車椅子ダンサー・MIHOの 「二度目のガンになりました。で、それが、なにか!?」

~先端医療の凄さと副作用の怖さ~


「“ギリギリ女”ですね~!もう“スレスレで生きて”るって感じです。
何だか、もう、面白くなってきました!」

そう話すのは、この物語のヒロインで、元車椅子ダンスの日本チャンピオンMIHOさん。前回までのお話しを復習すると、MIHOさんは去年の6月に、
人生二度目のガンとなる腎細胞癌の摘出手術を受けました。しかし、早くも再発。そこで、4月27日から5月13日までの二週間半の間、入院を余儀なくされました。前回は、ここまでは紹介しなかったのですが、分ったのは、
「リンパ節が大きくなっていて、脊髄に転移していて、ちょうど曲がっている先端の部分にめりこんでいる状態。骨の中にもグッと入り込んでいて、その周りにも散らばっている」と言うことでした。
これだけ読むと、実に深刻。実際、まず手術が検討されますが「難しい」「逆に悪くなる」との判断に。多分、神経に触れる恐れがあったからでしょう。では、「放射線治療か?」と言うと、それも「難しい」と。何故なら、MIHOさんの背骨が曲がっているからなのか、直接患部に当てることが出来ない場所で、放射線が、どうしても腸に当たってしまうとのことだったからです。そこで、医師団が選択した治療方法が、「免疫チェックポイント阻害剤治療」。えっ?それ何??とお思いの方もこのお薬の名前はご存知でしょう。「オプジーボ」。そうです、MIHOさんは最先端治療によりガンと闘うことになったのです。しかし!
前回の記事をアップした後、MIHOさんから、こんな連絡を受けました。

「治療が、一旦、中断された」

黒子は、大変な衝撃を受けたんですが、まず、皆さんにご安心いただくために、今のMIHOさんの様子です。

図4

って、全然、元気そうでんがな!

「えっ!?食事??全然、食べられますよ。問題ないです。痛みもないし、いたって快適です」

って、どう言うこっちゃねん?と言うことで、少し時系列に沿ってご説明いたしましょう。「オプジーボ」を中心とした「免疫チェックポイント阻害剤治療」は計4回が予定されていました。2回目までは無事終了。3回目の治療前に、整形の医師によるMRI検査が行われました。すると・・・

「モニターを見ながら先生が『小さくなってんな~』みたいな感じで呟いたんですよ。『明らかに、それまで骨のところが真っ白になっていたのが、その白が薄くなってる。小っちゃくなっている』と言われたんです。それを聞いて、実は、私も、そうなんだろうな、と思ったんです。だって、ここ最近、足の圧迫が消えていたんですもん。痛くない。だから、道理で楽になっていたんだなぁ、と。」

そうなのです。見事に、この治療効果が早くも出てきたのです。凄い!!
治療を受ける前は医師から、「効果が出るのは全体の40%」と言う話を聞いていたMIHOさんは、思いました。

「この薬を、打ち続けたら、まだ小ちゃくなるなと思って、これはイケると思って、これ絶対40%に入ったわぁ~って!」

そう思って、ウキウキしながら病院から帰ったそうです。しかし、その翌日。今度は、主治医である泌尿器科の先生の診察・治療の日でした。採血をして、診察室に入ると、こう言われたそうです。

「今日の治療は中止!肝臓の数値が、爆上がりしている」

副作用です。このままでは、頼みの綱であった、この治療も断念せざるをえません。MIHOさんのウキウキは一気に暗転!

「肝臓のこの野郎!って感じ。もっとお前頑張れよ!って言う感じでしたね」

普段なら「そんな下品な言葉、使わないで下さいよ」とたしなめるところではありますが、今回は、許します。その気持ち、痛いほど、分ります。
そこで、肝臓の数値を落ち着かせる治療をまず行うことに。すると、爆上がりしていたその数値も半分に下がり、さらに、その後、主治医からも、こう言われます。

「確かに、ゆっくりやけど数値は下がっている。また、肝臓の数値は爆上がりしたけど、黄疸の数値が全く変わってないから、もう完全な薬の影響でしかないと思う。今、入院してどうこうと言うものではない。やっぱり薬が効いているだけに、ここで、この治療法を止めるのはもったいない。もう数値がもとに戻ったら、もう一回、薬の種類を減らし、騙し騙しになるかも知れないけれど、もう一回打ちたいと思っている」

この医師の言葉を受けて、出たMIHOさんの感想が、冒頭のコメントなんです。MIHOさんは、こう続けます。

図5

「去年、手術をする時に、先生からは『手術によって腸閉塞を起こすかもしれません』『感染症を起こすかもしれません』と色々説明されました。で、結果、両方起こしました。(笑)でも、軽度でした。今回も『副作用が出る可能性は低い。ただ副作用が出た時に、肝臓の数値がめちゃくちゃ上がる人がいる』と言われ、私もへぇって答えていたら、やっぱり今回も出て来た。でも、その数値も上がりすぎず、ギリギリのラインで止まる。私、ホンマにギリギリ女なんです(笑)」

そう自己分析出来る人は、強い!
確かに、まだまだ不透明なことも多いけれど、引き続き、MIHOさんの頑張りを、皆さん、応援して下さい。黒子も、出来るだけ、MIHOさんのストレス発散のお手伝いが出来るよう、お話しを伺い続けますので!!(つづく)

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