みんな忘れてるけど、間違えて認識している消費税の輸出戻し税について

消費税が8%になって3週間経ちました。

みなさまのお財布具合はどうでしょうか。

私なんぞ出費するマネーがありませんので、さほど影響はありません。

バンバン消費して、いやー3%アップはきついっすよーとか言ってみたいです。

本題ですが、増税前に騒がれていた輸出戻し税の話をとんと聞かなくなりました。どうしたんですかね。輸出企業の打ち出の小槌などと言ってたので、みなさん会社を作って輸出しまくって、輸出戻し税をゲットしているので鎮静化したんでしょうか。

そもそも輸出戻し税は、輸出企業が海外で物を売った場合、海外の消費者から日本の消費税を取れないため、支払われなかった消費税を戻すものです。

たとえば、100円のものを売った場合、売り上げ100円+消費税8円で108円になります。日本国内だと108円を消費者から受け取るので、消費税8円をそのまま納めます。

しかし、海外で売った場合、100円しか海外の消費者から受け取れません。ただ、100円の売上に対しては仮で消費税8円を国に納めてます。そこで出てくるのが輸出戻し税です。実際に消費税を受け取ってないので、この100円の売り上げは海外のものなので消費税を受け取ってませーんと申告することにより、納めた8円が戻ってくるという仕組みなのです。

これを見ると、どう考えても輸出戻し税でウハウハになるわけがないですよね。

んじゃあ、何がどうなってウハウハになるのかと言うと、下請け企業から部品とかを買ったりすることが絡んでくるのです。

物を作って売るというのは、部品を作っている会社から部品(資本財といいますね)を購入して組み立てたものを売るということになりますね。

下請け企業から100円(税別)で仕入れたものを500円で売る場合、普通は利益は400円になります。消費税というのは最終消費者が負担するもの。なので、海外で売った場合、下請け企業に108円(税込)を払って500円で売る。すると、利益が392円になってしまう。そこで出てくるのが輸出戻し税です。実際に貰ってない8円が戻ってくることにより、利益が400円となる。

あれ?これでも変わらなくね?実は輸出して輸出戻し税を受け取ったところで、利益は変わらないんです。

たとえば、100円(税別)で仕入れるものを93円(税別)で仕入れて500円売るとしましょう。利益は500-93=407円ですね。ただ、仕入れるときには消費税がかかるので、100円(税込)で購入します。海外で500円で売った場合、500-100で利益が400円ですが、消費税の7円が輸出戻し税として戻ってくるため、407円となり利益は変わりません。そもそも、税別100円で仕入れたものを税別93円にして利益を400円から407円にするのは、輸出戻し税でもなんでもなく値引きやコストダウンの結果なのです。

問題なのは、100円(税込)で仕入れたけど100円(税別)で仕入れましたよと申告したり、消費税分を下請けに支払わないことにあるのです。これは、輸出戻し税でもなんでもなく、脱税とか契約違反とかの部類になるでしょう。

なので、輸出戻し税が悪ではありません。また、経団連が消費税アップに賛成なのは、別に輸出戻し税でウハウハになるわけではなく、税率がアップしても企業だけ支払いが増えるわけではないからだと思います。

詳しくはこちらでも見て下さい。

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