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くちなし書房
2022年10月8日 17:18
ある冬の話。本当の話。私は、病みに病み、じわじわとこの身から精神が離れていくのを知覚しながら、なんでもない一日を、何日も何日も過ごしていた。きっかけは失恋だった。と言うか、失恋を理由にしているだけかもしれない。失恋よりも前に、もっと酷いことがあったのは事実だが、追い討ちを喰らった。私は、一人の人が離れていくだけで、こんなにもボロボロと醜態を晒すような奴であることは、自分でもわかっ