安定した指の運び

いつもレッスンでのコメント、アドバイスは曲の一部を弾く時の音の響きやリズムのタイミングを、適切なところになることを前提にお伝えしています。

人間の動作で作曲家の作品を再現・演奏する際に不安要素になるのが骨格と筋肉の位置関係です。特に指先の動作がスムーズにできる時はどういう体の感覚なのか?を理解、体験してその状態を重ねていけると安定した演奏、リズムや音の長さなど楽譜通りに近い演奏が可能になります。

この感覚は楽譜に書いてある音楽をイメージするだけでできている人、ある程度楽譜の作曲家視点からの理解で裏付けして理解してできる人、音楽性だけで感覚的にできる人とひとつではない形があるように考えています。

どのタイプでも必要になるのが指や体の体重、重心のコントロールです。家では弾けている、できているつもりでも楽器を弾く環境や使う楽器の状態が変わるとできていない、弾きにくいのはその場の環境に応じて適応することも求められるからだと思います。

この冬場にいつも感じることはこのことです。春や夏場には筋肉が連動して補ってくれていることも、気温が1桁台に下がり、湿度も30%という日も珍しくないので骨格や筋肉をどのように使って楽器にエネルギーを伝える・入力していくかを一番必要な要素だけ確認できる良い時期とも言えます。

この時期に音楽系の大学や高校の入学試験があるのも勉強の一つなのかもしれません。少なくとも寒くて環境が万全ではない中でも選別されて入学を許可されるかどうか?この体験は必要な一歩になっていると思います。


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