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曲を弾く

もう12月の下旬になっていた。
初めて曲に取り掛かる。それはよく聴いていた日本のグループの曲だった。好きな歌だ。嬉しい。やっと私のギターを歌わせることができる。もともと曲を弾きたくて買ったギターである。

譜面を開き、さて、弾こう。だが、取り掛かりから、引っかかる。
よくは聴いてはいたが、ギターの音色はどうだったのか。当然のことながら、ギターの音だけに特化して聴いてはいなかった。譜面を見ながら、弾き始めるも、ここが、今弾いたコードが、歌のどの部分かも、私には見えていないのだった。曲が弾ける、しかもコードも練習してきたし、直ぐ弾けると思っていたので、少しショックだった。
仕切り直し、まずは、曲の聴き直しから始める。動画で何度も聴く。同じ曲の弾き方動画も何度も見る。ギターだけって、こうだったのか。
改めて譜面とも比べながら、弾いてみる事にした。最初は前奏だけ、次に歌い出しからAメロまで。次はBメロまで。少しづつ、そしてゆっくりと。全て速度は0・75速で。
知っていると思っていた曲も、サビは覚えていても、意外に全曲はわからないものだ。こうだったのかと弾きながら思う。
全曲を把握するまで2日もかかった。どえらい、遅い。私だけだと思うけど。
そして一曲通すのも、結構大変。やはりコード変更ももたついてしまう。特に習得に時間のかかったFコードは、ほぼもたついた。ある程度弾けるようになったので、次のレッスンの予約を入れた。相変わらずの0・75倍速のまま。

次のレッスン時、ストロークの乱れを指摘される。苦手なFコードの時だけ、ストロークが特に違っているそうだ。わかる。
弾きながら、鏡はないが、仕切りのアクリル板に反射する自分の右手を観察してみた。まさしく、おっしゃる通りであった。他のコードからFコードに移る時、どうしても遅れてしまう分、それを取り戻そうと、右手の動きが乱れているのだ。
それは自分では気づかなかった。それから、ストローク時の腕の振り方、リラックスした振り方つまり、力の抜き方を教えていただいた。
次からは自分の右手の振りを注視しながら弾いてみることに、なるほど、右手の振りをみながら、弾いていくと、これまで音が出にくかったFコードが曲の中で響き出した。多少まだ、デロデロした音だけれど。それに、ゆったりと右手をストロークして、それを眺めながらの演奏の気持ちのいいいこと。
気づくと、左手はあまり見ることなしに弦を押さえていた。ただ、Fコード前後はガン見。ううむ。

自宅での練習時。右手ストロークがだいぶ慣れてきて、曲を練習するのは、ここちのいいリラックス時間となった。何度も同じ歌だが繰り返し弾いてみる。少し。すこーしだけ前よりマシになっただろうか。よし、今度こそ。と意気込んで次のレッスンの予約を入れた。

聴いてもらい、特にFコード変更時のもたつきを相談すると、ある練習方法を教えていただいた。効果はテキメンだった。

ただ、回数練習の足りなさを感じながらも、左手を見ないでも弾けるようになっていた。速度を0.75倍速から標準速に戻す。早い。手が追いつかない。
そこで再び、0.75から8・0。8.0から9.0と少しづつ速度を上げていく方針に。そして、標準速度に。今度は無理なく速度に慣れることができた。
ただ、Fコードは安定しない。ようし、「Fコードの時だけ、チラ左手見OK」と、自分ルールで許す事にした。

今度こそ。次の課題曲に。そんなことを思っているうちに、猛暑だったり、体調を崩したり、あまりに長い時間が過ぎ、飽きたのだろうか。もっと他の曲も弾いてみたくなり、動画などから探して、好きな歌のタブ譜を書き写したり。練習してみたり。
夏も終わる頃だった。







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