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ライブにおすすめのギターアンプ(持ち込み用)

ライブパフォーマンスにおいて、ギターアンプはギタリストのサウンドを形作る重要な要素です。

ライブハウスにはMarshallの「JCM2000」やRolandの「JC-120」(ジャズコーラス)などの定番のギターアンプが置いてあることが多いですが、見た目的には同じ機種であっても個体差があったり、キャビネットの中のスピーカーによって音が異なることも多いです。

また小規模なライブハウスによってはアンプのメンテナンスがきちんとなされておらず「自分の出したい音」が出すのが難しいというケースもあったりします。

そのためスタジオで練習していた時と同じようなサウンドが作れずにリハーサルで右往左往したり、満足のいくサウンドが作れずに本番を迎えてしまったという経験があるギタリストも少なくないと思います。

そんな時の解決策の1つが「マイアンプ」を用意して、スタジオ練習でもライブでも同じギターアンプを使うという方法です。

「エレキギターはアンプとセットで1つの楽器」と言われることもあるように、ギターのピックアップやエフェクターの沼にはまるよりも「マイアンプ」を買って音作りを詰めていったほうが満足のいく結果を得られることも多いと思います。

また、公共施設や結婚式場でライブをする際に、会場にギターアンプが用意されていないという場合もあるので、そういった時のためにマイアンプを一台持っておくと安心感があると思います。

そこでライブでも使える持ち込み用の「ギターアンプ」を選ぶ際の注意点と、おすすめギターアンプをいくつか紹介したいと思います。


◆持ち込み用の「ギターアンプ」を選ぶ際のポイント


◇「真空管アンプ」「トランジスタアンプ」「モデリングアンプ」

ギターアンプには

① 真空管を使用して音を増幅する「チューブアンプ」(真空管アンプ)

② トランジスタを使用して音を増幅する「ソリッドステートアンプ」(トランジスタアンプ)

③ アンプの音をデジタルプロセッサーで再現する「モデリングアンプ」(デジタルアンプ)

があります。

スタジオやライブハウスに置いてあるマーシャルは基本的に「チューブアンプ」(真空管アンプ)です。

(小規模なスタジオや学校の部室などにはソリッドステートのマーシャルが置いてあることもたまにあります)

真空管アンプはメーカーや機種によってサウンドが異なるので独自のサウンドを追求するためにマーシャル以外の自分の好きなアンプを持ち込むギタリストも多いです。


「ソリッドステートアンプ」(トランジスタアンプ)
はRolandのジャズコーラスが有名です。

ジャズコーラスは年式にによってサウンドが異なりますが真空管アンプよりも個体差が少ないため、トランジスタアンプを敢えて持ち込むという場面は多くないと思います。

しかし、居酒屋やバーのようなライブ会場や、市町村が運営しているような会場にはジャズコーラスが置いていないケースもあり、クリーントーンを重視するギタリストの中には小型の「マイジャズコーラス」を持ち込む人もいます。


そして最近では

・真空管とトランジスタを組み合わせたアンプ

・アンプの音をデジタルプロセッサーで再現するモデリングアンプ(デジタルアンプ)

なども増えてきています。

「モデリングアンプ」

・真空管アンプに比べると重さを軽くできる

・真空管アンプと比べると価格が安いものが多い

・1つのアンプで様々なアンプの音色を再現できる

・エフェクター機能が内蔵されているものもある

・自宅でも鳴らせる程度の音量に下げられる機能が付いている機種もある

など様々なメリットがあります。

様々な考え方や意見があるところですが、個人的には最近のモデリングアンプは従来の真空管アンプに肉薄するサウンドを出せるものも増えてきており、それどころか音の分離感や周波数レンジに関しては真空管アンプを超えるモデリングアンプも増えてきたと感じることも多いです。

個人的にはモデリングアンプ(アンプシミュレーター)の課題はキャビネットのシュミレーターにあると思っていますが、スタジオやライブハウスでモデリングアンプを使う場合にはキャビネット部分は実機を使うことができるため、ヘッド部分とキャビネット部分の相性の問題さえクリアできれば、モデリングアンプでも真空管アンプに近いサウンドを出すことも最近では可能になってきています。

アンプをスタジオやライブハウスに持ち込むことを考える場合、

・真空管アンプだと良いサウンドを出すためには重いアンプを選ぶ必要があるが現実的に搬入が大変である

・トランジスタアンプは敢えて持ち込む必要性は少ない

というケースが多いため、最近ではアンプを持ち込む場合にはモデリングアンプ(デジタルアンプ)を選択するメリットが大きくなっていると思います。

プロでの方もKemper、Fractal、QUAD CORTEXなどのモデリングアンプを持ち込むケースは増えてきています。


◇クリーン系、クランチ系、ハイゲイン系

「マイアンプ」を選ぶ際には自分のプレイスタイルやジャンルに合ったサウンドを出せるアンプを選ぶ必要があります。

例えば フェンダーの「TWIN REVERB」は極上のクリーンサウンドが作れるためジャズ、カントリー、ブルースなどに合います。

しかし「TWIN REVERB」で「デスメタル風のハイゲインサウンド」を作ろうとすると「何か違う」というサウンドになりやすいです。

(エフェクターを使えば一応ハイゲインサウンドは作れますし、それはそれで面白かったりはするのですが・・・)

他方で「Soldano」や「ENGL」といったハイゲインサウンドを得意とするギターアンプでジャズやボサノバを演奏するのはかなり難しいです。

「自分の好みやジャンルに合ったアンプ」を探す時には、好きなバンドや憧れのギタリストの使用機材を参考にすると分かりやすいと思います。


◇重さと大きさ

ライブハウスやスタジオに「持ち込む」ということを考える時に直面する現実が「重さ」と「大きさ」です。

たまに「4発のキャビネット」と「真空管のヘッドアンプ」を持ち込んでいる猛者ギタリストもいたりしますが、大きくて重い機材を自宅かライブハウスまで持ち込むのはかなり大変です。

地下や古い雑居ビルにあるライブハウスの場合にはエレベーターが無くて階段を使って搬入をしなければいけないというケースもあるので、台車を使わなくても移動させることができる程度の重さの範囲のほうが無難だと思います。

持ち運びのしやすさはだけでなく「大きさ」も影響してきます。

同じ重さの物体でも「大きいもの」のほうが重心が安定しずらいため持ち運びが難しいです。

参考までに個人的な経験をもとに「重さ」と「持ち運び」のしやすさをまとめておきます。

(体力や年齢によっても変わってくると思いますのであくまで参考です)

5kg前後(≒軽量級のモデリングアンプなど)
・電車などでも持ち運び可能。

10kg前後(≒小型のモデリングアンプなど)
・気合いを入れれば電車などでも持ち運びはできるができれば自動車を使いたいレベル。
・階段の上り下りは1人でも問題なくできる。
・平地の持ち運びも可能だが台車があったほうが楽。

15kg前後(≒1発入りのキャビネット、ヘッド除く)
・移動には自動車があったほうが良い。
・階段の上り下りは1人でもできるが少しキツい。
・平地でも長距離の持ち運びは辛いので台車があったほうが良い。

20kg前後(≒中型のモデリングアンプなど)
・移動には自動車がほぼ必須。男性であれば片手で持てるが長時間持ち続けるのは難しい重さ。
・階段の上り下りは1人でも可能だが上りは結構辛い。
・駐車場から搬入先まで距離がある場合には台車はあったほうが良い。

25kg前後(≒2発入りのキャビネット、ヘッド除く)
・1人で階段の上り下りをするのは危険。片手で持つと落としてしまうリスクもあるが両手で持つとバランスが取りづらい。
・平地でも途中で置いて帰りたくなるくらい重いと感じるレベル。台車は必須。

30kg前後(≒ROLAND JC-120の重さと同じくらい )
・ライブハウスに持ち込むのは辛いと思うくらいの重さ。
・階段の上り下りは複数人で慎重に行ったほうが良い。

35kg前後(≒マーシャルの4発のキャビネット、ヘッド除く)
・マーシャルの4発のキャビネット(1960)がこのくらい。
・ライブにこのレベルの機材を持ち込んでいるギタリストは猛者だが存在している。

海外の掲示板で「オレは60歳を超えているけど20kg程度のアンプなんて苦も無く持ち歩けるぞ」というコメントを見たことがありますが、比較的小柄な日本人の場合には20kgを超えてくると、持ち運びに苦労するという人も多いと思います。

個人的には一般人が参加するレベルのライブでは「4発のキャビネット」までは必要が無くて1発か2発入のキャビネットがあれば十分だと思っています。

ヘッドアンプとキャビネットを分けると搬入をする際に往復する数は増えてしまいますが、1回に運ぶ重さを減らすことができるので負担や事故のリスクを減らすことができると思います。


◇「コンボアンプ」か「 ヘッド&キャビネット」か


「コンボアンプ」はアンプのヘッド部分(音色を作って音を増幅する部分)とキャビネット(スピーカーの入った箱)が一体となったタイプのギターアンプです。

コンボアンプは搬入が一回で済む、コスパが良いというメリットがありますが、ヘッドとキャビネットがセットになっている(分解できない)ため重くなる傾向があります。

個人でコンボアンプを持ち込む場合は、重量との関係でスピーカーが1発だけ入ったものを選択するというケースが多いと思います。


「 ヘッド&キャビネット」は、文字通りアンプのヘッド部分とキャビネットが別々に用意するパターンです。


ヘッドとキャビネットを用意する場合には

好きなヘッドとキャビネットを組み合わせることができる(ヘッドはマーシャル、キャビネットはOrangeなど)

・ヘッドとキャビネットを別々の搬入することで1回あたりの持ち運ぶ物体の重量を軽減することができる

・スタジオやライブハウスに備置のキャビネットを利用することで荷物を減らせる

というメリットがある一方で

・ヘッドとキャビネットを2回に分けて搬入する場合には手間がかかる

・ヘッドとキャビネットを両方買う場合にはコストが高く付きやすい

などのデメリットがあります。

スピーカー2発以上で鳴らしたい場合にはヘッドとキャビネットを別に用意するケースが多いと思います。


◇キャビネットも持ち込むべきか

上記のように「 ヘッド&キャビネット」のパターンの場合には、「ヘッド」部分だけを持ち込む形にし「キャビネット」はスタジオやライブハウスに備置のキャビネットを利用することで荷物を減らしたり、キャビネットにかかる費用を抑えることができます。

ライブハウスによってはステージ上に持ち込みのキャビネットを置いておくスペースがあまりなかったり、マイキングの手間がかかるという理由で、キャビネットの持ち込みを嫌がるPAさんもいたりします。

そう考えるとキャビネットは持ち込まずにライブハウスなどにあるものを活用したほうが良いようにも思えます。

しかし個人的には「キャビネット」も持ち込んだほうが良いと思うケースが多いです。

というのも「キャビネット」や中に入っている「スピーカー」がギターの音色に与える影響は多くのギタリストが想像している以上に大きいからです。

アンプ・ビルダーとしても有名な「アキマツネオさん」も「ギター・アンプの真実 エレキ・ギターの音色の90%以上はアンプで決まる」という本の中で以下のように述べられています。

という趣旨のことを書かれています。

以前ギター・アンプに関しては、音を決める要素という意味で「アンプ部が50%、スピーカー部が50%」って言ったことがある。
そのくらいスピーカーが重要だ、という意味なんだけど、実はスピーカーのほうが(アンプ・ヘッド部よりも)そのパーセンテージは多いんじゃないかとも感じている。

「ギター・アンプの真実 エレキ・ギターの音色の90%以上はアンプで決まる」
アキマツネオ (著)


(詳細は以下の記事で書いていますのでこちらも参考にしていただければです。)

実際に「ヘッド」アンプだけを持ち込んで、「キャビネット」はスタジオやライブハウスにあるものを使う、という方法だと、置いてあるキャビネットの種類、古さ、インピーダンスなどによって音が違うように感じることが多いと思います。

会場に置いてあるキャビネットの特性に合わせて、短いリハの時間内に音色を仕上げるというのは難しいことも多いです。

そのため、ヘッドとキャビネットをセットにした状態でスタジオで音色を90%くらい完成させておき、ライブの時は会場の広さや、アンプと壁と距離などによる影響による音の変化を考慮して微調整をする、というくらいに止めておいたほうが、音作りに失敗するリスクは下げられると思います。


◇対応するフットスイッチなど

アンプを購入する際に見落としがちなのが「対応するフットスイッチ」です。

最近のアンプの中には4種類程度の音色をフットスイッチで切り替えられるものや、バンク切り替えができるものも多いです。

しかし一部のアンプはフットスイッチで2種類の音色の切り替えしかできないものもあるので「エフェクターを使わずにアンプだけで音を作りたい」というタイプの人にとっては困るケースもあると思います。

またフットスイッチは別売りになっていることも多いですがメーカーによってフットスイッチの価格も様々です。

VOX、BOSSなどのフットスイッチはフットスイッチを安く入手できる機種も多いですが、海外メーカーのアンプなどの場合にはフットスイッチを1台買うだけでも結構な金額が必要だったりします。

そのため、アンプを買う前には以下の点などを調べておくと良いと思います。

・対応するフットスイッチ(音色を何個切り替えできるかなど)

・フットスイッチは別売りか

・フットスイッチの価格の相場



◆ライブにおすすめの「コンボアンプ」

コンボアンプについてはどれだけの「重量」のアンプを持ち運べるかが人によって異なると思いますので、「重さ」ごとに分けて紹介したいと思います。

◇5kg前後

5kg前後のアンプであれば電車などでも持ち運び可能ですが、ライブで使うことを考える現状ではVOXの「VX50 GTV」が有力な選択肢になってくると思います。

VOX「VX50 GTV」(モデリングアンプ)

重さは4kgちょっとしかなく、ライブハウスやスタジオに置くと一見「頼りない」と感じるくらい小さいですが、出力は50wで見た目に反して大きい音を出すことができます。

100人くらい収容できるホールでのライブや野外ライブの時に客席側で「VX50 GTV」の音を聞いたこともありますが、十分な音量があり前に出てくる音(ヌケ感が良い音)だと感じました。

フェンダーの「DELUXE REVERB」、ダンブル系アンプ、VOX「AC30」、Marshall 「1959」「JCM-800」「JVM」、SOLDANOの「SLO-100」、 MESA BOOGIE の「DUAL RECTIFIER」など様々なアンプモデリングが入っている他、LINE入力もあるためマルチエフェクターやフロアタイプのアンプシミュレーターなどを接続するのにも便利です。

USBケーブルでパソコンやスマホと接続をして音色を調整、管理、保存したりすることもできますしエフェクトも内蔵されているので、複数の音色を多用する曲でなければ別途エフェクターを用意しなくても「VX50 GTV」とフットスイッチだけで対応できてしまったりします。

デメリットとしては

・イコライザーが「ベース」と「トレブル」しかない(ミッドはUSBケーブルでスマホを接続しないと調整できない)

・歪み系の音色では音が「軽く」低音域が少ないと感じることがある(筐体が小さくて軽いので仕方ないですが・・・)

などがあります。

ギターの音色にとって「ミッド」を調整することでヌケ感が変わることも多いので、ライブ会場で気軽に中音域の調整ができないのは辛いなと感じることがあります。

前記のとおりUSBケーブルでスマートフォンを接続すれば「ミッド」の調整も可能ですが、リハの最中やMCの短い時間に「少し調整をしたい」という場合には面倒だと感じるころもあるかも知れません。

なお「VX50 GTV」には新世代の真空管と言われている「Nutube」が搭載されているのですが、個人的にはNutubeが搭載される前の旧モデルと比較して音色が大きく変化したようには感じませんでした。

ただ音は芯がある太いサウンドでライブなどで使っても他の楽器の音に埋もれにくい力強さがあると感じます。


Blackstar 「ID:Core  Stereo 40」(モデリングアンプ)

「VX50 GTV」以外に軽くてある程度の出力のあるアンプとなるとBlackstar の「ID:Core  Stereo 40」も選択肢に入ってくるかなと思います。

「ID:Core」シリーズの音は「簡単に使える音が出る」という点で個人的には好き製品です。

ただ「ID:Core  Stereo 40」はイコライザーが「ISF」というトーンのような独自のツマミが1つあるだけであり、「VX50 GTV」に比べるとモデリングの種類も少な目です。

またライブハウスなどで使う場合には音が埋もれがちで、個人的には「VX50 GTV」のほうが音が前に出てくる印象があります。



◇10kg前後

10kg前後のアンプは自動車を使えば苦痛なく持ち運びができます。

持久力に自信がある人であれば自動車がなくても持ち運びができるギリギリの重さかも知れませんが長距離の持ち運びとなると「キャリーカートがあったほうが楽」と感じるくらいの重さになってきます。


FENDER ( フェンダー ) 「Tone Master Deluxe Reverb」「Princeton Reverb」

ジャンルを選ぶアンプではありますが、FENDERの「Tone Master」シリーズは最近、非常に人気の高いギターアンプです。

FENDERが自ら伝説的な真空管アンプをデジタルアンプとしてモデリングした製品ですが、真空管アンプとの音の違いがほとんど分からないというくらい完成度が高いです。

真空管アンプと違って、軽くて持ち運びが楽であるだけでなく、出力(出音の大きさ)をコントロールできるセレクターが付いていたり、ラインアウト端子も付いていて、しかも価格も安いので、真空管の実機に強いこだわりがあるギタリストでなければ「Tone Master」シリーズのほうが満足度が高いと思います。

気になる点としては、他のデジタルアンプも同様ですが歪み系のペダル(エフェクター)を通した時のサウンドの挙動が真空管アンプの実機と異なると感じることがある点です。

そうは言ってもエフェクターの「ノリ」は悪くはないので挙動の違いを把握しながら自分なりに音作りを研究していけば特に問題はないかと思います。


BOSS ( ボス ) / KATANA-50 GEN 3(モデリングアンプ)

FENDERの「Tone Master」シリーズと違って、BOSSの「KATANA」シリーズはアンプ1台でクリーントーンからメタル系にも十分対応できるような激しい歪みサウンドまで作ることができる製品です。

機能の数、大きさ、重さなどが異なるいくつかのモデルがありますが、10kg前後と50Wの「KATANA-50」が選択肢になってきます。

出力を0.5Wから50Wまで調整することができるためライブハウスやスタジオだけでなく自宅でも練習用のアンプとして使うことができます。

イコライザーも「BASS」「MIDDLE」「TREBLE」の3種類が搭載されているためスマホやPCに繋がなくても短時間でざっくりとした調整ができます。

アンプモデリングの種類も多いものの音の系統が統一されているため「クリーンから歪みに切り替えたら別世界の音になってしまった」というようなこもなく非常に扱いやすいと思います。

エフェクターも一通り内蔵されているためフットスイッチを用意すれば、別途コンパクトエフェクターやマルチエフェクターを用意しなくとも、ほぼ全ジャンルに対応したサウンドを作ることもできます。

「KATANA」シリーズは第3世代(gen3)からBluetoothでスマホと接続できる代わりに価格が高くなってしまいました。

第2世代(MKⅡ)は中古市場で比較的安く出回っており非公式のアプリを使うことで有線ケーブルでスマホと接続することができますので予算が厳しいという人は古いモデルも選択肢に入れても良いかも知れません。

「KATANA」シリーズのアンプについては以下の記事でも解説していますので詳細を知りたいという方は参考にしてください。



FENDER ( フェンダー ) / Mustang GTX100

100Wの出力を誇りながら重さは約10kg程度と軽く、多数のアンプモデリングやエフェクトが搭載された万能型のモデリングアンプです。

Bluetoothでスマホと繋いで音色の編集をしたり、曲を流しながらセッションすることができるのも便利です。

サウンドは「モデリングアンプ」風の雰囲気もあるため好き嫌いが分かれるところだと思いますが、価格の安さ、軽さ、出力の大きさ、機能の豊富さなどを考えると使い勝手が良い魅力的な製品です。



KEMPER 「PROFILE PLAYER」+「Power Kabinet」

コンボアンプではありませんが、コンボアンプのような感覚で扱えるのがKEMPERの 「PROFILE PLAYER」と「Power Kabinet」の組み合わせです。

KEMPERは 言わずと知れたデジタルアンプ界のトップを走り続けている製品で、プロのアーティストのライブやMVなどで見かけることもあると思います。

KEMPERは簡単に説明すると「実機のアンプのコピー機」という立ち位置で、実機の真空管アンプなどのサウンドをかなり忠実に再現することができます。

同じような機能を持つ製品としてNeural DSP「QUAD CORTEX」やIK Multimediaの「TONEX」などもありますが、KEMPERが最初に「実機のアンプをコピーする」という製品を販売した元祖的な存在ということもあり歴史もあるため、今でもKEMPERを信頼している使っているギタリストも多いという状況です。


一般的にKEMPERをライブやスタジオで使う場合にはパワーアンプが内蔵されたPROFILER POWER HEADなどを持ち込んで、会場に置いてあるキャビネットに繋ぐという人が多いと思います。

ただPROFILER POWER HEADを操作するためにはフットスイッチを別途用意する必要があったりとなかなか面倒だったりしますし、大きくて価格も高いです。

またスタジオとライブ会場においてあるキャビネットが異なる場合には、練習していた時のライブ本番でサウンドが変わってしまうという問題も出てきたりします。

練習時とライブ本番でサウンドを統一させるためには、Kemperが販売している専用のキャビネットや自分の好みのキャビネットを持ち歩けば良いのですが、ヘッドとキャビネットの両方を持ち運ぶのは大変ですし、ヘッドとキャビネットの両方を買うとなると結構な金額になります。

そこで比較的気軽に扱える「PROFILE PLAYER」と「Power Kabinet」を使うという方法があります。

「PROFILE PLAYER」は従来のKEMPERの機能の一部を省いた上で小型化したフロアタイプのコンパクトなデジタルアンプです。

「PROFILE PLAYER」にはパワーアンプは付いていませんが、「KEMPER POWER KABINET 」というパワーアンプが内蔵されたキャビネットと組み合わせることでコンボアンプのように使うことができます。

「PROFILE PLAYER」が約1Kg、「KEMPER POWER KABINET 」が約12kg弱なので、合わせて13kgで「いつでもどこでもブレのない同じサウンドでKemperを鳴らせる」といいう環境を構築することができます。

また「KEMPER POWER KABINET 」は「PROFILE PLAYER」と組み合わせることで様々なスピーカー特性をデジタルで再現できるため、「キャビネットを買ったけど好みの音ではなかった」という事故が起こりにくいです。

「PROFILE PLAYER」の注意点としては前記のとおり一部の機能が省かれているという点です。

まず画面がないため細かい操作をするためにはスマホやPC・Macなどが必要になります。

その他、使えるエフェクト数が減っている、入出力端子の数も減っている、保存できるリグの数も50個程度となっています。

プロファイリング(実機のアンプの音をコピーする)機能もありません。

ただKemperのサウンドをコンパクトなサイズで気軽に持ち運べるというのは便利だと思いますし、フットスイッチを別途用意しなくともフロアタイプのエフェクターのような感覚で使えるので「PROFILE PLAYER」はかなり魅力的な選択肢だと思います。

なおKEMPERのキャビネットにはパワーアンプが「内蔵されているもの」と「内蔵されていないもの」の2種類があるので注意が必要です。

基本的に「パワーアンプが内蔵されているヘッド」と組み合わせる場合には「パワーアンプが内蔵されていないキャビネット」を選び、「パワーアンプが内蔵されていないPROFILE PLAYE」などと組み合わせる場合には「パワーアンプが内蔵されているキャビネット」と組み合わせることになります。



◇15kg前後

15kg前後のアンプとなると自動車がないと持ち運びが辛いレベルになってきますが、選択肢も増えてきます。

FENDER ( フェンダー ) / Tone Master Twin Reverb 

先ほど紹介した「Tone Master」シリーズの「Twin Reverb」版です。

歪み成分を感じるDeluxe Reverbのサウンドと異なり「Twin Reverb」は綺麗なクリーンサウンドを作ることができます。

透き通るような美しさの中に濃厚な音の「図太さ」のようなものがある雰囲気があり、個人的にはクリーンサウンドの中で一番好きなのが「Twin Reverb」です。

「Twin Reverb」はスタジオやライブハウスに置いていないことが多いので「Twin Reverb」のサウンドを出すためには基本的に真空管を使った実機を持ち込む必要があるのですが、真空管タイプの「Twin Reverb」は重さが30kgくらいあって円安の影響で価格も値上がりしています。

他方でデジタルの「Tone Master Twin Reverb」は15kg程度と男性であれば片手で持ち上げることも可能なくらいの重さで、価格も比較的リーズナブルです。

気になる点を挙げるとすれば前記のとおりが歪み系のペダル(エフェクター)を通した時のサウンドの挙動が真空管アンプの実機と異なると感じることがある点と、基本的に「Twin Reverb」以外のサウンドを出すのが難しいという点かなと思います。

「Twin Reverb」を謳っているので他アンプの音が出せないのは当然なのですが、他のデジタルアンプは様々なサウンドを出せることを売りにしているものや、エフェクターが搭載されているものも多いので、それらの製品と比較すると「価格の割に機能が少ないな」と感じる人もいると思います。


MARSHALL ( マーシャル ) / CODE50(モデリングアンプ)

MARSHALLの「CODE50」は、「JTM45」「1959」「JCM800」「JCM2000」 「JVM410H」など、マーシャルの歴代の名器のモデリングが搭載されているというマーシャル好きにとっては夢のようなアンプです。

サウンドについては「デジタル感」があると指摘する人もいますが、真空管のMARSHALLも高音域を強くすると「デジタル」的な違和感のある歪みを感じることもあるので音作りの仕方にもよるのかなと思います。

「CODE」シリーズのモデリングは「Softube」という評価の高いプラグインメーカーとコラボレーションする形で開発されており個人的には価格を考えるとかなり完成度が高いと思っています。

「JCM800」や「JCM2000」を持ち運ぶのが難しいことも多いことを考えると約13kgという軽さで気軽にマーシャルの各名器のサウンドを持ち運べるのは魅力的だと思います。

また専用のアプリを使うことでスマホから「CODE50」をBluetoothで操作したりできるのも便利です。

十分な音量があるため自宅でも使う場合には逆にシビアな音量調整が必要になることもあり、その点では0.5Wに出力を下げられるKATANAシリーズのほうが便利かも知れません。



BOSS ( ボス ) / KATANA-100

先ほど紹介した「KATANA」アンプの出力が100Wのモデルです。

50Wのモデルよりも出力に余裕があるためメタル系、ハードロック系の曲でも音圧負けする心配がありませんし、屋外の会場などでも安心して持ち込めます。

スピーカーのサイズは50Wのモデルと同じですが、100Wのモデルのほうが余裕のある感じがします。

日本では100Wのモデルよりも50Wのモデルのほうが売れているようですが、海外では100Wのモデルもかなり人気が高いようです。

ROLAND「Blues Cube Artist」「Blues Cube Stage」

クリーンやクランチ系など軽い歪みで音作りをすることが多いギタリストにお勧めなのがROLANDの「Blues Cube」シリーズです。

「KATANA」シリーズと異なりアンプ単体で「激い歪系サウンド」を作ることは出来ませんが、クリーン系・クランチ系の「真空管アンプ的な弾き心地」は高く評価されています。

「Cube」という名前のギターアンプは1970年代後半には既に販売されていてOzzy Osbourneのランディー・ローズが楽屋用のギターアンプとして「CUBE-40」を使っていたという話は有名だったりします。

「Blues Cube Artist」「Blues Cube Stage」の違いは主に以下のとおりです。

・出力(60W    / 80W)
・センドリターン端子の有無
・PRESENCEつまみ
・トレモロの有無
・GA-FC(フットスイッチ)の端子の有無
・重さ(14kg /   16kg)

価格の差は大きくないので個人的には「Blues Cube Artist」のほうをお勧めしています。


ROLAND ( ローランド ) 「JC-40」


ジャズコーラス(JC-120)は、多くのスタジオやライブハウスに常設されていることが多いのですが、公共施設のホール、結婚式場などの会場にはジャズコーラスが置いていないこともあります。

クリーンやクランチ系の音作りをメインにしているギタリストはジャズコーラスが無いと困るという場合もあると思います。

またBOSSのマルチエフェクター(GT-1、GT-1000など)はジャズコーラス用のアウトプットの設定が用意されていて相性が良いため、BOSSのマルチを使っている場合には普段からジャズコーラスをメインで使うという人もいたりします。

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会場にジャズコーラスが置いていない場合にJC-120を持ち込むという方法も考えられなくはないのですが、JC-120は30kg近い重さがあり、1人で持ち運ぶとなると危険が伴いますし、自宅に保管しておくスペースが無いという人も多いと思います。


そんな時に便利なのが 「JC-40」という小さめのジャズコーラスです。

重さは約16kgで幅も約66cmなので、1人で持ち運ぶことも可能ですし、自宅に練習用のアンプとして置いておくこともできます。

家に小さめのジャズコーラスが置いてあるだけでテンションが上がるというギタリストもいると思います。

出力も40Wなのでメタル系などでなければライブでも十分に音量を稼ぐことができます。

「JC-40は価格が高いし重いな・・・」という人は「CUBE-40GX」や「CUBE-40XL」を選択肢に入れても良いと思います。

「CUBE-40GX」「CUBE-40XL」は現在では販売が終了した古いモデルですが中古市場で比較的安い価格で出回っています。

重さも10kg程度なので持ち運びも楽です。

アンプタイプが複数選べるようになっていて「JC CLEAN」を選択するとジャズコーラスっぽいサウンドを出すことができます。

ジャズコーラスよりも高音域がやや抑えめで太いサウンドというイメージですが、個人的には本家のジャズコーラスよりも「CUBE」のサウンドのほうが好きです。

「CUBE」は古いモデルということもあり歪み系のアンプモデリングを選択すると演奏していない時の「サーッ」というホワイトノイズが目立つことがありますが、「JC CLEAN」をメインで使う場合にはノイズはそれほど気にならないと思います。


◇20kg前後

20kg前後のアンプは慣れないと持ち運びが大変ですが、スタジオに常備されているアンプと同じくらいのクオリティのサウンドが出せるアンプが多くなってきます。

BOSS ( ボス ) / KATANA-Artist 

(↑のリンクはGEN3ではなくMKⅡなので注意してください)

個人的に歪み系の持ち込み用アンプとして一番便利だと感じるのがBOSS 「KATANA-Artist」というKATANAシリーズの上位版です。

音作りが苦手だったり面倒な人でも「KATANA-Artist」を使うと「使える音」が簡単に作れるという使い勝手の良さがあります。

またアンプモデリングやエフェクトが複数搭載されているのは他のKATANAアンプと同様ですが、「GLOBAL EQ」と「CONTOUR」という音質を微調整するためのスイッチがアンプ本体にあるのも非常の便利です。

KATANAシリーズに限らずモデリングアンプは高音域の再生能力も高い反面、ライブなどで使った際に高音域がドラムのハイハット等と干渉してしまい逆に「ヌケが悪い」と感じてしまうことがあります。

そんな時に「GLOBAL EQ」で高音域をカットして挙げると中音域よりの太い音になり他の楽器の音を邪魔することなくギターのサウンドの通りを良くすることができます。

「GLOBAL EQ」は専用のソフトを使うことで予め3種類用意しておくことができますので、リハーサルの時に「GLOBAL EQ」のボタンをポチポチ押して会場にあったセッティングを選ぶことが可能です。

また「KATANA-Artist」の最大のメリットは「WAZA Speaker」が搭載されている点にあると思います。

「WAZA Speaker」はCelestionの定番の「G12M」(グリーンバック)というスピーカーを参考にして開発されたようですが、グリーンバックは許容入力が低いというデメリットがあり、グリーンバックが搭載されたギターアンプは高額なものが多いです。

しかし「KATANA-Artist」に搭載されている「WAZA Speaker」は許容入力が100Wと高く、しかも他のグリーンバック搭載のギターアンプに比べると「KATANA-Artist」は非常にコスパが良いです。

その他、「KATANA-Artist」は背面に「LINE OUT」の端子が付いており、キャビネットスピーカーから音を出しつつ、「LINE OUT」からも音声信号を出力することができます。

ライブの時に「LINE OUT」を直接PA卓に送ったり、個人で持ち込んだモニタースピーカー(返し)に接続できるので便利です。


「KATANA-Artist」のデメリットを挙げるとすればサイズが大きめなので重さ以上に「持ち運びにくい」と感じることが多いです。

同じ重さでもサイズが大きくなってくると持ち運ぶ時に重心が取りにくいので余計に重く感じるんですよね。

起きている子供を「抱っこ」する時よりも、爆睡してぐったりしている子供を運ぶ時のほうが重く感じるのと同じような理屈なのかなと思います。


BOSS ( ボス ) / KATANA-100/212 GEN 3

海外のレビューを見ていると上位版の「KATANA Artist」よりも「KATANA-100/212」のサウンドのほうが好きというコメントもあったりします。

「KATANA Artist」は「WAZA Speaker」が魅力的ですがスピーカーは1発しか入っていないため若干軽めのサウンドになる傾向があります。

他方で「KATANA-100/212」はスピーカーが2発入っているため「KATANA Artist」よりも重厚感のあるサウンドを作りやすいと思います。


PEAVEY ( ピーヴィー ) / BANDIT 112 

少し古いモデルなので敢えて「おすすめ」として入れるべきか迷いましたが、PEAVEYの「BANDIT 112」は今でも使い勝手の良いトランジスタアンプだと思います。

個人的に便利だと思うのがクリーンチャンネルとリードチャンネルに、個別にイコライザー(LOW,MID,HIGH)が用意されている点です。

最近のモデリングアンプ(KATANAシリーズ)などはイコライザーが1系統しかないため

リーン系の音作りをしたら音色を保存

歪み系の音作りをしたら音色を保存

クリーン系の音作りをまたしようと思ったら
前回のイコライザーの設定が分からない・・・

という感じになってしまいます。

スマホやパソコンがあれば前回のイコライザーの設定を見ることができるのですがアンプ本体のパネルをパッと見てイコライザーの設定を把握できないのは不便だったりします。

一方で「BANDIT 112」はクリーンチャンネルとリードチャンネルに、個別にイコライザー(LOW,MID,HIGH)が用意されているので、それぞれの設定をすぐに把握できますし音色の変更も楽です。

「BANDIT 112」のデメリットを挙げるとすれば、「いかにもトランジスタアンプっぽい音」である点、ノイズが多めな点、80Wの割に音量が思ったよりも稼げないと感じるケースがある点、価格が高くなっている点などです。

トランジスタアンプなので「トランジスタアンプっぽい音」が出るのは当然なのですが、最近は優秀なデジタルアンプが増えてきているので「古い音」と感じる人もいると思います。

ノイズは古いモデルなので仕方ないかなと思いますし、音量についてもギターが1本のバンドであれば困ることはあまり無いように思われます。

「BANDIT 112」は昔は3万円代で売っていました。

最近は原材料不足や円安の影響もあって価格が高騰しているのがネックです。

中古市場で安く販売されていることがあるので「BANDIT 112」の購入を検討されている人は中古も選択肢に入れたほうが良いかも知れません。



TONEKING ( トーンキング ) / Imperial Mk II

なかなか手に入れにくい価格ですが、見た目にインパクトがあってサウンドも良いアンプががTONEKING「Imperial Mk II」です。

出力は20Wで強い歪みサウンドなどを作ることができないため、基本的にはクリーンからクランチのサウンドをお洒落に奏でるジャンル系のアンプです。

「欲しいけど実機が高くて買えない」という人はNeural DSPが「Imperial Mk II」のプラグインを€99で販売しており、セールの時期にはさらに安く買えますので、PC・Macとオーディオインターフェイスをお持ちの方であれば気軽にTONEKINGのサウンドを体験することができます。



◇25kg前後


MARSHALL ( マーシャル ) / JVM215C

マーシャルの真空管アンプは多くのスタジオやライブハウスにおいてあるため苦労してまで持ち込む必要性を感じない人も多いと思いますが、重さを考えると「JVM215」あたりが体力的に限界という人が多いかなと思います。

重さは26.5kgなので頑張れば持ち運ぶことはできますが台車はあったほうが良いレベルの重さで、階段の上り下りをする場合には1人だと危険かなと思います。

出力は50Wですが真空管アンプなので音量が不足することはほとんど無いと思います。

真空管アンプは同じ機種・型番でも個体差があるので、マイアンプがあると普段から音作りを詰めた上でライブ本番を迎えることができるので、そういった意味ではメリットがあると思います。


◇30kg以上


MATCHLESS ( マッチレス ) DC-30


価格や重さの点でなかなか入手が難しいアンプですが、コンボタイプの真空管アンプの中で昔から評価が高いのがMATCHLESSの「DC-30」です。

シングルコイルのギターでシンプルなコードを弾いているだけでも格好良いサウンドになります。

ブティックアンプの代表的な存在で、昔はプロのアーティストがライブやレコーディングで使っている場面を見ることも多かったですが、最近では使っている人は減ってきている印象です。




◆ライブにおすすめのアンプ「ヘッド」


BOSS ( ボス ) / 「KATANA-HEAD Gen3」「KATANA-Artist HEAD」

コスパが良くで使い勝手も良いヘッドアンプを探しているギタリストにお勧めなのがBOSSの 「KATANA-HEAD」と「KATANA-Artist HEAD」です。

デジタルアンプですがキャビネットに繋いで鳴らした時のサウンドは実機の真空管アンプにかなり近いと言って良いと思います。

「KATANA-HEAD」のほうは、アンプヘッドとして使えるだけでなく、ヘッド部分に5インチのスピーカーが付いているため、自宅練習用の小型アンプとして使うことができるのも便利です。

「KATANA-Artist HEAD」のほうはスピーカーが付いていないため単体で音を出すことができませんが、「GLOBAL EQ」ボタンが付いていたり、キャビネットに繋ぐ「SPEAKER OUT」で16Ωと8Ωの両方を選べるなどの機能が追加されています。(KATANA-HEAD は8Ωのみ)

デジタルアンプの場合には高音域が強くなりすぎる傾向があるので「GLOBAL EQ」ボタンがある「KATANA-Artist HEAD」のほうが便利なのですが、「KATANA-Artist HEAD」12kg超と重く、価格も高めなので予算やご自身の体力に合わせて選ぶのが良いかなと思います。

BOSSからはスピーカーが2発入った「KATANA」用のキャビネットも販売されています。

キャビネットとしてサウンドの評価も高いだけでなく、価格も安くコストパフォーマンスも良いですが、どちらも重さが20Kg以上あり筐体も大きいので持ち運びは大変だったりします。

体力の自身がない方は、他社の1発入りのキャビネットを使うという方法でも良いと思います。



MARSHALL ( マーシャル ) / DSL100H


「マーシャルのアンプヘッドが欲しいけど、お金は節約したい」という人のお勧めなのが「DSL」シリーズです。

マーシャルの中では価格が安めですが JCM2000に近いサウンドが出せます。

JCM2000はスタジオやライブハウスに置いてあることも多いですが、現場のアンプの個体差に悩まされたくないという人や、マーシャルが置いていない会場でライブをやることがある、という人は選択肢に入れて良いと思います。

ライブハウスにおいてあることの多い1960というキャビネットはドンシャリになりやすい傾向があり「シャリシャリして何を弾いているのか分からない」という事故を見かけることも良くあるので、個人的にはCelestion G12 Vintageなどが入った比較的フラットな特性をもったキャビネットと組み合わせたほうが良いと思っています。


MARSHALL ( マーシャル ) / JVM205H

「マーシャルを買うなら良いものが欲しい」という人におすすめなのがJVMシリーズです。

マーシャルの中でのフラッグシップモデルという位置付けですが真空管アンプとしては比較的コストパフォーマンスが良いモデルです。

「クリーン/クランチ」チャンネルと、「オーバードライブ」それぞれに3つのモード(グリーン/オレンジ/レッド)があるため、多彩な音作りが可能で、ジャンルや演奏スタイルによっては「エフェクター無し・アンプ直」でも問題ない、という人もいると思います。

JVMシリーズはスタジオやライブハウスに置いていないことも多いので、持ち込み用のアンプとして持っておく価値は十分にあると思います。


EVH ( イーブイエイチ ) / 5150III


ギタリストであれば「EVH」や「5150」という言葉に馴染みのある人も多いと思いますが、EVH は「エディー・ヴァン・ヘイレン」が立ち上げたブランドで、「5150」はヴァン・ヘイレンのような「ブラウンサウンド」を出すことができます。

EVHのアンプは比較的価格帯も安いものもあり個人でも入手しやすいです。

「ブラウンサウンド」はBOSSなど他社でもモデリングの元にしている有名なサウンドであるため「想像どおりの格好良い歪み系サウンド」と感じる人も多いと思います。

そのためヴァン・ヘイレンのファンではなくとも、良い感じの歪み系サウンドを作りたいという人は選択肢に入れてよい製品だと思います。



Kemper ( ケンパー ) / Profiling Power Head

「どのアンプが自分に合っているのか分からない」という人、「様々なジャンルの曲を演奏する」という人には、デジタルアンプとして定番のKemper「Profiling Power Head」が使い勝手が良いと思います。

前記のとおりKemperは他のアンプのサウンドをコピーする「コピー機」「ものまねの達人」的な立ち位置のデジタルアンプで、これ1台があれば世界中の様々なアンプや、現在では手に入れることが困難であるようなアンプのサウンドも再現できます。

また「Profiling Power Head」にはパワーアンプが内蔵されているため、マルチエフェクターのような使い勝手がありながらキャビネットに接続するだけで音が出せるという利便性の高さも人気の要因の1つだと思います。

価格はやや高めですが、レコーディングで使えるという点や、1台で様々なアンプのサウンドを再現できるということを考えると、アンプを何台も買うよりもコストパフォーマンスは良いと思います。

Kemperのデメリットを挙げるとすれば「自分の好きなサウンドを見つけるまで根気が必要になる場合が多い」という点だと思います。

様々なアンプのサウンドを再現できるというメリットの裏返しとして、大量のリグの中から自分の演奏スタイルや持っているギターと相性のサウンドを見つけるまでに時間がかかってしまう人が多いと思います。

リグのサウンドはイコライザーなどで調整できるようになっていますが、実機のアンプとイコライザーの挙動が異なるので、選択したリグとの相性が割るとイコライザーなどで音質を調整しても自分の好みのサウンドに近づけることが難しいという場合があります。

その場合には別のリグを試すことになるのですが、細かい作業が苦手な人にとっては「実機のアンプのほうが直感的に操作できて楽だ」と感じる人もいると思います。

最初から「Profiling Power Head」を試す勇気がないという人、パワーアンプが不要でエフェクトの数も少なくても良いという人は、前記の「PROFILE PLAYER」や「TONE X」などを検討してみるのも良いと思います。



◆ライブにおすすめの「キャビネット」


おすすめの「キャビネット」については以下の記事で紹介していますので、そちらを参考にしていただければです。


また「自宅とスタジオの両方で使えるギターアンプ」については以下の記事で紹介しています。


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