気候変動問題のリーダ育成プログラム The Climate Reaity Projectnに参加しました
気候変動問題について学び行動するためのプログラム「クライメート・リアリティ・リーダーシップ・コミュニティ・トレーニング」が今月東京・台場で2日間に渡り開催され参加して来ました。
このトレーニングはアメリカ元副大統領アル・ゴア氏が立ち上げたもので、これまで14ヶ国で開催され今回で43回めとなります。
卒業生は2万人。
日本では初めての開催となりました。
有名なドキュメンタリー映画「不都合な真実」は、このトレーニングを取り上げたものです。この映画を観てゴア氏の取組みに賛同していたわたしにとって日本での開催は何より嬉しいことでした。
わたしは幸運にも学びと出会い多きトレーニング参加の機会を得ることができました。今後はプロジェクトのサポートを受けながらクライメート・リアリティ・リーダーの一員としてクライメートアクションしていくことになります。
2日間で学んだこと全てを一度に伝えることは難しいので、先ずはクライメート・リアリティ・リーダーシップ・コミュニティ・東京トレーニングがどんなものであったのか少しでもイメージしてもらえたらと思います。
・18歳から86歳の約800人が参加
事前に申し込みが必要でした。(2倍近くの応募があったとか)
・平均年齢38歳
若い方が多くパワーを感じました
(小泉環境大臣が38歳。彼は大臣就任時「気候変動を知って欲しい」と発言しました)
・多様なステークホルダーが参加
企業人40%
NGO・教育者など20-25%
中央官庁 公務員15%
気候マーチを先導した学生たち
日本在住の海外の方
海外からの参加者も
・つながることが目的でもあるため、席は予め割り振られていました
1テーブル、8人から9人
チームとしてさまざまな意見交換ができました
・参加費無料
(交通費、宿泊代は自己負担)
・100%ベジタリアンランチ、ビーガンにも対応。健康に配慮したスナックが無料提供
使い捨て容器ではなく繰り返し使えるものを使用
環境に配慮した紙、廃棄物削減とゴミの分別が徹底されていました
トレーニング中の総エネルギー使用量を削減するため、温度調整しやすい服装、マイボトルの持参の呼びかけがありました
目 的
気候変動を学び、つながり、行動すること!
・問題意識を共有している者がつながる
(2日間受講者の皆さんからも様々な刺激を受けたました)
・気候変動と世界と日本の課題ついて学ぶ
(2時間半におよぶ圧巻のアル・ゴア氏のプレゼンテーション! イオン、ソニー、三菱、三井、再エネ発電事業者、ベンチャー企業、環境省、経済産業省、外務省などの国内外のトップや専門家によるパネルディスカッションから最新のトレンドを知ることができた)
・伝えるトレーニングを行う
(コミュニティ・オーガナイジング、プレゼンテーション講座、テーブルワークなど実践的なトレーニング。パワーポイントスライドが提供され、カスタマイズして使うことが可能)
・学んだことを生かし行動する!
気候変動は、自然災害だけでなく食料、健康、移住といった不公平を生みだすものです。この事実に見て見ぬ振りすることはできません。
一人ひとりでできることは少ないけれど、みんなで繋がれば変えることができます。アクションしていきましょう。
最後にQ&A を共有します
Q 温暖化懐疑派にどう対応すればいいか
・日本はアメリカのように組織だったものはなく、心配するほどではない
・日本では福島第一原発事故以降、気候科学を好まなくなった
・研究者が発表する論文を読み解くのは難しいため、わかりやすく伝えること必要がある
・サイエンスから目を背けない
Q 日本は石炭火力を使ってきたが、どうすれば誰も取り残さず石炭から再エネに移行できるのか
・公平な雇用のもとでの移行が大事
・結論として、移行しなければ日本が取り残される
Q 気候変動において原発の役割をどう考えるか
・原発の熱の放出負荷が小さいのは事実でありセンシティブな問題
・事故リスク、コスト、人権問題、倫理の問題があり社会的な議論が必要
・より安全で出力調整が可能な小型モジュール炉の開発が進むが、廃棄物や核拡散の問題も
・建設地探しが容易ではない
・第四世代原子炉は存在していない
・原発は誰も明確に答えが出せないものであり、答えがでない電力はやめるべきだ
Q 気候変動に対しどういう取組みが大事か、またどのように伝えればいいのか
・日本では「温暖化」=「省エネ」になりがちだが、多様なステークホルダーをつなげることが解決策
・ビーガンや電球を替える取組み等は個人の選択であり、個人の説得より政策を変えてしまう方がいい
・無関心の理由は自分に関係ないと思っているから、関係あるんだということを伝えていく
・国家間、世代間不公平を伝えていく
・若い世代の活動も重要
Q 誰を説得する必要があるのか
・日本では様々な気候リスク、気候安全保障の議論が不足している
・気候変動は選挙の争点にならないが、請願は可能(壱岐市が出した気候緊急事態宣言を東京でも宣言させようと訴えているひとがいる)
・自治体レベルの働きかけも大事
Q 気候変動は資本主義の問題か
・一部の資本主義は減らすべきだが、共産主義だから環境や人にやさしいという訳でもない(ゴア)
・問題は消費拡大し続けることであり、値段が付いているものしか価値がないという発想を改めること
Q 石炭火力について
・日本では現在、15基の石炭火力発電施設が建設中
・効率のいい石炭火力発電はクリーンコールと呼ばれるが、これは「安全なたばこ」と同意だ
・高効率と言っても、発電料1kWh当たりのCO2排出量が800gから700gになるだけ
・温暖化や環境への影響だけでなく、人びとの健康に大きな影響を与える
・パリ協定後、石炭火力+CCSという議論は日本以外では聞かなくなった
・エネルギーは手段でしかない
カルチャー・コミュニティ・インフラ等、エネルギーから先のまちづくりまで考えることに価値がある
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