車椅子ダンサー・MIHOの 「二度目のガンになりました。で、それが、なにか!?」

~ #8 “〇〇話”を聞いてもいいですか? ~

「特別変ったことはございません!」

そうキッパリ断言したのが、この物語のヒロインで、元車椅子ダンスの日本チャンピオンMIHOさんです。何に対してそう回答したかは、後ほど、ゆっくり種明かしをさせていただくとして、まずは、こんな問題から。
皆さん、今から書く漢字の部首は、それぞれ、さて何でしょうか?
「間」「回」「冊」「匠」「医」。
順番に正解をご紹介しますが、まず「もんがまえ」に「くにがまえ」、ここまでは簡単。次は「えんがまえ」。確かによく見れば「円」の文字が隠れている。そして最後の二つがややこしい。同じように見えるけど、「匠」や「匡」の部首は「はこがまえ」と言い、「医」や「区」、「匿」の部首は「かくしがまえ」と言います。実は、微妙に違うんです。
って、ここから何を言いたいかですが、これらは全て、部首に「かまえ」を持つものばかり。こうした「かまえ」のある文字って、なんだか縦横キッパリ“これで間違いございません”と、文字通り“構えている”ように見えませんか?えっ?見えへん??まぁ、ええや。先を急ぎますが、何を言いたかったかと言うと、私・黒子もMIHOさんとは、そこそこ長い付き合いではありますが、「身構えて」あるいは「斜に構えて」見ていたかもと反省をしているのでございます。「車いすなんやから、そりゃ無理やで!」と決めつけていたんちゃうかと、猛省しているのでございます。
まずは、MIHOさんに、幼い頃の記憶って、いつからありますか?とお聞きしたところ「保育園から」とのこと。もちろん、当時から車いす生活を余儀なくされていました。ちゃんと子ども用の車いすと言うのがあるそうです。

子ども用車いす_n

そうそう、この写真の車いすがそうです。これが子ども用の車いす。
さて、そんなMIHOさんに、ちょっと酷な質問を投げかけてみました。
「自分が、他人と違うと気付いたのはいつですか?」と。

「保育園は、最後の一年しか行ってないんですが、まあまあ物心はついていて、自分だけ脚が動かなくて、みんなと違うっていうのは、幼いながらに分かっていたと思いますね。でも、お遊戯やダンスなどは全部やらされましたよ」

えっ!?お遊戯も?

「そう!運動会とかも、砂場を這って、お遊戯に完全に参加するとか。なんか『全部できることはさせますよ!』と言った保育園やったんで。そうそう、竹馬もやりました」

竹馬!!??

「もちろん補助ありでしたけどね。左脚は、竹馬に括り付ける形で、先生が前で支えてくれて、私も竹馬に乗ってる!って言う感じでしたよ。とにかく出来ることは全部させると言うとこやったんで」

それは、幼心に、どんな感想を持ってはったんですか?

「小っちゃいながらに『なんや、これ!?』と思ってましたよ。(笑)恥ずかしいと言うわけじゃないけれど、なんかね~。でも、それがあったから強い精神で、ここまで来たんでしょうね。保育園で、甘やかされへんかったからこそ、やと思います。何でもやっていかないとと言う根性が、保育園時代に身についたんじゃないかと」

5歳の誕生日_n

(写真:5歳の誕生日)

じゃぁ、小学校では?

「体育の授業では、縄跳びに、跳び箱からマットまで、全部やらされましたよ」

えぇ~、どうやってやりますねん?

「縄跳びは、車いすで縄を踏んで、それから車いすを漕ぐ。飛ぶわけじゃないけど、縄は乗り越えるみたいな。跳び箱は上に乗って、そして、それを乗り越えて、下に降りるとか。そう言えば、鉄棒もやらされたなぁ。」

鉄棒も!って、なんか「おいでやす小田」みたいに叫んでもた。

「もちろん、補助ありですよ。でも、ちょっと抱えられたら、棒の上で身体は支えられる。腕は使えるし、そのままくるっと回って、落ちるみたいな。まぁ、それでも前回りですよね。なんせ、小学校でも、全部やらす!と言うスタンスやったんで。あとドッジボールとかもやりました。」

あかん!もう想像の域を超えている!ドッチボールって、どうやって?

「私用のルールがあってね。私は当たりやすいでしょ。だから、ドッチボールは車いすの車輪の横を当てたらアウト。それ以外は、全部セーフみたいな。でも、顔や身体にもガンガンに当てられましたよ。(笑)」

じゃぁ、じゃぁ、その時は、どんな気持ちだったの?

「最初は、みんなと同じようにと一生懸命頑張ってましたけど、高学年なると・・・」

高学年になると?

「私、もう、見学でよくない?と思ってました」

いやぁ~、確かに!!(大笑)

小学生?_n

では、ここから、今日のテーマ、“〇〇話”を聞いてもいいですか?に入るんですが、その〇〇に入る文字は「初恋」!MIHOさんの初恋ってどんな感じだったんですか?そもそも、初恋はありました?

「普通に、なんか普通の子と同じように、保育園のときから、あの子いいなぁ~みたいな。小学校に入ったら、友達とバレンタインどうする?と相談して、結局、渡す相手は同じやったみたいな“あるある”も経験してますよ」

まぁまぁ、小学生はまだまだ可愛いもんですが、さて、中学生ともなると、いわゆる“恋愛”にランクアップするじゃないですか?その中学時代は、どうだったんですか?って、何だか芸能リポーターみたい、ボク。(汗)

「恋愛とかは、多分、結構早い方だったかな。恋愛には普通に興味ありましたね。一時は男の子とばっかり遊んでましたし。」

何して遊ぶんですか?

「そうですね。マクド行ったり、ボーリング行ったり」

えぇ~、ボーリングも!また、「おいでやす小田」になってもた。

「一時、流行ったんですよ、仲間内で」

で、出来るんですか?

「もちろん、車いすを漕いで、投げに行くんです。腕前は、まぁ、全然覚えてないけど」

ひゃ~お見それしました。いや、ホンマに「構えて見てた」ことを反省します。MIHOさんも強調します「いたって普通」と。
じゃぁ、じゃぁ、もう少し大人になって、大人の恋愛話をしていただこう・・・かと思ったんですが、あぁ、もう、ここで紙面が無くなっちゃった。次回、大人の恋愛話を聞き出されるのか?乞うご期待!(つづく)

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