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ピラティス スタジオ ユリ代表・ 西山夏実さん #33

「出でよ!ジャンヌダルク!!~女性経営者が未来を変える~」。
(毎月第一金曜日・午後7時~)https://www.be-happy789.com/
毎回、創業間もない女性経営者にゲストとしてご登場していただき、
何故、起業し、そして、今後、何をして行きたいのかを、お好きな曲とともに根掘り葉掘りお聞きしていきます。
今回のゲストは、去年12月に開催された大阪起業家グローイングアップ
ビジスプランコンテストで、「ウメダFM Be Happy!789 賞」を受賞された
ピラティス スタジオ ユリの代表・西山夏実さんです。

(真ん中が西山さん)

さて、そもそもピラティスは、皆さん、ご存知ですか?また、ヨガとの違いは、分かりますか?まずは、そこから西山さんに伺いました。

「ピラティスはもともと第一次世界大戦のときに、傷を負った兵士にリハビリをするところから始まった、リハビリをベースとしたエクササイズです。
機能改善と言って、筋肉のバランスを整えてあげることとか、関節を安定させるなどして姿勢を整え、インナーマッスルにアプローチするものです。
一方、ヨガは瞑想から始まったエクササイズで、精神の統一とかマインドのところに重きを置かれているものになります」

なるほど。そう言う差があるのですね。
ところで、まずは、そのピラティススタジオの写真をご覧ください。

これが、そうです。写真右側に写っているのが「お子さん用のプレイスペース」。そうです、このスタジオの特徴は、お子さんが生まれた、あるいは間もなく生まれてくると言う妊産婦さんを中心に指導していると言う点、産前産後に特化した点と言うが“ウリ”なのです。しかし、これもまた、そもそもですが、妊産婦さんって、そんな運動をしてもよいものなんでしょうか?

「妊娠中に運動をすることは、高血圧だったり糖尿病だったり産後鬱などの、いわゆる産科合併症を予防出来る効果があるのです。積極的に運動すべきであると推奨されているんです。ただ、皆さんがそれをご存知ないだけなんです」

では、実際、どのくらい運動するようにと推奨されているんですか?

「現在のガイドラインでは、週に150分は早歩き以上の運動をしましょう、と推奨されています。しかし、その基準を達成出来ている人の割合は僅か15%しかないと言われていて、妊婦さんの運動不足は深刻な課題だと言われているんです」

どれだけ深刻かと言うと、前述の産科合併症に罹患する人の数は年間12万人。重篤な場合は赤ちゃんやお母さんの命に関わり、実際、毎年30人程度の方が不幸にして亡くなっておられるそうです。そして、そうした現場に西山さんも立ち会ってこられたと言う経験がおありです。
それは、何故かと言うと・・・

「私は助産師なんです。これまで800人の出産に立ち会い、300人を取り上げてきました。そこで、どうやって安全に出産出来るのかと言うことを考え続け、その結果、運動が重要だと言うことにたどり着いたのです」

西山さんの肩書は、それだけではありません。運動が重要と気づい後は、
お産と運動の研究論文を調べ、中でもピラティスが良いと分かると、それまで、一切やったことがなかったにもかかわらず、ピラティスを一から学んでインストラクターの資格を取得。さらに、その研究をもっと深めたいと、2021年に大阪大学の大学院に入学。今も大学院生として研究を続けているのです。

しかし、今は、ピラティススタジオの経営者。それまでは、病院で助産師として経験を積んで来られたわけですが、なぜ、そのお仕事を辞めてまで、大学院に入学し、さらに起業に至ったか。それも、病院でのお仕事は、楽しくて、実にやりがいがあるものだったとおっしゃるにもかかわらず、です。
その理由は、実に、今の若者らしいキャリアプランがあったのです。

「もともと、何年か経ったら、一旦仕事を辞めて、語学留学をし、そこから海外で研究をして、その後、起業を、と言う計画を立てていたのです」

とは言うものの、その計画は随分“前倒し”された感がありますが、その理由とは?西山さんが起業に至るまでのその瞬間を切り取って、番組では、こんな風にドラマ仕立てでご紹介しました。

「えぇ~!もう退職届も出しちゃったわよ。
それが、語学留学先の学校が、閉校って、どういうこと?」
早くからしっかりとしたキャリアデザインを描いていた夏実ですが、
こればかりは予想出来ていませんでした。
そうです。コロナ感染の世界的拡大です。
しかし、それでめげる夏実ではありませんでした。
海外留学の代わりに日本の大学院に入学。
いつかは起業と思っていたアイデアも前倒しをして、その年の秋には
ピラティススタジオを立ち上げるのです。しかし・・・
 
当初は、見込客などゼロ!
それは致し方ないこと。
夏実にとって、初のスタジオ開設で、馴染みの客などいるわけもなく、
そもそも、妊産婦向けのピラティススタジオなど世間における認知度もほぼゼロ。しかし、夏実は、こう思いました。「なんとか、なるかなぁ~」

夏実がとった作戦は、まず「助産師仲間に体験してもらう」こと。
実は、助産師の中でも、「運動は確かに良いのだろうけど、どんな風に、
どこまで運動すればよいか分からない」と言った人が多かったそうです。
そこで、まず助産師仲間に声を掛けたんですが、その作戦は大成功。
助産師が体験をし、その効果を実感した助産師が、今度は妊婦さんに声を掛け、そして、実際に妊婦さんも訪れるようになると、いくつかの病院から、そのノウハウを教えて欲しいと言う声がかかるほどに。
助産師で、かつ大学院生で、さらに社長業も務めようと言う
数多くのわらじを履くジャンヌダルクの活躍に、今後は目が離せません。

世界的なコロナ禍の感染拡大と言う事態に、大きく計画は狂ったわけですが、起業した時点で、あまり大きな不安は無かったと言います。
しかし、ピラティススタジオには、機器なども置かねばならず、その機器は意外と高く、スタジオ代などの初期投資の額は馬鹿になりません。
下の写真、何も「罠にかかった猪」ではありませんよ。これは、お尻の下あたりの筋肉を伸ばす機器なんですが、これ一台で、車一台分と同じ程度の費用がかかると言うことです。

しかし、けれど、そうした資金に関しては、西山さんは実に抜かりなく準備をしていたのです。

「起業を決めた時点で自治体の補助金など、本当に色々な補助金を使わせていただき、あらかじめ予算を確保していました。また、助産師は、当直のアルバイトも出来るので、その収入でやり繰りしました」

なるほど。実に抜かりない。しかし、勝負はこれから!
今後、どうビジネスを大きくしていかれるのか?
5年後10年後を、西山さんは、こう展望されています。

「日本で、妊産婦の運動の重要性がある程度広まっていったら、今後は海外を目指したいですね。と言うのは妊産婦の運動不足と言うのは、どの国も共通の課題で、必要な運動量に達していないんです。特にアジア圏では、その傾向が顕著なので、アジア圏を中心に海外展開をしていきたいと思います。
この運動でアプローチ出来ると言うノウハウは産前産後だけではなく、月経で悩んでおられる方とか、更年期で悩んでおられる方にもアプローチ出来るので、全ての女性に向けて最終的には展開したいなと思っています」

さらに、こんなビジネス展開の可能性も語って下さいました。

「大学院での研究の知見を活かしながら、ヘルスケアアプリケーションの作成と言うことにも、今、動いています。どれぐらい運動をすれば良いかをアナウンスしてくれる妊産婦向けのアプリと言うのは今ないので。今、研究しているデータを用いて、研究室と共同でそうしたアプリを作っていくと言うのを計画しています」

いやぁ~、それは確かに面白そう!
西山さん、助産師で、経営者で、さらに大学院生と、大変お忙しいかと思いますが、妊産婦の皆さんのため、全ての女性のために、ますます、頑張って下さいね。

ところで、西山さんの「ここぞ!」と言う時に聞かれる曲は?とお聞きしたところ、挙げていただいたのは、絢香の「Melody」でした。
西山さんが、助産師として病院務めを始めた時の、産婦さんの朝ごはんタイムに流れる曲で、朝、出勤して来て「あぁ、また今から仕事か」と言う“ドヨ~ン”とした気持ちを払拭してくれて、元気づけてくれた曲なんだそうです。
こうした曲を一曲ぐらいは、皆さんも、持っておきましょうね!(笑)

さて、次回の放送は、4月7日(金)です。
どんなゲストが、どんなお話しをお聞かせくれるのか?
皆様!!お楽しみに!(*^_^*)

※参考:
Pilates Studio YURI|助産師による大阪・北摂のピラティススタジオ (yuri-pilates.com)



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