見出し画像

妄想レイディオ #27

~平均寿命25歳?「MECP2」って、何?~

午前0時を回り、今夜も始まりました「夜な夜な倶楽部・妄想レイディオ」
こんばんは、DJのKUNIです。毎回、ボクの独断と偏見で気になるニュースを取り上げ、そのニュースの内容をキッカケに、知的で、お馬鹿な、お気軽トークを繰り広げます。番組の命綱は、この一台の電話だけ。
(SE:リリ~ンと、電話が鳴る音)
リスナーの方とこの電話を繋いで、KUNIとのお喋りと、素敵な音楽で、朝までお付き合い下さいませ。さて先日、SNS上でこんな写真を見つけました。

画像1

これ、これ、この写真!
そして、そこには、こうクレジットが入っていました!

「歩行器というか新しい乗り物のようでカッコいいですよね。デンマークからやってきてます」

と。確かにカッコいい!でも、モデルの男の子には、多分、障害がある。
でも、でも、その写真にカッコいいとコメントを付けるのは、それこそカッコいい!!そこで、ボクはスタッフに、この写真を投稿した人と話してみたいとリクエストすると、うちのスタッフは優秀だよね~。その人を、見つけてきてくれました。早速、電話でお話を伺っていきましょう!
もし、も~し!!こんばんは!

「こんばんは!」

まずはお名前から教えて下さい。

「大阪の河越直美と言います。」

えっと、この写真は息子さん?

「そうです。姉がいますが、うちの長男です。2012年生まれの今年9歳。“かなで”と言います。MECP2重複症候群と言う病気があります」

画像2

(写真:河越直美さんと、“かなで”君)

「MECP2重複症候群」?「R2D2」は、スターウォーズに出てくるドロイドで、「C-3PO」の親友って、多分、全然、関係ないですよね(汗)。
えっと、それって、どんな病気なのか・・・・、と言ってるうちに、うちのスタッフは本当に優秀だよね、早速、ネットからメモを起こしてくれました。えっと、何、何?「乳児期早期からの筋緊張低下、重度の精神運動発達遅滞、進行性痙性障害、反復性感染症(呼吸器や尿路など)および難治性てんかんを特徴とする疾患である。現在、有効な治療法がないため、対症療法と療育に頼らざるを得ない」って、なかなかヘビーな病気ですやん!

「2017年の調べではあるんですけど、全国の色んな病院や施設を調査して、その時点で診断されていた子は、65人しかいません」

全国に65人!僅か65人!!超レアな病気ですやん!
って、驚くと、なぜか大阪弁が出てくる!!

「基本的にはX染色体っていうのが関係していて、ほとんどの患者が男の子ではあるんですけど、中には女の子でも症状が出てきてしまう子がいて、 65人中、確か6人は女の子だったかな。でも、ほとんどが、うちの子のように、男の子なんです」

実際には、どんな症状が出て、どんな風に、その、何ともレアな病気は見つかったんですか?

「生まれた時から、お姉ちゃんが生まれた時とは、何かこうちょっと違うなっていう違和感をずっと私は持っていて、生後6ヶ月の時に、絶対何かあるから調べてくれって言って、MRIとかで調べてもらったら、『成長が遅いだけじゃなく、やっぱり、“何か”ある。だけど、原因は分からない』って」

どんな違和感があったのですか?

「例えば、出産時、お腹から出てきた時にまず泣かなかった。その後、泣いた時も恐竜の赤ちゃんのようにキュウキュウと細い声で泣くだけ。力強さがまったくない。さらに、お姉ちゃんの時だったら、お腹がすいたら思いっきり泣いて、そして、それを飲んでいたのが、この子は母乳をまったく受け付けなくって。今思えば、吸えなかったのかなぁ、力が無くて。じゃぁ、ミルクをあげると、バァ~っと吐いちゃう。でも、それをお医者さんに言っても、『赤ちゃんって、ミルクを飲まないとき、おっぱいを吸わないときもあるので、お母さん、気にしすぎだよ!』って」

じゃぁ、いつ、この病気だと分かったんですか?

「2歳くらいの時に一回、遺伝子検査しましょうかって言われて、それまでは、何か遅れているけれど、その何かが分からないので、特別何か医療行為をしないといけないことがなかったので、ずっと様子見だったんですけど、その時の主治医の先生が『もしかしたら?』と思うような疾患名が思いつかれたようで、“かなで”と私と夫の血液を採って検査したんです」

で、分かった?

「いえ、その時は分かりませんでした。結構、希少疾患と呼ばれるものは、分からないまま終わることもあるそうなんです」

そうなんだ!で??

「そこからちょっと経ってから、先生から電話があって、『おそらく、これかもしれないと言うものが出てきたので、もう一回検査入院をしてもらえますか?』って言われて、そこでようやく、確定診断を受けたんです。」

最初に遺伝子検査って言われて、どう思いました?
「遺伝子検査って、何だ?」と思いませんでした?

「思いました!思いました!!でも、それまで、何かわからない方がしんどかったので、『遺伝子検査をしましょう!』と言うときは、“よっしゃ!”と言う感じでしたね」

なるほど、そう言うものかも。そこで、ドクターからは何と説明を受けたのですか?

「分かった時には、結構シビアな疾患だっていうことを先生は話されていて・・・平均寿命も25歳ぐらいで、成人になる頃には、気管切開をするか、しないか、と言った決断をしなければならないとか、結構、重めの話を、先生がしてくれたんですけども」

結構重めって、平均寿命が25歳だの、結構どころか、相当重めじゃないですか!?

「当然、ショックはショックだったんですが・・・何でしょうか?・・・今までずっと分からないままだったのが、『お母さん心配しすぎだよ!』と言われていたものが、あぁ、やっぱりそうじゃん!何かあったんじゃん!とわかって、まずスッキリしたな、と言う感じと、その将来に関して・・・どうなるかわからないんですけど、ある意味“命の制限”と言うか、ここまでっていう数字を示してもらったことで、それまでは、とりあえず出来ることをやらないと!と言う目標が見つかったと言うか、凄くクリアに、前に進んで行かなければならないことが分かったので、私の中では、この確定診断が・・凄い重い説明をされたんですけど・・・前に進めるをきっかけになったと思いますね」

なるほど。“命の制限”って、実は、誰にでもあるもんなんだよなぁ。それを、多くの人は感じないと言うか、忘れている。あるいは、忘れていたい。でも、それを、現実的に突きつけられて、さぁ、河越さんは、そこから、実際に、どう前に進んでいこうと思われたのか?
それは、この曲の後に、ジックリお聞きしていきましょう!

ジョン・ウィリアムズで「スターウォーズ」のメインテーマです!♪ 
                             (つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?