車椅子ダンサー・MIHOの 「二度目のガンになりました。で、それが、なにか!?」
~ #10 どう声を掛ければ良いのやら? ~
「腰やら、足やらが、もう痛すぎて、痛すぎて・・・
一日、耐えて、耐えての毎日です」
最近、話を伺う度に、挨拶代わりに出てくるのが、こうしたコメント。
珍しくそんな泣き言を言うのが、この物語のヒロインで、元車椅子ダンスの日本チャンピオンMIHOさんです。ただ、ご安心下さい! って、「痛い!痛い!」言うてはるのに「ご安心下さい!」と言うのも何ですが(汗)、 二度目のガンによる痛みではありません。この痛みは「側弯症」から来ているのです。側弯症とは、背骨が、弯曲する病気です。その原因は、様々あるそうですが、MIHOさんの場合は、最初のガンが影響しているようです。
「手術でなったと言うか、何て言うんですか。私が最初になったのは神経に付いているがンなので、骨も弱らせていたって言うか、固定しても固定しても、どうしても曲がっていくみたいですね。」
MIHOさんは、生後6カ月の時に小児ガンの摘出手術を受けてはります。本人は全く記憶にはないそうですが・・・そりゃ、そうやろ。その後、抗がん剤治療の効果もあってガンは完治したものの下半身に障害が残こりました。
ひゃ~、この写真も可愛いなぁ。1歳から2歳にかけての頃かと。
しかし、ガンは、下半身だけではなく、背骨にまで「悪さ」をしていたとは。イラストで示すとこんな感じ・・・
でも、MIHOさんの場合は、こんなもんじゃないみたい。
「左側に曲がっています。曲がっているその角度ですか?えぇ~っと・・・覚えてないです。(相変わらずのMIHOさん 汗)でも、凄い角度で曲がっているって。中学三年生の時に一度、手術の話はありました。でも、その時には痛みは無かったし。私の背骨は上の方は真っ直ぐなんで、肺を圧迫するような二次障害も起きていないし、お医者さん曰く『こんなに背骨は曲がっているのに、まっすぐ座っている。逆に、この背骨をまっすぐにしたら、反対に斜めになるかも』となって、その時は手術をしなかったんですが、二十歳を越えてから、徐々に痛くなり、今は、もの凄く痛い」
その痛さを音にすると・・・
「ズバ~ン!!ですかね」
それ、スナイパーに撃たれてるやつやん!それは痛そう。実際に、夜、その痛みで何度も起きるそうです。
「夜中、目覚める回数が増えましたね、痛くて。身体を向ける方向が、左しかなくて。仰向けは、痛い、うつ伏せも痛い、さらに、右を向いても、痛いんですよ」
そこで、やっぱり手術をしようかと思い始めたMIHOさん。しかし、その手術の内容はと言うと・・・
「パズルのように背骨を一回外して、そして、並べ直して、真っ直ぐに、出来るだけ真っ直ぐにした状態で、ボルトで固めるんですって」
えぇ~、何それ!背骨は“レゴブロック”とちゃうで!!でも、その手術をしたからと言って痛みが全て取れるかは分からないらしい。さぁ、そこで、ここからが今日の本題。こうした状態、決してそれは良き状態じゃなく、悪い状態に人が陥った時に、さて、周囲の人たちは、どう声を掛けるのが良いのでしょうか?MIHOさんは、どう?何と声を掛けたらいい?
「何も、掛けないでいいです。」
いやいや、そんなツレナイこと言わんといて下さい。例えば「頑張って!」などはいかが?
「ホンマに痛いときに、『頑張れ!』と言ってこられたら、もう既に、頑張ってるわ!ってむかついてくるし。君たちは、こんなに痛くないやろ!みたいなことを思う時もありますし。ムチャクチャ痛い時に、笑ってる人を見たら、それだけで腹立ちますもんね。何がオモロイねん!となってきますし。でも、そんなことで、そんなことを思っている自分も嫌ですし・・・」
ですよね~。でも、だからと言って、何も声を掛けないと言うのもちょっと・・・
「はい。確かに寂しい感じもします。でも、私は、実は口下手な方なんで、私が声を掛ける側に立ったとすれば、『何も言えない!』と言う人の気持ちも、よく分かります。でも、また逆の立場に立てば、そんな深刻に捉えなくていいから、何か言葉かけてほしいとも思うし。でも、逆やったら、やっぱり、何も言わない、何も言えないし・・・正解は、ないんですよね」
確かに、今、病気と闘っている人への「声掛けの仕方」に正解はないんやろねぇ。でも、ボクらは「聞く」ことは出来る。MIHOさん、痛い時は「痛い!」と言うたらええんやと思いますよ。その声はちゃんと届くし、ボクらも失敗を恐れず何か返しますし。文章が難しかったら「変顔」の写真でも送るし・・・と言うたら、MIHOさんも「それもありかも」と微笑んでくれました。多分、この瞬間、インタビューをしている瞬間も痛いんやろなぁ~。身体のポジションを色々と変え、一番楽な姿勢を探しているみたい。
そして、MIHOさんはこう言いました。
「ガンになると、 SNSとかをやった方がいいっていう記事を見たことがあります。ガンやから、病気やからと言って、何もせ~へんかったら、周りから取り残される。一人になるじゃないですか。仕事もできひんようになったら、社会から取り残された気になるんですって。私の場合もそうやけど、パッと見、元気そうやし、周りの人には分からないじゃないですか、正直。そこで、SNSに、そう言うことを書いたりすることで、同じ当事者が集まってくるじゃないけど、仲間になってきてくれたり、自分だけじゃないんや!って思えたりするから、ガンになったら SNS を始めなさいと言葉を見たことがあります」
なるほど!確かに!!何だか難しい声掛けは置いといて、とりあえず、MIHOさんは、決して一人じゃないよ、って言う某かの“印し”を示せたらいいのかなぁ。とりあえず、このnoteの連載も10話を数えたけれど、これからも発信していこうと思うのでした。
そして、皆さん、MIHOさんの「仲間」になって下さい。
こんな ↓ 変顔写真も、待ってま~す!(笑) (まだまだ続く)
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