『菅平』で若さを紡いだあなたへ

菅平 その響きが嫌いだった

まとわりつく朝靄と 滲み出る汗と

刺すような日差しと 永遠に進まない時間と

先輩に叱られて 同期に責められて

なぜあんなに泣いたのだろう 泣かせたのだろう

菅平が好き? いいえ

あまりに辛く あまりに苦い 思い出ばかりで

懐かしい? いいえ

あまりに子供で あまりに未熟で 恥ずかしくて

でもこれだけは言える

ありがとう 菅平

未来はどこまでも広がっていると思っていた

人生は自分の力で駆け上がっていけると思っていた

私の『若さ』を紡いでくれた 

今もその糸で 私は『人生』という凸凹した布を織っている

菅平 『若さ』という 不揃いな色目で それでいて この上なく光る糸を紡いだ場所

この地を経て『大人』になったあなたへ

今 この地のために

今 この地で一緒に糸を紡いでくれた人たちのために

感謝を形にしよう 激励を形にしよう

楕円球が 未来への軌道を描く あの風景を取り戻すために 

今 『大人』になった私達は『愛』という布を織り上げる 






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?