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顧客の企業文化を逆手に取って受注した話

企業文化と聞くと良いイメージがない昨今ですが、企業文化があったおかげで高度成長期ができたと思ってるし、そんなに悪いことではないとは思ってます。

デフレの影響で日本経済がおかしくなったから、やり玉にあげられただけなような気もします。まあ、時代に合わないものもありますから、変えればいいだけなんですけど、中途半端に企業年数が長いと伝統は守らないといけないわけで、苦しいですね。

さて、そんな企業文化ですが、逆手に取って案件を受注したお話でも書こうと思います。

とある老舗の企業がWEBサイトのリニューアルを考えており、何社かでプレゼンして委託先を決めるという話がきました。当然、現状のサイトは私が勤めていた会社が請け負ってません。ちらっと話を聞くと、競合企業も有名どころをピックアップしているようです。

私はとある大手IT企業に勤めており、こういうプレゼン系はライバルが多いほど負ける確率があがります。理由は簡単で高いから。

なので、価格で勝負はしません。安い見積もりを出したら、社内決裁を通す段階で何人もいる承認者に一人ひとりに怒られるので。怒られるなら失注した際の1回でいいです。それなりにちゃんとやれば、次、頑張れよと言われるだけで怒られないことが多いですし。腹をくくって、潔く散ります。

ただ、失注ばかりしていても上司から良い顔はされません。だから、価格で勝負せず、何らかの付加価値を作り出します。私は仕事ではコミュ障じゃなく、愛想がいい顔なのでお客さんにウケがいいです。(会社を辞める際、勤めていた会社から引き止められませんでしたが、お客さんからは辞めないでくれと言われたり、ウチで勤めてよと言われるぐらいでした)そういう特性を利用して、保守やサポートを手厚くするということを盛り込みます。

でも、保守やサポートって地味だし、実際に業務をやってみないとわからないので、初めての取引先からはプレゼンをしても「?」みたいになるんですよね。

まあ、普通にやったら失注するだろうなと思っていたところ、勤めていた会社のグループ会社にプレゼン先の企業に勤めていた人がいて、コンタクトを取ることができたんですよ。そこで聞いたのが独特の企業文化の話です。どうもその会社は「最初の見積もりから○○%値切らせることができると評価があがる」という文化があるようで、見積もりを出す側もそこを考慮にいれるとウケがいいという話でした。

普通に聞くと「????」ですが、まあ、そんなこともあるよねと。明らかに桁が違うと見向きもされずに競争できませんが、多少こちらが高くても企業文化に沿うようにすれば受注も可能ということです。

たまには企業文化も悪くない…ですよね。



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