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【過去作復刻】平成No.1スラッガーは誰か


【注意】この記事は2019年3月23日にAmebaブログにて投稿した記事のデータに一部修正を加えたものです。
 文章はほぼ制作当時のままですので予めご了承下さい。

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 30年続いた「平成」も残り約1ヶ月。

 平成30年間のうち28年間を現役選手として日米で活躍した言わずと知れたレジェンド イチローが一線から退く事を表明。

 平成の終わりに間違いなく野球界のひとつの時代が終わることを感じた。

 昭和の野球界の象徴をON(王貞治&長嶋茂雄)とするならば、イチローは間違いなく平成の野球界の象徴であったと言える。
 昭和を知らない我々の世代からするとイチローは憧れであり、スーパースターだったのだ。

 日本の「野球」を「ベースボール」の国アメリカで通用させた第一人者でもあるイチロー。

 名実ともに平成No.1プレーヤーという名に最も相応しいだろう。


 さて、そんな中、今回私が目を付けたのは「スラッガー」

 試合前打撃練習では軽々スタンドまで飛ばすイチローは選手としてはどちらかと言うとスラッガータイプではなく、アベレージ型である為、一旦抜きにして平成No.1スラッガーという名に相応しい選手は誰なのか検証してみた。

(条件)
・平成期間中のNPB通算打数が4000以上である
・平成期間中のNPB通算本塁打が200本以上である

(※平成期間:1989年4月8日〜2019年4月30日)

 まずは上記の条件に当てはまる選手を見てみよう。

1,平成 主なスラッガー


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  200本塁打をクリアしているものの4000打数に届かなかった日本人選手1名と外国人選手4名を除くと37名いる。

  各部門ごとのトップは
【実働年数】【出場試合数】                 … 谷繁元信
【打数】【安打】【本塁打】【打点】 … 金本知憲
【打率】                                                     … 小笠原道大
【OPS】                                                      … 松井秀喜
【長打率】【IsoP】                                 … A.カブレラ


  今回はNo.1''スラッガー''の検証なので、
【本塁打】
【長打率】
【OPS】
【IsoP】
の4項目に重きを置いて見てみたい。


本塁打

 まずは本塁打
 トップ5は
金本知憲(476本塁打)
T.ローズ(464本塁打)
清原和博(434本塁打)
小久保裕紀(413本塁打)
中村紀洋(404本塁打)

  流石の時代を彩った錚々たるメンツだ
  400本塁打越えはこの5人に山崎武司を加えた6名のみ。

 ちなみに実働年あたりの本塁打数が30本を超えているのは
T.ローズ(36本塁打)
A.カブレラ(30本塁打)
松井秀喜(33本塁打)
T.ウッズ(40本塁打)※
W.バレンティン(32本塁打)※
R.ブライアント(32本塁打)※
R.ペタジーニ(33本塁打)※
※通算4000打数未満

 と7名おり、そのうち日本人選手は松井秀喜ただ一人。
 日本での実働年は10年と他選手と比べると短いが、毎年平均127試合、550打席ほど立ち、3割、30本塁打、90打点を継続したのは容易ではない。凄まじい成績だ。
 ※T.ウッズは6年平均40本塁打、103打点という化け物級の爆発力。


長打率

 続いて長打率
 トップ5は
A.カブレラ(.592)
松井秀喜(.582)
T.ローズ(.559)
小笠原道大(.540)
松中信彦(.534)

 と300本塁打オーバーの大物がズラリ。
やはり注目したいのは2位の松井秀喜。通算長打率.582は歴代で見ても王貞治、A.カブレラに次いで3位。
 そこに平成最強助っ人の名も上がるT.ローズ、生涯打率.310の侍 小笠原道大、平成唯一の三冠王 松中信彦と続く。
 ※ペタジーニは200本塁打以上の選手で唯一長打率.600越え。


OPS

 続いてOPS
トップ5は
松井秀喜(.996)
A.カブレラ(.990)
T.ローズ(.940)
小笠原道大(.932)
松中信彦(.925)

 OPSとは打者の出塁率と長打率を足したものを表すが、メンバーは長打率のトップ5と変わらない。しかし1位には松井秀喜がランクアップ。
 出塁率も通算.413と高値であるため合算値のOPSでカブレラを抜いた。
 一般的に.900越えでAランク評価とされるOPS。
 平成では上記の5名のみが.900越えをマーク。[4000打数未満の選手(W.バレンティン、R.ペタジーニ、T.ウッズ)を含めると8名]
 それを松井秀喜は実働10年のうち7度マーク、更にそのうち5度は1.000超えというのも驚愕だ。
 ちなみに通算5度のOPS1.000越えは平成では松井秀喜ただ1人のみだ。
 ※ペタジーニは200本塁打以上の選手で唯一通算OPS1.000越え。


IsoP

 最後にIsoP
 聞き馴染みのない方も多いと思うがこの指標は長打率から打率を差し引いたもので打者の長打力を表す指標である。
 この数値が高ければ高いほど長打力があると言っていいだろう。
 トップ5は
A.カブレラ(.289)
中村剛也(.277)
T.ローズ(.273)
大豊泰昭(.255)
清原和博(.246)

 1位はA.カブレラ。彼の長打力は平成で他の選手を圧倒していたことが分かる。

 また、興味深いのはこれまでの本塁打、長打率、OPSのランキングでは名の無かった選手が2人ランクインしている。
 1人は今も現役の中村剛也。IsoP.277は現役ではダントツの1位。通算6度の本塁打王は歴代3位。ホームランを打つ能力に関しては誰にも引けを取らない。飛ばないボールと言われた統一球が導入されていた2011年〜2012年の間、多くのスラッガーが苦しんだ中で、中村剛也は2年連続本塁打王に加えて両リーグ最多の75本塁打をマーク。この男にはボール等関係なかった。

 4位に入ったのは大豊泰昭。台湾国籍の台湾人だが、日本の大学を出ているため日本人選手登録だった選手。
 王貞治に憧れ来日した選手で、94年に本塁打と打点の二冠に輝き、同時期に松井秀喜らと鎬を削ったスラッガーである。長打力はあったが打率は高い選手ではなかった為、IsoPの数値は高くなったということか。
 ※ペタジーニは200本塁打以上の選手で唯一IsoP.300越え。

 以上のデータから、平成最強スラッガーとは誰か、何となく見えてきたのではないだろうか。
通算成績で本塁打や打点、安打といった数値は多く試合に出ている選手が高値をマークするのは当然だが、長打率、OPS、IsoPといった指標系はそういう事でもないので興味深く、こういった調査をする時は重宝する。

 個人的に上記のデータを踏まえても平成No.1スラッガーは松井秀喜で良いのではないかと思う。

 もちろん、データ上はA.カブレラやT.ローズ等の助っ人選手も凄まじい成績を収めており、日本人選手でも小笠原道大や松中信彦、金本知憲、清原和博等々、数々の偉業を成し遂げてきた選手は多い。その事には最大級の敬意を払いたいと思う。が、それらをも凌ぐインパクトを松井秀喜は残してきたと思う。NPBでのプレー期間は10年と短いが、その10年はとても濃く日本人の心に刻まれている。
 当然上記のように各部門でも圧巻の成績を残しているように、記録上も、記憶上も我々の中で平成No.1スラッガーは松井秀喜であると思う。

 そして国民的スラッガー松井秀喜は後にMLBの舞台でも輝きを放つことになる。

 常に更なる高みを目指す志はプロアスリートとして素晴らしい事だし大切な事だ。
 現在のNPBにも若きスラッガーは多くいる。
 そこから、また、今のアマチュア界から松井秀喜に並び、超えるような選手は現れるのだろうか。

 またいつか、和製大砲が世界の舞台でアーチを架ける日が来るのを心待ちにしたい。

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