妄想レイディオ #14

大丈夫?ハッタツの子どもたち

午前0時を回り、今夜も始まりました「夜な夜な倶楽部・妄想レイディオ」
今晩は、DJのKUNIです。
毎回、ボクの独断と偏見で気になるニュースを取り上げ、そのニュースの内容をキッカケに、知的で、お馬鹿な、お気軽トークを繰り広げます。
番組の命綱は、この一台の電話だけ。
(SE:リリ~ンと、電話が鳴る音)
リスナーの方とこの電話を繋いで、KUNIとのお喋りと、素敵な音楽で、朝までおつきい下さいませ。
さて、先日、この番組に「発達障害のある大人たち」にゲスト出演していただいたんですが、皆さん、お聞きいただきましたか?ボクは、面白かったなぁ。緊急企画として、このコロナ禍で、皆さん、大丈夫ですか?とお話しを伺ったんですが、皆さん口を揃えて、「比較的心地よい」とおっしゃった。意外!それは、何故か?皆さん、“引きこもり”には慣れておられて、このStay Homeには、あまりストレスを感じないどころか、快適だと言う訳ですよ。いやはや、なるほどなぁ~と感心し、また安心もした訳ですが、「大人はオッケー!じゃぁ、子どもたちは?」と言うことが気になって、今日は、この方と電話をお繋ぎしました。
福井さん!こんばんは。
「はい!こんばんは。今日はよろしくお願いいたします」

スペシャルオリンピックス

って、リスナーの皆さんにしてみれば、福井さんって、誰?と言うことですよね。福井宏昌さん、株式会社LIGの代表取締役ですが、今度はLIGって?となりますわな。ここからは福井さん、ご自身でご説明をお願いいたします。
「はい!大阪・平野区で児童発達支援・放課後等デイサービスを行っている会社です。特徴としては、子どもたちの短所に注目するのではなく、長所を見出して、その長所を、楽しい運動療育を通して伸ばすと言う点ですかね」
運動ね。その運動が、このコロナ禍で、どうなっているのかが、大変気になっているところですが、それは後ほどじっくりお聞きするとして、現在、何人ぐらいのお子さんの支援を?
「およそ100人ですかね。上は中学2年生のお子さんもおられますが、半数が未就学のお子さんですね」
そのお子さんのほとんどが、発達障害の診断を受けておられる、とのことですよね。と言う福井社長も、ボクは以前からお付き合いさせていただいてますが、そこそこハッタツの特性ありますよね。
「アハハハハ!否定しません。多動で、注意散漫系かと」
でもね、ボク、少なからず経営者の方を存じ上げていますが、皆さん、多動傾向ありますよね。と言うか、必要な資質だとも思いますね。しかし、ハッタツの特性のあるお子さんを抱える保護者の皆さんにとっては「末は社長か!?」と期待するよりも、不安の方が大きいかと思います。社長のところにも、こんな事態になる前から、色々な“困った”の情報が入ってきていたでしょ?
「そうですね。例えば、幼稚園の運動会で、発達障害の傾向の子どもたちだけ固められて、先に競技を済ましちゃう、みたいなことはよくありますね。もちろん園によりますが」
えぇ、えっ?そんなん、運動会ちゃいますやん!なんか「邪魔者扱い」ですやん?って、急に大阪弁になってしもたけど。
「まぁ、彼らは、勝手に動いちゃうから。集団で同じ行動をとるのが難しくて、自分の興味をある方に行っちゃうので、ね。また、順番が待てなくて、前の子を押しちゃって、怪我をさせちゃうとか。だから“分ける”ことは、配慮だと言うんですね。でも、お父さん、お母さんにしてみれば、正直、複雑な気持ちだと思いますよね」
いやいや、複雑どころか、失望でしょ。以前、発達障害のある大人の皆さんにゲスト出演していただいたように、ボクにも、そうした傾向のある仲間が多いし、そうしたお子さんに触れ合う機会も多いんですが、そうしたお子さんが、大きな声を出して駆け回る時って、あれは、楽しいからでしょ。
「と思います。彼らは正直だから」
“彼らは正直だから”、いいなぁ、その表現。でも、実際、喜んでいる訳でしょ、それを止めさせる話は、ないですよね。
「と思います。園の都合で制限をかけるのはいかがなものでしょうね。もちろん、集団でその規律に合わせた行動が出来るようにしていく必要はありますが、まずは、やらしてあげる環境を作ることが必要だと思います」
そこで、社長のところでは、「運動遊び」と言う手法を使って、皆一緒に“やらしてあげる”と言う環境を作っておられると言う訳ですね。
「楽しんで身体を動かしながら、運動能力の改善、不器用さの改善を図っています」
そうなんですよね。最近では「発達性協調運動障害」みたいな言葉も聞くようになって、まぁ、詳しくは知らんけど、とにもかくにも極度の不器用さと言うのも注目されていますよね。
「複数の動作を一緒に、同時にやるのが苦手なんですよね。また、視覚優位の特性を持つお子さんも多いので、目で見る動作は出来るけれど、見えない動作はイメージ出来ず、どうしても不器用な動作になっちゃうんです」
では、そんな子たちには、どう指導するんですか?
「動きを分解するんですよ」
分解?
「例えば、縄跳びが苦手な子には、縄を回すことと、ジャンプすることとに、分ける、みたいにね」
なるほど。で、そうした指導と言うか、遊び?をし続けているうちに、子どもたちは変わっていくんですか?
「小さい子たちは、成長が、結構見て取れますよ。もともと会話のキャッチボールが出来ず、一方的になりがちだった子どもたちも、運動や遊びの中から、相手の気持ちを慮る方法を学んでいき、人と関わる際にはどんな風に声をかければいいのか、運動だけでなく、ソーシャルスキル的なものを身に付けてもらえていると思います。保護者の皆さんからも『変わった』であるとか『ありがとうございました』などの声は頂戴しています。発達障害って、全く治らない訳じゃなく、根気強く関わると変化があるんですよ」

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ポイントは、その関わり方ですよね?
「そう!頭ごなしに『アカン!』じゃなくて、何故そうしたのか?など、その時の気持ちを聞いてあげることが大事。そして、あんな行動をとった裏には、そんな気持ちがあったのかと、それを受け止めてあげて理解してあげる。それが重要、と言うか、それだけでいい。彼らは思わぬ行動に出るときがありますが、それを止めさせようとか、変えさせよう、ではない。やりたいことを押さえると、そりゃ反発しますよ、癇癪を起こす。とりあえず、一つやらせるところから始めて欲しいですよね。但し、根気強く、根気強く、ね」
そうなんですよね。それは、どんな子育てにおいても、あるいは、職場の部下指導でも一緒。魔法の指導法、なんてもの、存在しないんですよね、残念ながら。
「もう、相手を理解することに尽きますよね。何故、そんな行動をとったのか、どんな気持ちだったのか、それを察してあげて、まずは、ちょっとやらせてあげる、そして受け止めてあげることがやっぱり一番ですよね」
しかし、それは福井さんもおっしゃった通り、根気のいる作業ですよね。継続し続けることが大事、って、この言葉、おかしい?屋上屋を架している?まぁ、いいや。続け続けないとダメ!!
でも、今のコロナ禍で、それもままならないんじゃないですか?
「そうですね。外出自粛の要請が出されている現在は、行かせたくても行かせられないと言うのが実情のようです」
ですよね。子どもたちに影響が出ていないか、心配なところなんですが、保護者の皆さんからはどんな声が今、届いていますか?
「運動が出来ないので、子どもがイライラしている、と」
いや、そのイライラって、ボクらの想像しているイライラではないでしょ?
「まぁ、エネルギーを持て余していたり、感情のコントロールが難しい子もいるので・・・」
それが、暴力に発展しないか、とても心配するんですが・・・
「中には、力の強弱をつけるのが難しいお子さんもおられるので・・・」
でしょ、やっぱり、そうなんだ。それが心配なんですよ。そこで、今日のテーマは、じゃぁ、今、自宅で何が出来るか?それを福井さんにお聞きしたいんですよ。そんな発達障害、発達凸凹のあるお子さんを抱えるご家庭では、今、どうしたらいいのか?良きアドバイスをお願いします。
「軽い散歩でもいいので、少しでも気張らしの機会を設けることをお薦めします。うちでは、3歳の子どもをバランスボールの上に立たせて、ジャンプさせています。手さえ握っていれば大丈夫なので。それだけで、随分発散出来ますよ。でも、まぁ、子どもであれば、特性のあるなしに関わらず、腹のたつことを、しでかしますよ。それは致し方ないと言うか、子どもであれば当たり前のこと。それを無理くり押さえつけるんじゃなく、受け止めると言うか受け流しましょうよ。でも、腹が立つのも当たり前なんですよね。それも自然、あって当然。それで良いじゃ無いですか。そう思えば、自分も楽になりますよ。ただ、怒っちゃうのは逆効果。何故、この子はこうしたことをするのか、それを考えて、そして自分が、何が出来るかを考えた方が、双方にとって得ですよね。こんな時だからこそ、楽しみましょうよ。またこの子、オモロイことやってるわ、と」
なるほどね。確かにオモロイことは、やってますよね、子どもたちと言うのは。特にそこにハッタツの特性があれば、さらにそうですよね。
「KUNIさん!今後は、そうしたサポートを、webを使って、遠隔で、子どもたちと何か出来ないかなぁ、と思っています」
それもありですよね。でも、webで運動を一緒に、と言うのはなかなか難しいかもね。
「スタッフが、こちらから指導して、それをwebでご覧戴いて、ご自宅で、お父さんやお母さんと一緒にやってもらえないかなぁ、と」
でも、ですよ。足を引っ張るようなことを申し上げて、誠に申し訳ないけれど、ハッタツの特性のある子どもたちって、パソコンの前に、ちゃんと座り続けることって、出来るかなぁ。
「まぁ、スマホを保護者の方に持っていただいて、お子さんを追いかけながらweb講義を見てもらう、とかね」
あはははは。保護者の皆さんも、それだけで運動になりそうですね。
「そうです。子どもたちと一緒に身体を動かすことが大事。それだけでストレス発散になれば、と思いますし、保護者の皆さんだけに、お話しをするだけでもいいかな、と」
お子さん、抜きでもいいと?
「そうです。保護者の方々のお話を聞くだけでも、お喋りをして、『そうそう、そう言うことある、ある』と共感し合えるだけでもいいんじゃないかと思っています」
なるほどね。ここでも、聞いてあげて、理解してあげて、共感する、それが大事だと言うことですね。
「そう思います」
では、最後に、リスナーの皆さんにアドバイスと言うか、福井さんの会社で、皆さんがこだわっている、と言うようなことがあればお教え下さい。
「やっぱり、ネガティブな言葉じゃなく、ポジティブな言葉を使おう、と言うことでしょうか?『そんなんしたら、アカン!』『そんなんしたら、〇〇が出来ひんようになるよ』じゃなくて『◇◇をしたら、〇〇が出来るようになるよ』と、ネガティブをポジティブに変えるように心がけています。それと、アドバイスがあるとしたら・・・」
アドバイスがあるとしたら?
「お父さん、お母さん、運動しましょう!子どもと一緒に、ね。と言うところでしょうか」
それ、いいですね。子どもの前にまず、お父さん、お母さんが、先にやっちゃう。そして、ストレスを少しでも解消しておく。それ、案外重要かも、ですよね。
今日は、ありがとうございました。よ~く分かりました。
では、最後に、福井社長のお好きな曲をかけて、今日のこの番組を終わろうと思いますが、おぉ、この曲なんですね。
「はい!ここぞ!と言う曲です」
なるほね!さぁ、この歌を聞きながら、限界を超えていきますか!
福井さん、今日は、どうもありがとうございました。
「ありがとうございました」
では、GReeeeN の夢♪お聞き下さい!
皆さん、おやすみなさい。また、良き明日、良き朝をお迎え下さい!(了)


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