妄想レイディオレ #21

供養コーディネーターが、“納骨難民”を救う!

午前0時を回り、今夜も始まりました「夜な夜な倶楽部・妄想レイディオ」
今晩は、DJのKUNIです。
毎回、ボクの独断と偏見で気になるニュースを取り上げ、そのニュースの内容をキッカケに、知的で、お馬鹿な、お気軽トークを繰り広げます。
番組の命綱は、この一台の電話だけ。
(SE:リリ~ンと、電話が鳴る音)
リスナーの方とこの電話を繋いで、KUNIとのお喋りと、素敵な音楽で、朝までお付き合い下さいませ。
さて、今夜は、こんな数字からご紹介いたしましょう。
137万8906人。な~んの数字、何の人数でしょうか?
これは、昨年の1年間に亡くなった日本人の数です。
高齢化の進展を背景に、1979年の調査開始以降で最多。ほぼ奈良県民に相当する方々が、お亡くなりになられたと言うことです。
一年で、ですよ。すっごい数ですよね。こんな表現の仕方は適当でないかもしれませんが、日本は「多死時代」を迎えているんですよね。
一日に、えっと、今、ディレクターが急いで計算してくれたんですが、およそ3800人の方が亡くなられている計算になるの?へぇ~、それだけの方々のお葬式が日々行われ、毎日荼毘に付せられていくわけですよね。葬儀業界は大忙しでしょうね。でも、今日、皆さんにご紹介したい数字は、こちら!
およそ200万体!!この数字には、本当に驚きました。何の数字かは、後ほどお伝えするとして、まずゲストをお呼びいたしましょう!もしも~し、こんばんは!
「はい!こんばんは」

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おっと、思っていたより声が、お若い。それに勝手に男性のイメージを持っていたんですが、今夜のゲストは、“供養コーディネーター”の石原千晶さんです。200万体が、何の数字かをお聞きする前に、この“供養コーディネーター”って、どんなお仕事なんですか?
「例えば、かつてであれば、お亡くなりになれば先祖のお墓に、と言うことが一般的だったかもしれませんが、少子高齢化の進展や宗教観の変化などで、これまでのご供養の形態が変わりつつありますよね。そこで、私どもでは、様々な供養方法の中から、完全中立な立場でお客様の希望に合った霊園・石材店などの紹介・仲介を行い、お客様のお墓選びをトータルでサポートすると言ったお仕事をしています」
おぉ、なるほどね。「多死」時代ならでは、お仕事かと。前回は、集中治療医の先生をお迎えして、終活の一つ「人生会議」に関してお話しを伺いましたが、その“後”と言うんですか?お墓選びのための知識なんか、ボク、もう十分、十分すぎるほど大人ですけど、これっぽちも持ってませんもんね。
「KUNIさんは、先祖代々のお墓がおありですか?」
ボク、こんな風にいい加減に生きてますけど、お墓参りだけは、お彼岸、お盆、年の瀬とキッチリと行きますね。おじいちゃんの代からのお墓です。

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「そうだと思いました。KUNIさんのようなに、今、既にお墓があって、お墓参りも欠かさないと言う家族の絆が強い方は、お墓に関して、多分、今のところは心配ないので、お墓について、実は、ほとんど知らないと言う方が多いのですよ」
今のところは心配ない・・・って、ちょっと気になる言い回しですけど、きっと、そのあたりに、先ほどの数字が何を表すのか、そのヒントがありそうですね。さぁ、石原さん!200万体とは、さて何の数字なんでしょうか?答えをどうぞ、って、クイズ番組みたいになってきたけど。
「それは、納骨をせずに、自宅で保管し続けておられる遺骨の数です」
えっ?遺骨って、あの遺骨?まぁ、あのも、このも無いかと思うけれど、荼毘に付された後、骨壺に収めて、箱に入れて、白い布で包んで自宅まで持って帰ると言うあれですよね?確かに、うちの亡くなった母親の遺骨も、しばらくは自宅に置いていたけれど、1年経たないところで、お墓に入れましたよ。
「そうですよね。それを納骨と言う訳ですが、その納骨をせずに、ズッと自宅で保管されている遺骨が、実に200万体ある、と言うのです」
えぇ~。白い布に包まれている遺骨が、うず高く積まれている絵が、頭の中に浮かんできたけれど、それって、相当な数ですよね。なぜ、そんなに遺骨が納骨もされず、自宅に置かれているんですか?
「もちろん、亡くなられた故人と離れたくない、せめて遺骨だけでも、我が手元に置いておきたいと言う方もおられるとは思いますが」
その気持ちは理解出来ます。遺骨があれば、まだ、そこにいてくれるような気がしますもんね。しかし、そこで、一旦、石原さんが、言葉を区切られたところを見ると、理由のメインは、そこじゃないんですね。
「はい。我が石原家もこのパターンですが『うちは分家なので、そもそもお墓がない』であるとか、あっても、お墓に入れてもらえない、と言うケースも多々あるのです」
お墓があるのに、入れてもらえない、って?
「まぁ、そのご親族の顔に泥を塗るようなことを生前にされたとか、様々ないざこざがあって、『うちのお墓には入れてあげない』と言うようなケースですね」
あぁ、確かに、そんなケースもあるんでしょうね。しかし、無ければ、お墓を作ればいいんじゃないか、とは、簡単にいかないんですね?
「そうなんです。石のお墓を建てようとすると、相場で言うと130万円ぐらい“から”となります」
おっと、そこそこの金額だぞ!
「石代と土地代で、絶対100万円は必要だと思います」
確かに、年金暮らしをしておられる高齢者だとか、今、経済的にちょっと苦しいと言う人には、厳しい金額ですよね。
「そうです。いつかお墓を、と思っているうちに、その遺族の方も、結局お亡くなりになられて、その遺品を整理していたら、その方の配偶者の遺骨も残されていた、と言うケースもよく聞きます」
何とも切ない。
「しかし、望まれぬ遺骨と言うか、思い入れのない遺骨と言うのもあるんですよね」
何ですか、その、望まれぬ遺骨って?
「離婚した元夫の遺骨を引き取った、であるとか、面識のない遠縁の親戚の遺骨が、巡り巡って、自分のところに預けられて来たと言うケースがあるんですよね。その故人への思い入れなど全くないケースですよね」
おぉ、言わば、見ず知らずの人の遺骨ですよね。確かに、それは、どうしたらいいんだ?と迷いますよね。
「そこで、最悪の場合、遺棄と言う事態も起こりえます」
遺棄?なんですか、それ?
「遺骨を、駅のトイレに置いてくる、あるいは、そのトイレに流しちゃうとか、コインロッカーに入れてそのまま放置しちゃう、と言うようなことですね。遺棄は遺棄罪と言って犯罪ですからね」
トイレに流しちゃう、って、何ともまぁ。あっ、よく、電車内の忘れ物ランキングって、発表されるじゃないですか。毎年一位は傘だけど、そこで、珍しい忘れ物に、確か遺骨と言うのもあったかと。それって、もしかしたら、忘れ物ではなく・・・
「そうですね。忘れたのではなく、あえて置き去りにしたと言うケースもあるかと思います」
何とも不憫、何とも世知辛いなぁ。でも、そもそも、この遺骨って、どうしたらいいの?と純粋に分からない、知らないと言う人、多いと思いますよ。
「それを私たちは、“納骨難民”と呼びます。これまでは、土地の値段が高く、お墓が少ない首都圏近郊で、この“納骨難民”が数多く存在したんですが、来年からは大阪周辺でも、急増するのではと懸念されています」
えぇ、それは何故ですか?
「これまで、大阪では、格安で、遺骨を受け入れていたお寺がありました。しかし、そのお寺への遺骨持ち込みが急増し、対応しきれないと、来年から、その受け入れを原則休止されることを発表されたからです」
何故、遺骨持ち込みが急増したのですか?
「KUNIさんは、墓じまいと言う言葉を聞いたことがありますか?」
墓じまい?
「はい!お墓を畳むことですね。例えば、お墓は実家のそばの田舎にあって、都会暮らしの方は、お墓参りも行けない、墓守が出来ない。実際維持費もかかる。自分の代であれば良いけれど、これを子どもや孫の代にまで引き継がせるのか。それよりも、もっと別の供養の方法があるのでは、と、今あるお墓を畳まれると言うケースが、今、多いのですね」
なるほど。そこで、先ほど石原さんは、「お墓に関して、多分、今のところは心配ない」と言うような表現をボクにされたのですね。確かに、ボクの世代ではなく次の世代に、墓守を強要させるのか、と言われると、ちょっと考えちゃう。なので、今のお墓を自分の代で、畳んでおこうと言う発想も分かるな。
「では、そのお墓を畳むとなると、お墓を更地にして、お寺に返すことになるんですが、そこに入っていた先祖代々の遺骨をどうするか?と言うことが問題になる。なので、墓じまいをすると、一度に複数体の遺骨が出てきて、先ほどのお寺に、それをいっぺんに持ち込むことから、対応が追いつかなくなったんですね」
そう言う事情か。いやぁ、それは致し方ないですね。そこで、ますます“納骨難民”が増えることが予想されるので、石原さんは、新しいサービスを、まさに、このお盆の時期からスタートされる、と言う訳ですね。

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「はい、そうです。葬骨代行サービスと言うのを関西エリア、大阪・兵庫・奈良・京都にてスタートいたします」
葬骨代行サービス?
「スタッフが直接お客様のご自宅へ伺い、大切なご遺骨を直接お預かりし、ご家族に代わって、永代供養墓葬骨いたします。埋葬後は、もちろんお参りも可能です」
自宅まで来てくれるのですね?
「現在はコロナウィルス感染予防の観点から、お部屋には上がらず玄関先でお預かりいたしますが」
そっか、このコロナ禍で、納骨したいけれど、外出が怖いと言う方もおられるだろうなぁ。
「そこも、このサービスを考えたキッカケです。実は、私の母が去年6月に亡くなりました。その一周忌を待って、どうするのかを親族で話し合う予定でした。しかし、それがコロナの影響で、出来ていない。ですから、まだ母の遺骨は、父の手元にあります。そうした方が多いだろうなぁ、と言うことから、このサービスを思いついたのです」
なるほど!ご自身の経験に裏打ちされたサービスなんですね。さぁ、気になるお値段は?
「ご遺骨のお迎え、永代供養墓への埋葬代行料、永代供養料、事務手数料の全ての費用込で、税抜きの5万円です」
はぁはん。とりあえず、経済的観点で納骨出来なかった方に向けて、安価でサービスを提供しよと言うことですか?
「正直申し上げると、さらに安いサービスはあります。例えば、遺骨をゆうパックで送って下さい、後は、こっちで・・・、と言うサービスもあります。もちろん、それはそれで決して否定するものではありませんが、私たちは、私たちの“手”でお預かりすると言うことにこだわりました」
遺骨をゆうパックで・・・。そう言う時代なんですね。石原さんにとって供養とはどう言うものだと思いますか?
「弔って、葬送すること。決して“処分”ではないと思います」
“処分”なぁ。自分の遺骨が処分される。そんな未来、やっぱり嫌だなぁ。それにしても、こうした供養に関しては知らないことだらけだと分かりました。まずは、知ること、からですね。
「はい、知って下さい。そして、誰かに相談することも大事。一人で抱え込まないで下さいね。例えば、我々のところでは、初回無料相談と言うのもやっていますので」
後ほど、石原さんの会社のHPアドレスを掲載しておきますが、まさにこの時期、自分のお墓のこと、自分の供養のされ方などを、考えてみるのもいいかもしれませんね。
石原さん、今夜はありがとうございました。知らないことだらけで面白かったし、実に考えさせられる話題でした。
「はい、こちらこそ、ありがとうございました」
では、最後に、この曲でしめくくりましょう。
今夜は、やっぱ、これでしょうね!
秋川雅史さんが歌う“千の風になって” ♪
皆さん、おやすみなさい。また、良き明日、良き朝をお迎え下さい!

※ 「供養のカタチ」https://ohaka.net/

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