2020.10.01

今日は職場で体調を崩した人が旦那さんを呼んで迎えに来てもらっていた。

車で迎えに来るでもなく、ただ本当に一緒に帰っていっただけなんだけどこんな夫婦もいるんだと心底驚いた。

休憩室に案内するときもわたしに「この時間はいつも忙しいんですか?」と話を振ってくれた。繁忙時間と閑散時間があるということを知っているのは普段そういう会話をしているからだ。そこからしてすごい。

世の中にはいろんな夫婦や家族の形がある。もし母親が職場で体調を崩したとき、ただ一緒に帰るだけなのに父親を呼ぶだろうか。いや、きっと呼ばない。風呂に入ってるとき母親に体調が悪いと呼ばれ、髪はベチャベチャ首に泡が残ったような状態で出てみたら父親は母親のことも風呂を出たわたしのことも一瞥もせず、倒れた母親の横でテレビを観ながら酒を飲んでいたこともあった。

わたしに関してもそうだ。もしわたしが体調を崩したとして、父親に迎えにきてもらいたいかと言われたら絶対にやめてほしい。職場の人に何か不快な思いをさせないか、帰る道中ただでさえ体調が悪いのに急にキレ出したりしてもかまってられない、そんなことを心配するくらいなら冷たいアスファルトの上でひとり心安らかに死んだほうが絶対にいい。

職場の人は何もしてもらえなくてもそばにいてもらったほうが安心だと思うから来てもらったんだろう。そんな夫婦もいる。わたしは感動した。こんな夫婦を見て育てば結婚に憧れるような人間になれたんだろう。わたしにはもう無理だ。

夫婦と言えば、周りが結婚するような歳になってよくよく聞く話がある。「急に旦那が今日夜ご飯いらないと言ってきた。もう作ってしまったのになぜもっと早く言わないのか、腹が立ってそのままゴミ箱に捨てた」という話。

もしわたしがご飯をつくってしまったあとに家族からご飯いらないと言われたら、やったー!じゃあ今日作ったご飯を明日食べさせて、わたしは明日ご飯を作らず飲みに行こう!!となるだろう。

あれこれ見聞きするたびに家族の形に関して少しも一般的な経験がないことを感じる。やっぱり結婚したり子どもを持ったりすることなくひとりで無責任に暮らしていこうと思った。もしわたしが変な男を捕まえてその後増えるかもしれない家族に迷惑をかけるくらいなら、むしろひとりでいるほうが大人としての責任を全うできるかもしれない。