妄想レィディオ #10

引きこもりの達人たちに聞いてみた

午前0時を回り、今夜も始まりました「夜な夜な倶楽部・妄想レイディオ」
今晩は、DJのKUNIです。
毎回、ボクの独断と偏見で気になるニュースを取り上げ、そのニュースの内容をキッカケに、知的で、お馬鹿な、お気軽トークを繰り広げます。
番組の命綱は、この一台の電話だけ。
(SE:リリ~ンと、電話が鳴る音)
リスナーの方とこの電話を繋いで、KUNIとのお喋りと、素敵な音楽で、朝までおつきい下さいませ。さてさて、今夜の気になるニュースはこちらです。
うんち記録アプリ「ウンログ」を運営するウンログ株式会社は・・・って、そんなアプリがあることにまずビックリしましたが、この会社が、新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう緊急事態宣言や外出自粛による生活スタイルの変化を受け、ウンチにどんな変化があったかと言う実態調査をしたそうです。いやぁ、これは面白い!で、結果は、新型コロナウイルスへの不安や、緊急事態宣言・外出自粛によってストレスを感じる人は82.7%で、そのうちの51.3%は排便やウンチの状態が変化した、とのことです。さもありなん!そうなのよね、身体は正直。ウンチも正直。で、具体的には「ウンチの回数が減った」であるとか「便秘になった」など、ウンチが出なくなる人が増加する傾向があるという結果になったと言うことです。「ウン!これ、分かる!」と言うリスナーの方も多いんじゃないかな。「ウン!これ、分かる!」って、決して「ウンコ」にかけた駄洒落じゃないからね。
そこで、今夜は「ウンチの仕方を・・・」ではなく、外出の自粛でストレスを溜めないように、“引きこもりの達人”たちと、電話を繋ぎまして、その秘訣をお伺いしようと言う、何ともタイムリーで、大胆な企画なのであります。

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早速、その達人たちをご紹介しましょう、って、“たち”ですよ、“たち”。今夜は贅沢にゲストが3人おられます。うちの番組、なかなか太っ腹やね。3人分ものギャラが出せる予算があったんや、と、今、ディレクターの方を見ると、顔を伏せましたので、多分、騙して引っ張り出した、と言うか、今日のゲストは、実は、ボクの古くからの友人ですので、この非常事態に自ら進んでご登場いただきました。
まず、お一人目は、この人。20代後半、25、26、27歳あたりの3年ほど、しっかり引きこもっていたと言うユイさんです。ユイさん、こんばんは!
「こんばんは!」
20歳台後半の、人生の華やかなりし時に、引きこもっていたんですね。
「そうですね。その頃、高校時代の友達は、海外旅行に行きまくってましたもんね」
おぉ、残念!続いてのゲストは、まぁ、ラジオではなかなか言えないような壮絶な事情があって、3年半ほど、自分の部屋の内側に南京錠をかけてまで引きこもっていたと言うヨツバト君です。
よろしくお願いいたします。
「はい!よろしくお願いいたします。当時は、ベッドから動けない、と言うようなこともありましたね」
いやぁ、もう筋金入りの“引きこもりの達人”です。
そして、3番目のゲストがユーコさんです。ユーコさんの引きこもりのキャリアは?
「学生時代も学校に行けない期間もありましたし、30代の前半、31、2、3で、3ヶ月間とか半年の引きこもりを、何度も繰り返していましたね、当時、もう子どももいましたけど」
いやはや、3人とも友人ではありますが、まぁ、なかなかの引きこもりの達人ぶりですなぁ。
しかし、そんな彼らには実は共通点があります。3人が3人とも「発達障害」の当事者で、自分と同じように発達障害のある仲間たちを支えるための自助会の代表者なのです。ユイさんは「NPO法人DDAC・発達障害をもつ大人の会」の代表、ヨツバト君は「大人の発達障害当事者会・ついんくる」の代表、ユーコさんは「一般社団法人UnBalance」の代表を務めておられます。
「発達障害」と言う言葉は、最近よく耳にするようになりましたので、リスナーの皆さんも、「あぁ、あれね」とお思いかと思いますが、まぁ、簡単に言えば、生まれつき脳の発達が通常と違っていて、人との関わりが苦手だとか、片付けられないとか、時間やスケジュール管理が苦手など自分の不得手な部分に気付き、生き辛さを感じる障害のことですね。
今日も早速、ユイさんがやってくれました。ねっ、ユイさん!
「すいません。今日、実は、ダブルブッキングしていて、僅かな時間しか、ご一緒できないんです」
これ、これ。これが特性の一つです。ユーコさんも、何か言いたいことあるんでしょ?
「そうなんですよ。この4月5月6月って、ユイさん、ダブルブッキング、トリプルブッキングが多いんですよ。『この日、私に代わって講演、行ける?この日、私、ダブルブッキングしてたので』って、よく頼まれるんです。本当に急に」
と言うユーコさんも、今日、ダブルブッキングしていたんでしょ?
「そうなんです。たまたま、少しだけ時間がずれたので、今、こうして電話させていただいています(汗)」
人のこと言えませんやん。おっと、ヨツバト君も参戦か。
「ボクもユイさんから、頼まれたこと、何度かありますよ。酷いときは、5日前に『この日、行ける?』って」
まぁ、ユイさんに援護射撃するとしたら、この春の時期って、もともと皆さん、得意じゃなんですよね。新入学・新学期とか人事異動とか、いわゆる環境が変わる時期だから。ですから、今回のように、この新型コロナウィルスの感染拡大によって日常が一変するような事態だとか、さらに、今まさにそうですが、先が読めない状態に陥ると、一般の、と言うか、いわゆる健常者と言われる人に比べて、皆さんの不安が増すのではと、ボクは実は心配しておりました。まぁ、テーマは、お気楽に「引きこもりの達人たちにその秘訣を聞く」と謳っていますが、裏テーマは、皆、大丈夫なの?と言うことを、この番組を通して、安否確認をしようと思った訳ですよ。何とまぁ、優しい俺。でも、でも、オンエアーの前に、皆さんから若干お話しを伺っていると、実は、これは杞憂だった気がしてきたんですが、まず、ユイさん、いかがでしょう?ユイさんに、先に聞いておかないと、途中で退席しちゃうからなぁ。
「ホント、ごめんなさい。でも、今の気持ちを正直に言うと、若干ワクワクしてますね」
さぁ、出た!これが、引きこもり達人の感想なんですね。そのワクワクの訳は?
「もちろん、当事者の中には、不安を抱えておられる方もおられます。でも、そうした方はもともと不安が強い。なんでもかんでも不安に思ってしまう人です。しかし、多くの当事者にとって、今回のコロナによる不安は、“自分だけの不安”じゃなくって、誰もが共感出来る不安。また、こんな風に、電話や、テレビ会議システムなどを使って皆さんと、その不安のことを話せるじゃないですか。そうした環境があるのがいい。そのお陰で在宅勤務も増えているし、引きこもっている人も、引きこもったまんま仕事が出来る。こうした環境が、今後ますます整備されるといいですね」
その件に関して、ヨツバト君は、どう思われますか?
「ハッタツの僕たちにしてみれば、新しい世界が広がる良いツールが出てきたな、とホント思いますね。実際にボクも使ってWEBで当事者会をしています。最初は、どうやってその場の雰囲気を作ったらいいのか戸惑いましたが、参加者さんに委ねようと思い出してから、楽になったと言うか、面白くなってきて、上手く回りだしたと言うか、寝ながら参加する人がいたり、途中で急にカレーを食べしたりする人がいたり、ネコが出てきたりと、皆さん、楽しんで下さっているようです。この前などは・・・」
なになに?
「この前などは、一人が、『自分の部屋これだけ汚れています』と部屋の様子を見せ始めたんですよ」
おぉ!片付けられない人々やもんね。
「そう。すると『うちもです』『ボクもです』と、皆一斉に部屋の様子を見せ始めて、部屋の汚さで盛り上がったんです。」
皆さん自宅にいて行うWEBミーティングならではの面白さですよね。しかし、汚さで盛り上がるかね?
「まぁ、自分だけじゃないんだ、と」
なるほどなぁ、仲間意識の醸成ってやつですかね?しかし、一番の良さは、カメラでいくら部屋の汚さを紹介しても、臭いまでは伝えずに済む、と言うことかな。もう、これ、部屋が臭うと言う前提の発言やったね、ごめん、ごめん。(笑)
さて、ユーコさんは、この状況をどう捉えておられますか?
「引きこもる時によくあるのが『私が今こうなっているのは、学校の友達のせい、先生のせい』であるとか『職場の同僚、上司のせい』と“人のせい”にすることです。人のせいにすると一時は楽になるから。しかし、結局は、何でもかんでも“人のせい”にする自分が嫌で、さらにしんどくなる。しかし、今回は、全て新型コロナウィルスのせい!全部コロナのせい!これは、誰も傷つかない。迷うことなく、全部コロナのせいに出来ちゃう。そうなの。私のせいじゃないのよ。もうラッキーと言う感じですね」
いやはや、まぁ、何と申しましょうか、人選間違えたかな、と思わざるをえません。皆、前向き過ぎる。あくまで個人の感想だと、リスナーの皆さんにはご理解いただきたいと思いますが、でも、安心もしたし、ボクも元気を貰いました。
では、ここで一旦ブレイク。曲へと参りましょう。ここは、これでしょ!
1995年の大ヒット曲。ウルフルズの「ガッツだぜ!!」♪ (続く)


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