Gof後編感想

前編の感想を書いてからどれぐらいの時が経ったのでしょう。個人的な感覚では「は?書いたの一ヶ月前ですけど?」ぐらいの気持ちなんですけど、履歴を辿ると2月でした。バレンタインじゃん……約半年も経ってるんですか?季節ってどうしてこうも足早なの?絶対瞬足履いてる。

瞬足履いてる履いてない問題はさておき。そんな半年の間にね、無事に手元に円盤も届きましたので、一ファンとしては感想をそろそろと書かねばと思い、行動に移しています。メッチャエライヤン。此処から後編の感想にいくのでネタバレ見たくないよって方は逃げてください。

①S2

いよいよ残すはシングルス戦のみ。氷帝側の残っているメンバーは跡部、芥川、日吉。対する立海は幸村、ジャッカル、切原(ワンチャンで仁王)。

『次世代の話』だから大体予想はついていたけれど、やっぱりS2は跡部と幸村の旧部長対決。氷帝コールが始まると、最早伝統芸能と言っても良い跡部のライブパフォーマンス(ライブ……?)が続く。当たり前に従順なオーディエンスが静まり返った瞬間。

「勝つのは俺だよ」

ねー!!幸村くん絶対言うと思ったよ!!

跡部も分かってたでしょ!?「あ、コイツ俺より先に言うな」って察してたでしょ?だって越前にも同じことされたじゃん!譲ったの?蓮二さんが「あの精市が……」って驚いてたけど私は分かってたよ!?

そうやって私がああだのこうだのと不条理のサビ的なことを言っている間に、試合は始まってるし初っ端から幸村くんは跡部の五感を奪っていました……は、早くない?もう?まだ5分ぐらいしか経っていないんですが……サービスで……?と戸惑っていたところ。なんと。先程の「勝つのは俺だよ」と宣言したところから五感剥奪(イップス)は始まっていたと。

なんだと……!?と思ったんですが、幸村くんは勝利宣言の時、❝あのジャージ❞を脱いでるんですよね。ジャージを肩に羽織ったまま相手に勝ててしまう幸村くんが、最初から脱いで挑んでいる時点で幸村くんの本気度が分かります。
そもそも、幸村くんの五感剥奪と言うのは、『幸村が何処に何を打ったとしても全て返球されてしまうから、相手はそれが恐ろしくなり戦意を削がれる』というもの。
で。跡部は、今回のエキシビションマッチで自分の対戦相手は幸村だろうなと読めていたと思うんですよ。加えて、全国大会や日本代表選抜、そして世界大会と、幸村くんの試合を見てきた跡部は、嫌でも幸村のプレイスタイルや強さを十二分に理解していている。とすれば、幸村くんの勝利宣言とパフォーマンスは催眠術のようで、無意識のうちに苦手意識のようなものが発動していたと考えてもおかしくない。何で気付かなかったんだろう……
跡部は大丈夫なのかしら?と、心配していたところ、跡部の口角が僅かに上がる。

「他のヤローが破れた技を破れない、俺様じゃねぇんだよ!」

かっこいー!!!これこそ跡部景吾!跡部景吾、此処にあり!!五感剥奪したから脱却したあとも何でもなかったかのように「1ゲームはくれてやる」と勝気に返す姿も格好良い。

そこから跡部の反撃があり、そして幸村くんの反撃もあり……見守る私は、「本当に貴方は幸村精市(本物)くんですか……?」と思い。
というのも、立海には他人になるのが上手な選手が居るもんですから、どうにも勘繰ってしまう。あとまあ汚い考え方をすると、超人気キャラの仁王くんが出ないわけなくない!?とかね……大人って嫌だね。15歳ですけどね、私は。

そんな私の疑いを振り払ったのは、幸村君のとある技。新テニでの手塚VS幸村戦で出したそれは、かなり記憶に新しいもので、これは幸村精市に違いないなと確信した。それと同時に、こんなに新しいところまでストーリーに取り入れてるのが凄い。跡部もそれに対抗するように新テニで出した技、そして新しい技で対抗する。
超攻撃型のプレイスタイルの跡部と、来る球を全て返せる天才、幸村。実力で考えれば跡部は幸村くんに劣る。突破口はどこなんだろう?と思っていたけれど、そうじゃん!と気付かされた。

跡部は不屈の精神の持ち主。幸村くんがどんなに圧倒的な技術力を見せたとしても、跡部は絶対に諦めない。ボールを拾いに行くし攻撃を挑みに行く。幸村くんを相手にして此処まで己を信じて挑めるのは跡部の精神力の強さゆえ。たとえこの試合に負けたとしても、跡部はこの悔しさを胸に次のステージへ向かう。

跡部はテニスの神様に愛された天才じゃないけれど、テニスの神様だって振り向かせることが出来る努力の天才。そういう泥臭さは跡部の魅力で、格好良いんだよなあって思わせてくれる。やっぱり跡部景吾って唯一無二の存在だ。

②S1

日吉 若VS切原 赤也の新エース対決。

切原は新テニで日本代表に選ばれてるし、試合描写も多い。日吉とは真逆と言ってもいいぐらい。このGoFで、まだアニメになっていないところの技がたくさん出てきたのならば、きっと切原だって例外ではない。とすると日吉はどうするんだろう?大丈夫?とハラハラしていたら、今日のために日吉も技を隠し持っていたじゃあありませんか。

何、そんなのあんの?って思わず丸井先輩みたいな口調になっちゃったよ……。そして何より、本誌で今見たってレベルのタイムリー過ぎる技を切原が出したところにも驚きが隠せないよ!先生!!アニメが原作に追い付いたらオリジナル編やるのが大人の事情ではないの!?一回ゆかいなテニプリ一家挟む!?先生が監修してるから出来ることなんだけど、切原に関しては本当にギリギリ単行本になった……?ぐらいの話だから吃驚した……。最速先行より最速。最早前前前世レベル。

これ絶対ドイツ戦(種ヶ島・切原VSビスマルク・ジークフリート)読んでから見たほうが楽しいやつだ。と思ったので、私はこれをもう一度読んでから観ることに決めた。

結果としては、やはり氷帝の負け。悔しい気持ちは変わらないけど、私が大好きな氷帝学園中等部テニス部の物語は続いていくことが嬉しい。日吉部長率いる氷帝学園が全国優勝を果たしてくれたら良いなと思う。

全編通して感じたのは、これだけ観ても十分面白いけれど、本編を読んでいれば更に面白いということ。対戦カードを見た時に、何故この組み合わせなのかということから始まり、試合を見ていくうちに「このキャラならこの技に対抗できるからだ」とか色々と紐解くことが出来たり、納得出来るのは原作やキャラに対する知識がなければ出来ない。

テニスを長年追い掛けていて度々思うのですが、先生のエンターテイメントは、原作、アニメ、ミュージカル、ゲームと多岐に渡っていて、どれから始めても良いし、一つだけ履修でも十分楽しいのです。だけど、全部を知っているともっともっと楽しい。改めてそれを今回の作品で実感しました。

そして、これはアニメじゃなくて先生の原作なんだなということも。いつか先生の描き下ろしで読める日が来たら嬉しい。改めて原作をもっと読もう!読み込もう!と思いました。氷帝学園中等部テニス部マネージャー、精進いたします。


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