妄想レイディオ #23

~LGBTとお墓???~

午前0時を回り、今夜も始まりました「夜な夜な倶楽部・妄想レイディオ」
今晩は、DJのKUNIです。毎回、ボクの独断と偏見で気になるニュースを取り上げ、そのニュースの内容をキッカケに、知的で、お馬鹿な、お気軽トークを繰り広げます。番組の命綱は、この一台の電話だけ。
(SE:リリ~ンと、電話が鳴る音)
リスナーの方とこの電話を繋いで、KUNIとのお喋りと、素敵な音楽で、朝までお付き合い下さいませ。
さて、今夜は、ズバリ「同性婚を認めない民法などは違憲」と言う札幌地裁が示したこの裁判についてとりあげます。って、ボクKUNIがお堅い法律論争など語れる訳がない!エッヘン!!って、まぁ、自慢することじゃないんだけれど、そこはまぁ、「妄想レイディオ」らしく切り込んでいこうと思います。そこで、早速、今夜のゲストを紹介しちゃいましょう。二度目のご登場となります。“供養コーディネーター”の石原千晶さんです。こんばんは!

「はい!こんばんは。お久しぶりです」

改めて、石原さんのお仕事をご紹介下さい!

「はい!世の中には、様々な供養の仕方と言うのがあるんですが、私どもでは、その様々な供養方法の中から、完全中立な立場で、お客様の希望に合った霊園・石材店などの紹介・仲介を行い、お客様のお墓選びをトータルでサポートすると言ったお仕事をしています」

石原君ワンショット_n

そんな石原さんは、去年ぐらいやったっけ?供養の面からもLGBTの方々をサポートしたいと言い出したのは?

「そうですね。たまたまですが、去年からそう決めていて。実際に、具体的に、ちょうど動き出したところに、今回のこの判決。これは『やれ!』と、誰かが背中を押してくれているのかなぁ~と思っています。」

で、実際、どんなことを始めようと・・・

「そこで、現在は、一人でも多くのLGBTQの方が安心して葬送儀礼を行えるよう、ガイドラインの作成を計画し進めていこうと思っています。このガイドラインを作成することにより、受け入れ側の寺院や霊園、葬儀社側にも存在する漠然とした不安を取り除けることが出来ると思うし、当事者の方が希望した供養を受けられる可能性を最大限に高めることも出来ると思っているんです」

でも、まだ、リスナーの皆さんは、ポカンとされてるんとちゃうかなぁ?
今回の違憲判決と、この供養と何が関係すんねん?と。また、最近は、LGBTの理解も進み、随分と環境も改善されたんとちゃうの?とお思いのリスナーの方もおられると思います。例えば様々な自治体で、パートナーシップ条例なるものが制定されてニュースにもなっていますよね。その中でも、素晴らしいのは・・・えっと、どこでしたっけ?

「東京の渋谷区ですよ、ね。」

そうそう!えっと、手元資料によると・・・あった、あった、これだ!
正式には、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」と言うそうですが、この条例により、まず、「区営・区民住宅への入居に便宜が図られる」とのこと。これまで同性カップルは、「親族」には当たらないとの理由で排斥されてきたそうですが、今回のこの条例でパートナーシップ証明を得た同性カップルは「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」として入居資格が認められる。なるほど「住」の部分に進展があったわけね。それから、病院などで「家族以外は面会謝絶」といった際に、これまで同性のパートナーは、家族とは認められないということで「アカン!」と面会謝絶の措置が取られることがありましたが、そうなんや、そんなこともあった訳ね、でも、パートナーシップ証明を得た同性カップルも家族同様に扱われるとのこと。手術の際の同意書も、家族しかあかんかったケースが多かったと思うけれど、そこもオッケーになるわけね。このコロナ禍では、これはもう切実な問題やったわけやろなぁ。それから、企業で設けられている「家族手当」などにも、この同性パートナーを含める、などの効果が期待されるとのこと。なるほど。この渋谷区の条例がキッカケとなって、各地の自治体でも同様な内容の条例が増えたと聞きます。確かに、かつてより環境が改善されたことは間違いありませんよね。

「しかしですよ、KUNIさん!」

いやぁ、分かります、分かります!!そんなん、まだ一部やん!と言うことですよね。特に抜けているのが・・・人生最後の部分ですよね。今回のこのニュースで、あっ!そっか!!と思ったのは、いくら人生長らく供に過ごしてきても、同性パートナーには相続権はない、と言うことです。

「そうです。たとえパートナーシップ証明を得た同性カップルであっても、相続法上の配偶者となることができるわけではないので、相続をすることはできません。遺言などの対策が必要となります」

そこで、今回の判決が今後、相続法などの法律改正にどう繋がるかが大変気になるところだ、と言うわけですが、時間、かかるやろなぁ~。しかし!
石原さんが所属される「供養」の業界は、今からでも変えることが出来る部分が多いと、動きだされたわけですよね?

「はい!その通りです。上手くご紹介いただき、ありがとうございます。」

ボク、全く知らなかったんですが、お墓って、法律的には誰が入ってもいいんですってね?

「そうなんです。お墓には誰が入れるのか?このことについて規定する法律はないんです」

しかし、法律的にはそうであっても、LGBTQの方々は、これまで辛い仕打ちを受けてこられたと言うことですね。例えば?

「パートナーが亡くなられた。お葬式で、本来ならば喪主として応対する立場なのに、親族席にも座れず、友人席に座らせられ、友人の振りをして下さい、と言われたとか」

わぁ~、それは辛い!

「その後の、お骨上げにも参加が許されなかったとかもあります」

画像2

でも、それって、親族の理解の問題だと思うけど、葬儀会社の方々も目の前でトラブルになることは避けたいだろうから、やっぱり対応策は知っておいて欲しい、ガイドラインが必要と言うことね。
石原さんのやろうと言うことが、だんだん分かってきました。

「さらにその後なんですが、パートナーの遺骨は手元にある。出来れば、自分の家の墓に埋葬し、将来、一緒のお墓に自分も入りたいと言う人も、もちろん大勢おられるわけですが、そのお墓に、パートナーの遺骨を埋葬することを拒否されると言うケースもあるんです」

えぇ~、でもでも、さっき紹介したように、法律的には、お墓には、誰が入ってもいいんですよね?

「まず、親族が許さない。たとえ親族が許しても、檀家が許さない。檀家が許さないことには、やはりお寺が認めると言うわけにはいかないんですよね」

檀家が許さないって、同じ、お墓に入るわけでもないのに~

「同じ敷地内に埋葬されるのは嫌だと・・・」

まだ、そう言う方もおられるんですね~。嘆息!!そして、そうした檀家の方々の声にお寺の判断が左右されちゃうのか。

「お寺も、檀家あって、ではあるので」

でも、今は、檀家離れもあって、言い方に問題あるかと思いますが「新しい顧客」を掴むためにも「開かれたお寺」であることをアピールするのも「手」ではあると思うけれどなぁ。

「私も、そうした“お寺の経営”と言う目線から、お話しをさせていただくこともあります。また、実際、“開かれたお寺”であることが注目され、メディアを賑わせたお寺が東京にはあります。あと、お寺で催される仏前結婚式では、LGBTQの方々も受け入れられるお寺も出てきました」

おっ、それって、いいじゃないですか!じゃぁ、なぜ、それがお墓の受入には結びつかないのですかね?

「やっぱり、そこは、結婚式は、その日一日ですが、お墓は・・・」

あっ、そう言うことか。でも、ウェディング業界だって、10年ぐらい前は、同性カップルの結婚式、披露宴なんて、多分タブー視されていたと思うけれど、今は、本当に、皆さん、心から祝福されておられますもんね。

画像3

「ですから、供養業界も変ることが出来ると信じています。実際、先進的なところは、このLGBTQに関しての勉強も熱心にされておられます」

じゃぁ、意地悪な質問ですけど、先進的でないところは?

「えっと、LGBTが、どう言うことかも、ご存じない方も・・・」

おっと、それはゴールは、まだ随分先になるかも知れませんが、誰かが進めていかなければならないですもね。

「今年中に、なんらかのガイドラインがまとめられればと思っています」

ところで、石原さんは、何故、この課題を解決していこうとお考えに?

「私は、LGBTQに関してアライなので」

おぉ、広島でも阪神でも活躍した

「????」

それは新井!分かってますよ!!「ally」ね!「味方」!「LGBTを理解・支援する人」でしょ。かく言うボクも、そうでありたいと思いますもんね。

「もともと、友達が多くて。今も、私、大阪の※※の近くに住んでいます」

おぉ、なるほど!※※ね!そりゃ、お友達が多いに違いない。今は、何から始めようと?

「まず、聞き取りから始めています。法律関係者や業界関係者はもとより、当事者の方々にコンタクトをとってお話しを伺おうとしています。
ただ・・・」


ただ?

「繋がる当事者の方々は、若い方が多くて、50代や60代のような、実際に終活を考え始める方々が、さて、どこにおられるのかなぁ~?と」

あぁ、その世代の方々って、明らかにされておられる方が少なくって、どちらかと言うとヒッソリと暮している方々が多いから、かもしれませんよね。

「確かに、法律が変るにはまだまだ長い時間がかかりそうなので、若い方々の意見も大事にはなってくるんですが、そうした現実味を帯びてきてこられている方々のお話も、聞いていかねばと思いますね」

では、そうした方々に心当たりのおありの方は、こちらまで、ご連絡下さい!って、これラジオやから、そんなスーパー出されへんか!(笑)
しかし、石原さん!先は長いかもしれませんが、この取り組み、バンバン進めていって下さいね。今夜も本当にありがとうございました。

「はい!ありがとうございました」

では、最後に、この曲でしめくくりましょう。
フィルコリンズで「Something Happened On The Way To Heaven」♪
皆さん、おやすみなさい。また、良き明日、良き朝をお迎え下さい!(了)

※参考:「供養のカタチ」https://ohaka.net/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?