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NPO法人ミックスレインボーの理事長「いよたみのり」さん #35

「出でよ!ジャンヌダルク!!~女性経営者が未来を変える~」。
(毎月第一金曜日・午後7時~)https://www.be-happy789.com/
毎回、創業間もない女性経営者にゲストとしてご登場していただき、
何故、起業し、そして、今後、何をして行きたいのかを、お好きな曲とともに根掘り葉掘りお聞きしていきます。今回のゲストはNPO法人ミックスレインボーの理事長「いよたみのり」さんです。

(写真真ん中が「いよたみのり」さん)

まずは、事業の概要から伺いました。

「2020年に任意団体として発足し、2021年の8月にNPO化したんですが、その主な事業は、LGBTQ+の人々や、その理解者のみなさんが定期的に集うことで、互いに繋がりを作ることのできる“居場所”を提供することを大きな目標としています。」

では、その“居場所作り”とは、具体的にはどんなことに取り組んでこられたのでしょうか?
 
「まず、性的少数者の方々が自由にお話し出来る場作りとして“みんなの居場所”を毎月一回開催しています。そこは『自分はもしかしたらLGBTなのかもしれない』あるいは『まだ分からない』『私はそうだ』と言う様々な方々が、他人には言えない悩みを言える相談の場にしたいと言うのが一つの目的で、もう一つの目的が、そうした人々を応援したい、そうした人々から学びたいと言うアライと呼ばれる方々にも集える場所にしたいと思っています」
 
そして、さらにこんなことも・・・

「LGBTQの方って、実はなかなか出会いの場が少ない。出会いの場が限られている。よくあるのが、夜、お酒を飲みながら、と言うものですが、お酒を飲めない方もいる。そこで“虹コン”と言う真面目に婚活しましょうと言う出会いの場を提供しています。それから“虹色銭湯”と言うイベントも開催しています。これは、特にトランスジェンダーの方を対象にしたものですが、トランスジェンダーの方って性別移行前と移行後だけでなく移行中と言う方もたくさんおられます。となると、広々としたお風呂に入りたくとも一般の銭湯などには入れません。そこで、営業時間外の銭湯を貸し切って、そうした移行途中の方々にも入っていただいて、広いお風呂の気持ちよさも味わっていただければと言うイベントを行っています」

どちらも、とても面白そうだし、需要もありそうですね。
さて、その「いよたみのり」さんも、実はトランスジェンダー。
彼女のプロフィールはこちらです。

「1968年(昭和43年)6月7日生まれ。生まれたときは男性でしたが、今は女性として生活しています。性的指向はパンセクシュアル。好きになる相手は、男性女性を問いません。性別で好き嫌いを決めるわけではないのです。去年、手術も全て終わり、法的にも今は女性です。」
 
さぁ、こちらが若かりし頃(男性時代)の「いよた」さんです

お世辞ではなく、アイドル系。また、優しかったので、女性にもモテたそうです。しかし、実は小学校に入る時から、「何故、男の子は赤いランドセルじゃなく、黒じゃないとダメなんだ?」と感じていたそうで、小学3年生の時には、「男の子はスカートを穿いちゃダメなのかなぁ」と夜中にコッソリと母親のスカートを穿いたことも。しかし、同時に「こうしたことは良くないことだ」とも思い、「一生隠し続けよう」と、この時点で決心をする
のです。いわば、自分の思いを“封印”。その後は“男の子”“男子”“男性”として過ごしていかれ、大学卒業後、社会人になられて26歳の時に「オーケストラ好き」と言う同じ趣味を持つ女性とご結婚されるのです。当時をこう振り返られました。
 
「自分の気持ちを封印して、男子として生きていかねばならないと決めた以上、親も子供には結婚してもらいたいだろうし、孫の顔を見たいであろうと思い、色々とあったけれど、結婚を決めました」

その後、妻にも自分のセクシュアリティに関することは一切話さず、実際に子どもも二人、授かっておられます。しかし、結局は結婚観の違いから18年間の婚姻関係を解消することに。それが今からちょうど10年前のことでした。そして、これが「いよた」さんの大きな転換点となったのです。

「その頃になると世の中にもLGBTと言う言葉も広まってきたし、小学3年生の時に自らかけたその呪縛から、そろそろ解き放たれてもいいのいかなぁ、隠さなくてもいいのかなぁ、自由になろうと思い始めたんです。」

そこで、「いよた」さんは「誰かに相談出来るところはないかな」と探してみると、地元・尼崎では見つけられなかったものの、少し足を伸ばせば、当事者たちが集まるイベントがあるのを見つけます。当初は参加者として、そうした会との関わりを持つようになるんですが、それが、何故、主催する側に回ったのか?番組では、その瞬間を切り取ってラジオドラマ風にお伝えしました。そのシナリオがこちらです。

「私が探していた場所は、ここやわ!」
と、みのりは喝采をあげたのです。
LGBTQの方々が集まるイベントには様々な方々が参加しておられました。
確かに最初は緊張したものの、次第次第に「落ち着く場所」「居心地がよい」と思うようになりました。そして、何よりLGBTQに関して「知識」が増えていくのが嬉しかったのです。
自分が「何者なんだ」と言うこともハッキリと見えてきた、理解出来るようになってきたと言います。
しかし、時には・・・
 
「って、これ、宗教の勧誘やないの~!」
イベントで仲良くなった人に「うちに来ないか」と誘われ、
詳しく聞くと、なんと宗教の勧誘。
「そんなことには興味はない!」と突っぱねたものの、
しばらくは、こうしたイベントから足が遠のくこともありましたが、ある時
「あれ?地元・尼崎でも、こうしたテーマのイベントやるやん。
 あれ?これ今日やん!」
と慌てて、イベント会場に向かうと、まさに聞きたかった内容。
みのりは、そのままイベントの打ち上げにも参加し、こう思ったのです。
 
「私も、こうした様々な人々が集まるようなコミュニティを作りたい」。
「私のように居場所を探している人のために、居場所作りをしてみたい」。
そう思い、2020年に任意団体でスタート、そして2021年の8月にNPO化
したのです。今では会員も増え、学校などからの講演依頼も相次いでいます。自分にとって居心地の良い場所を探し続け、見つけた場所。
今度はそこに多くの様々な人々を受け入れ、さらに、地域そのものを
居心地の良い場所にと奮闘するジャンヌダルクなのでした。

さて「いよた」さんは、LGBTQの皆さんの現状をこうたとえられました。

「左利きぐらいいる、AB型くらいいる。結構いる。10人に一人とか13人に一人とか。身近にいるんだけれど、見えにくいので認識されない。だから否定的なことをおっしゃる方も多いのではないかと思うんです」

では、今後はどう言う活動をされていこうとお考えなんですか?

「今、学校でこう言うお話をさせていただくんですが、今後は企業の研修の中で、こうした話をしていきたいと思っています。例えば、私のように会社の中で性別を移行すると言ったような場合は非常に難しい。実は、今日、女性になって初めて会社の健康診断を受けてきたんです。私の以前の性別を知っている人も社内にいて、そうした方々は、どうしていいか、やはり戸惑ってしまいますよね。そうした際の対処法などを企業内で学んでいただければと思いますね」

さて、最後にこの団体名「ミックスレインボー」の意味について伺いました。

「LGBTQを象徴するのがレインボー、光のグラデーション。でも私たちはLGBTQの方々だけでなく、アライの方も含め皆が“混ざって”暮らしていけたらいいなと思って、この名前を付けました」

なるほど。よく分かりました。
「いよた」さんも、これからも引き続き頑張って下さい。

ところで、「いよた」さんの「ここぞ!」と言う時に聞かれる曲は?とお聞きしたところ、挙げていただいたのは、映画『フラッシュダンス』のテーマソング「ホワット・ア・フィーリング」。夢を実現するために努力を惜しまないヒロインの姿に、今の自分を重ねていると言うことでした。

それから、ミックスレインボーオリジナルグッズから、何点かピックアップしたものをリスナーの方・一名にプレゼントしていただけることになりました。プレゼントご希望の方は以下のウメダFMのプレゼントフォームからお申し込み下さい。

ウメダFM Be Happy!789 FMキタ (be-happy789.com)

「いよた」さん、本当にありがとうございました。

さて、次回の放送は、6月2日(金)です。
どんなゲストが、どんなお話しをお聞かせくれるのか?
皆様!!お楽しみに!(*^_^*)

※参考:https://www.mixrainbow.jp/

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