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あなたと過ごした日に

久しぶりに恵比寿に足を伸ばした。友人が翻訳を担当した映画「あなたと過ごした日に」を観に行くために。
映画は、コロンビアを舞台にした作品です。コロンビアと言えば、犯罪が多くカオスの街というイメージでしたが、現在は、南米の中で治安が良くなっている国になりました。国を変えるのは、政治より教育が影響を与えることを静かに語る映画でした。大人は子どもたちに何を伝えられるのでしょう。

答えを教えるのではなく、自分で考えられる人を育てる。
自由な発想、思考ができることが大切。
知識と知恵は別物。
知識だけではなく知恵を持ち、知識を生かせることが力になる。

そして、家族は、社会的な顔だけではない素の部分、真の愛の顔を知っています。もちろん、欠点も。どんな人も、人の子であり、家族がある。なんの肩書きもない素の自分を支えてくれて、素の自分から伝えられることがある。
社会と家族の役割、そして、自分自身の在り方。
自分の魂、情熱に従って生きることの素晴らしさが沁み渡った。それは、自分自身にとって自然なことで、やめろと言われてやめられるものではない。
誰に認められなくても、それはきっと伝わっていくもの。
自分に与えられた環境の中で自分らしく生きる。
それに尽きると感じ入った。

映画館で映画を観るときは、エンディングのクレジットを観る時間も好きだ。映画に携わったたくさんの人々を感じられて、なんとも言えない感動が湧き起こるのだ。今回は、一番最後に
<日本語字幕 積田 美也子>
と出てきて、心の中でワクワクした喜びが湧き上がった。
こんな映画鑑賞、最高!
彼女はアランコーエンの「今まででいちばん優しい『奇跡のコース』」を翻訳されていて、英語が堪能なことは知っていたけれど、スペイン語、イタリア語もできるのだと知った。映画字幕は、本の翻訳とまた違ったスキルが必要とされるだろうと思う。素晴らしい。

銀座に比べて、恵比寿は、空が広い感じがした。西側と東側ではまた違うけれど、大都会でこの空の広さは贅沢だ。大都会でも、それぞれ違う趣があるのは興味深い。街には、特有の音と匂いがある。映画の余韻と共に恵比寿の街を味わった。いい夏の午後だった。

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