見出し画像

妄想レイディオ #26

~発達障害児とサッカー~

午前0時を回り、今夜も始まりました「夜な夜な倶楽部・妄想レイディオ」
こんばんは、DJのKUNIです。
毎回、ボクの独断と偏見で気になるニュースを取り上げ、そのニュースの 内容をキッカケに、知的で、お馬鹿な、お気軽トークを繰り広げます。
番組の命綱は、この一台の電話だけ。(SE:リリ~ンと、電話が鳴る音)
リスナーの方とこの電話を繋いで、KUNIとのお喋りと、素敵な音楽で、朝までお付き合い下さいませ。
さて、先日「FC・LIG」と言うサッカークラブの練習を見に行ってきたんですが、これがなかなか面白かったんですよ。
写真をアップしたんで、そちらもご覧いただきたいんですが・・・

画像1

そうそう、練習しているのは子どもたち。下は未就学児から、上は小学校の3~4年生ぐらいかな。ビシッと練習に臨んでいる姿は、何とも凜々しい!
この日は8人が練習に参加していたんですが、登録メンバーは50人と言うなかなかの大所帯。それも、実は、全員、発達障害のある子どもたちなんです。この日は、コミュニケーションが苦手な自閉スペクトラム症の子もいましたが、多動の子の方が多かったかな。その子たちが“ビシッ!”としている。これって、凄いことなんですが、早速、その凄さについて、ゲストの方にお話しを伺いましょう!今回2度目の登場となりますが、大阪・平野区で児童発達支援・放課後等デイサービスを行っている株式会社LIGの代表取締役、福井宏昌さんです。こんばんは!

画像2

「こんばんは!」

福井さんは、この発達障害児向けのサッカークラブを1年半前に開設されたそうですが、いや、本当に、子どもたちは、ビシッ!ビシッ!!としてましたね。

「僕も実は現場を視察するのは、久しぶりだったんですが、以前と全然違う。子どもたちの成長を実感しました!」

この教室を始めた頃は、子どもたちって、どんな感じだったんですか?
ハッタツの特性として、もうあっち行ったり、こっち行ったりと、正直ハチャメチャだったんじゃないですか?

「一年半前の子どもたちは、まぁ、酷かったですね!(笑)サッカークラブでありながら、まず練習に、そもそもならない日が多くありましたね」

練習せずに、何をしてるんですか?

「体育館で、やっていると、窓や扉を開けて出ていってしまうんですよ。ハッタツの子どもたちは、気になるんですよね、刺激の多い外が。だから、皆、外へ出て行く。しかし、コーチたちは無理やり連れ戻すみたいなことはしませんが、外はやっぱり危ないので、コーチたちもついて行く。となると、体育館内で、練習している子の方が少ない、と言ったケースはよくありましたね(笑)」

それが、今は、語弊がある言い方かも知れませんが、“ちゃんと”練習になってますもんね。そこには、今、お話しに出て来たコーチの役割が大きいと思います。皆さん若くて溌剌としておられましたが、子ども8人に対して4人。この手厚さが、鍵ですかね?

「そこは学校と差があるところですよね。学校では先生一人、あるいは、副担任の先生がいたとしても30人~40人を二人で見る。すると、どうしても無理な部分が出てくると思うんですよ。先生も大変やと思うんですけど、やっぱり、みんなと同じことをやる、やれると言うのも一つの評価基準にもなっているでしょうから、“はみ出てしまう”子たちには、先生が頭ごなしに叱ってしまうと言うケースもあるでしょうね」

頭ごなしに叱られると、子どもたちって、どうなっちゃうの?

「頭ごなしに叱られると『自分なんか、分ってもらわれへんねん!』とか、『もうええねん、俺なんか!』みたいなことになって、新しいことにチャレンジしようとしなくなってしまう。『どうせ俺なんか、出来へんから、もうええねん!』みたいなことになっている子どもたちも、やっぱり多くなったりすると思われます。それは、今までの、そういう失敗経験から、ある種の“防衛反応”だと思いますね」

その防衛反応が、“やさぐれる”や“ふてくされる”ってことね。それは、イメージ出来るなぁ。じゃぁ、このクラブのコーチたちには、福井社長は、どう指導してるんですか?

「コーチたちが入社した際には、障害の特性の理解や支援方法など、もちろん全般的な基礎的なことは伝えるんですけど、でもやっぱり一番大事なことっていうのは、子どもたちが何で今悩んでるのか?とか、何でそういう行動をしてるのか?と言うことを理解するよう努める、寄り添ってあげられるように努めると言う“人間力”と言うか、マインドの部分が、一番大事だと教えますね」

人間力?例えば??

「それ、したらあかんやろ!ってことでも、どういう気持ちでやったのか?とか、何でそうやったのか?っていうのを聞いてあげる。いきなり頭ごなしに叱るんじゃなくて、まず、聞いてあげる。そうすると心を少し開いてくれて、じゃぁどうしたら良かったと思う?って、一緒に考えたりすることで、相手も考えてくれる。そこで、今度は、何かが出来るようになったらそれを認めてあげる。少しずつ“小さい成功”と言うか“出来た!”の積み重ねで、子どもたちの自己肯定感というのも高まっていくと思うんです。ですから、このクラブでは、出来なかったことを改善するってことよりは、その小さな“出来た!”ことを認めてあげたり、見つけてあげたりして、それを伸ばしていくっていうことを大事にして欲しいと、コーチには伝えているんです」

画像3

なるほどなぁ。確かにその効果は、子どもたちの動きや表情から汲み取れるよなぁ。まぁ、言うたら失礼やと思うけど、社長の言うことって「めちゃ当たり前」ですよね。そうしたら良いことは、分ってるけど、それが出来ない。でも、それをここでは、シッカリとやり続けているからこそ、成果が出てるんだろうね。しかし、しかしですよ、社長!!家ではどないしたらええんですか!?お母さん、お父さんも、発達障害のお子さん、その可能性のあるお子さんの行動に、日々、頭を悩ませていると思うんですが、良きアドバイスありませんか?

「ホンマに、他の子と比べて自分の子はどうとかこうとか、そんなことを考える必要はない!」

おぉ、ビシッと言い切りましたね!

「やっぱりね、隣の芝生がすごく青く見たりすることもあるかもしれないですけど・・・」

それは、ある、ある!!

「でもね、その子にとって、昨日出来てなかったことが、今日出来ている。それが、その子にとっての成長やと思うんです。他人と比べてじゃない!やっぱり、そこは凄く大事にしてあげてほしいと思います」

もう、隣の芝生は見ません!!うちの砂場だけ、見ておきます!!

「あとは・・・」

お、まだありますか?

「世の中の常識とか、“こうあるべき!”みたいなもので、その子をジャッジしてしまうんじゃなくて、その子、一人一人の持っているものを、どう活かしてあげられるか?っていう視点で見てあげてもらえると、また違うものが見えてくると思います。そうすることによって、保護者の方もストレスを感じることが減っていくんだと思います」

なるほど!それこそ、世間の常識なんか、フィールドの外に蹴り出してしまえ!って、ことですよね、サッカーだけに。

「KUNIさん!そうなんです!!そのサッカーと言うのが鍵なんです」

おっと、また、分らない話が出て来たよ!スポーツなら何でもいい、と言う訳じゃない。サッカーだからこそ、効果がある?と言うこと。

「僕がサッカーを選んだのは、僕自身がサッカーをやっていたからと言うのもありますが、スペシャルオリンピックスのユニファイドサッカーに感銘を受けたと言うことが大きいです」

ユニファイドサッカーって?

「知的障がいのある選手と障害のない選手が同じチームで競技を行うことで、サッカーやスポーツを通じてお互いの個性を理解しあう関係を築く取り組みのことなんです。さらに、あのバルサがFutbolNetっていうのを日本でもっと普及させようとしていて・・・」

あのバルサって、スペインのサッカーチームの強豪・バルサ?

「そう、そのバルサが、障害のあるなしに関係なくルールをアレンジして、誰もがサッカーを楽しむことができるって言うメソッドを提唱しているんですが、それがすごく、ボクの中でも面白かったということが、このサッカークラブを開いたキッカケです」

ルールをアレンジって、まさかサッカーなのに、手を使ってもいい・・・なんてのもあり?

「そうそう。FutbolNetでは、手も全然使ったらいいと言うメニューも作っていいんですよ」

それは面白い!

「他にも、サッカーにはウォーキングサッカーと言うのもあって、絶対走っちゃダメとか、そういう自由度が高い感じで。ここでも、みんなでチームで円になってボールを運ぶって言うゲームもします。その場合、強く蹴ったらボールがどっかに行っちゃうし、そもそも強く蹴れない子もいる。そこで、相手を思いやる、相手が取りやすいボールを出すと言ったようなことが自然と身に付いたりすることが出来るんですよ。サッカーで遊んいでるだけなんですけど、実は、力の加減もそうですが、相手を思いやる気持ちだとか、色んなこと身につけることがきる。さらに、みんなで協力したりして、みんなで充実感を味わうことも出来るんですよ」

画像4

なるほど。でも、純粋にサッカー上手いなぁ~と言うお子さんもおられましたよ。ドリブルも巧みだったし。ここから、一流選手が出てきたら凄いよね。勝負にこだわる、一点にこだわるって、まぁ、ハッタツの特性に因るケースもあって、過度なこだわりは、子どもたちのサッカーでは、まぁまぁ、そこまではええやんか、と言う場合もあるけれど、プロにでもなれば長所になりうる。どうですか?将来、ここから、そんな選手を輩出したいとか?

「もちろんプロを目指したいとか、日本代表になりたいといった夢を持つ子には、その可能性を最大限高められるように指導していきたいですよね。でもね、親から夢を強制されるとか、自分でチャンレンジする前から“無理”と諦めるといったことのないように、本人が願うことを尊重していきたいと思っています。そう、まずは、自分の事を大事にして欲しい。そして、さらに、友達のことも大事にしてほしいと言うか、お互いを思いやれるような関係を築けるようなチームに、なってほしいと思いますね」

はい!そうですね。ここからプロ選手が出てきたら、それこそ、このクラブが注目されて、参加希望者が後を断たず、ガッポガッポ儲かるのでは・・・と言う大人の嫌な妄想をしてしまいました。反省!(汗)
お互いを思いやることが出来るチームの誕生、期待でしています。
福井社長、ますます良きチームを作って、ますます元気で明るい子どもたちを育てて下さい!

「はい!今後は、こうしたチームによる全国大会などを開催したいと思っています」

おぉ!それも面白そう!。その際は必ず応援に行きますね。

「はい!頑張ります」

画像5

今日のゲストは、発達障害児を対象にしたサッカークラブを運営されておれます株式会社LIGの代表取締役、福井宏昌さんでした。
ありがとうございました。
では、最後に、今日は、やはりこの曲でしめくくりましょう。
ウカスカジー『勝利の笑みを 君と』♪です。
走っちゃダメ!のサッカーぐらいなら、ボクでも出来るかなぁ~。
まずはサッカーシューズを買うところから始めたいと思います。
では、皆さん、おやすみなさい。
また、良き明日、良き朝をお迎え下さい!(了)

※ 参考: https://lig-inc.jp/fclig/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?