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微妙な音を感じてみたい。


【音】について書かれている本を読んでいます。

その中で印象深かった話です。


ケニアの国立公園にいたリーダーのゾウは全く目が見えなかったそうです。

けれど、四国と同じほどの大きさの公園の中を、30年間安全に仲間のゾウを誘導していました。


目が見えないゾウが仲間をどのように道案内していたのでしょう。

本にはかすかな振動を含む微妙な音を感じとり、聞き分けながら道案内していたのだろうと書かれていました。


人間では聞き分けることのできない音で交流することをテレパシーといいます。このテレパシーが特に優れているのがゾウだそうです。



コンピュータ、AI、スマホなど電子機器に取り囲まれている私たち、現代人の生活。

自分の五感を活用することも少なくなっています。

例えば、自分の味覚、嗅覚、視覚を信じず、賞味期限の数字だけに頼ったり。

例えば、感じたことが世間一般と違ったら、自分の感情を押し殺してしまったり。

例えば、好き、嫌い、したい、したくない、が分からなくなってしまったり。


そんな風に生きている現代人は、微妙な音を感じ取ることを過去に置き去りにしてきたのかもしれません。


自然と共存して暮らしていた、大昔の人たちにとって五感を使うことは生活していくうえで必要不可欠なことだったに違いないです。

そして、自分の感情、感覚を信じ、人と比べることなく、今の私たちよりも物質面では劣っていたかもしれませんが、心は幸せに暮らしていた気がします。


けれど自分の領土と他人の領土の区別ができた時から、奪いたいという感情が芽ばえはじめ、争いが起こったのでしょう。

その奪うという行動を繰り返してきた私達は、今、変革のときを迎えつつありそうです。


自然の秩序を壊したために発生したかもしれない伝染病。

社会的に高い位置とされている人々の悪行が次々と暴露されたり。

一人ひとりが情報を発信し、情報を選ぶ時代。

~でなければならない的な生き方から、さまざまな生き方が尊重される時代



鈍った五感をもっと鋭くしたい。

特に聞こえないほどの微妙な音を感じたら、新しい世界が広がりそうです。


そっと耳を澄ませば、この宇宙のいたるところにある音を感じられるかも。


そう思い耳を澄ませてみましたが、キャッチできませんでした。


大昔に置いてきたものは、そうそう、簡単に手に入りませんね。

修行を続けます。







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