指導力を上げるには自分が上手くなるしかない、と言う話+α

人に指導する時に、自分以上の選手を自分だけの力で作り上げるのってやっぱり不可能なんだと思うんですよね。指導から得たことに+αで創意工夫をしてくる射手だったら勿論それ以上に伸びることはあるんだけど、明確に指導を遂行してくれる射手であればあるほど指導者に成長が左右される。直接的な表現をすれば、5割射手の指導のみでは9割射手は生まれないと言える。
つまり、ナメたヤツほど上手くなるっていうのはある程度真理ではある。

そしてこれこそが5割程度の的中で伸び悩んだまま現役時代を終える医学生射手がめちゃくちゃ多い理由だと思っている。
指導されたことを全部遂行する真面目さと、ある程度の期間遂行してみて的中が伸びなくてもそれをやり続けてしまう愚直さが、他の母集団と比べて異常に突出しているという印象。おそらく医者を目指すような人間の特性なんだろうと思うが。

ただ、言ってしまえばこの特性は弓道の上達においてはわりと邪魔ではある。中て方なんて一通りじゃないし、指導者の言うことがその射手に適した方法とは限らない。つまり創意工夫ができないと、一番上手くいったパターンでやっとその指導者のレベルに到達できるかどうか、というところになる。

勘違いされそうなので、一言断っておくと、これは「中らないヤツの指導なんて聞くな」ってことじゃないです。情報の取捨選択とオリジナリティの追求が上達には必要不可欠ということ。つまり人の言うこと聞くだけじゃなくて考えなきゃ上手くはならない。

そして指導者側に対しては「指導が上手くなりたいなら自分が上達するしかない」ということを伝えたい。自戒も含めて。


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