時間経過を目視する

意識してそうしたわけじゃないけど、結果的に言えば今の彼氏と会ってからずっと髪を切らずにいる。

結うこともできなかった髪がデコルテの上を滑るたびに時間の経過を感じる。

短い髪を伸ばすには根気がいる。しばらくの間はショートヘアの先に余計な髪がくっついてるみたいで、その部分を綺麗に切り落としてやりたくなる。

ようやく伸びてきた髪がヘアスタイルの構成要素として全体に馴染んできたと思えば今度は毛先がぴょんぴょんハネて落ち着かない、好きなようにあっち向きこっち向き、生き生きするのも結構だけど落ち着きがないものと一緒にいると疲れて仕方ない。ハネたところだけでも切り落としてやりたいと思う。

もちろんアイロンやコテを使って形を整えることは簡単だけどあまり取り繕うと傷んで切れ毛がひどくなる。そうなるといつも髪はそこから伸びなくなる。

髪は一度傷んでしまったら生まれたてのようにフレッシュな状態に戻すことは難しい、だから普段からダメになる要素を極力取り除き、大きく傷つけることなく、生えたての最初の状態をなるべく維持するようにするしかない。

最近毛先が落ち着いてきてようやくセミロングの体をなしてきた。この伸びた毛先が当たり前になってきて、それが嬉しい。何となくここまで伸ばしたから(切ったらもったいない)とコンコルド効果で惰性のように伸ばしてきた髪も、これからは意思をもって伸ばしていきたいと言える。

髪を伸ばすことと恋愛があまりにもリンクしてて恐ろしい。10代の頃はある日突然伸びた髪が疎ましくなって腰まであったものを何の躊躇いもなくばっさり切ってしまったことがあった。それがないことだけを祈ってる。どちらに関しても。