしたと言ってくれても構わないと何度も伝えてるけど、きちんと持ってる、渡そうと思ってた、次は、次こそは、と言うばっかりで埒が明かない。

本当に本当に仕方ない。そういうところが嫌だった。わたしとの接点にするわけでもなく、物に価値を感じて手放すのが惜しいと思ってるわけでもないことをわたしは知ってる。ただ純粋に忘れてしまってる。手元にあることを本当に何でもなく思ってる。それくらいどうでもいいと思ってることを知ってる。そしてわたしも相手がそう思ってることに落胆しないくらい、全部がどうでもいい。

はやくカタをつけたくて近く声をかけようかなと思うけど、また返ってこなかったことを考えると今からうんざりする。別にそれを返してほしいわけじゃない、向こうの手元から消えてくれればいいだけなのに、こんな簡単なことすらうまくできない。本やお金やなにか使える道具だったらこんなことになってなかった。あげたと思えた。でも今回はピンポイントで最悪にどうでもいいものを置いてきてしまった。

価値のないものにこんなに頭を悩ませるとは思わなかった。他に人のところにあるものをいろいろ思い出してみたけど、少なくともわたしにとっては価値を見出だせるものばかりだと思う。もし返してもらえなくてもそれならいっそプレゼントしましょ、という気持ちになれる。そのものを返してもらうためだけに会おうとは思わないだろう。

今回のどうでもいいものを回収できれば今のところわたしの人生はもう大丈夫だと思う。不思議な話だけど、しょうもないものが手元に戻ってきたとき、またひとつ身が軽くなるように感じるだろう。今年は去年に引き続きいろんなことがあって疲れた、終わりにしたいことはすぐ終わりにできるように、今年中にもう少し身の回りを整理して小さく少なくしていきたい。