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雨ニモマケズ

我が家のトイレには、カレンダーが貼ってある。
それがいつの日からか、雨ニモマケズの版画に変わった。もうしばらく前のことだ。

私はなんでも壁に貼るのは好きじゃないが、義母は至る所にカレンダーを貼る。

なんで雨ニモマケズなんだ?

もともとアートが好きな義母だ。だから義母の部屋には収まらず、隙あればリビングや廊下にアートがはみ出してくる。趣味が合わなければ撤退していただくこともあるけど、半分は飲み込んで暮らしている。

母はいろんな持病を持っていて、最近は老いを強く感じる。何か思うところがあったのか、謙虚に生きようとしているのだろうか。

そんなこんなで、小学校の頃に教科書で学んだこの作品を毎日何度か目にするようになると、不思議と自分のあり方を振り返ったり、あるべき姿を考えるようになっていった。

デクノボウはどうしてここまでやれるのか。
理解はできても、真似することは到底できない。

きっとデクノボウは、デクノボウの信じる世界があって、その世界における当たり前がこれなんだなぁと。

自分を信じること

私の当たり前の世界はどんなだろう。

私は小さな企業を経営しているが、それなりに変化し続けているおかげだろうか、今もなお生き続けている。

小さな企業には物理的な限界やできない理由を並べるには事欠かなくて、真っ向勝負で同じやり方、同じスピードでやっても、大きなものにことごとく飲み込まれる。

だからポジショニングをずらしたり、自分たちだからこそできることをやり続ける。できない理由があるのなら、そこからできる方法を編み出すのが当たり前。

それでも新しいことに取り組むときは不安がよぎる。自分の指し示す旗は間違ったところにあるのではないか?こんなんじゃ太刀打ちできないのではないか?結局、いいとこは掻っ攫われちゃうんじゃないか。

そんなことで、クヨクヨすることもある。けど、そんなこと考えるのはもう辞めたいなって思った時に、思い浮かんだのが、雨ニモマケズなんだ。

自分が信じた世界で生きる。自分が信じる道筋で、焦らず、怯まず、媚びず、競わず、驕らず、挫けないこと。

いまはこの作品に、よく助けられている。
自分の信じる世界で、明日も進んでいこうと思える。

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