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2022年 下半期 ニコマス20選

「2022年下半期ニコマス20選」発表します!


めっちゃ申し遅れてしまってたんですけど、
あけましておめでとうございます!!
今年もよろしくお願い致します!

さて、2023年が始まったわけですが、
ある意味2022年はまだ終わってない、みたいな所ありますよね。
雑な導入。

という訳で、
企画「2022年下半期ニコマス20選」に参加します!



ニコマス20選というのは、
一定の期間中に投稿されたニコマス動画の中から
好きな動画を参加者それぞれが20個まで挙げて投票し、
運営の方がそれを集計し後に発表する、という企画です。
ニコマス史上かなり古い歴史を持っていて、
現在一年に2回開催されております。本当にお疲れ様です。


基本レギュレーション

対象は2022年下半期(7月1日~12月31日)に公開されたニコマス動画
・自身のセレクトを20作品以内でブログ・マイリスト等にて公開
・1Pにつき1作品 (合作・別名義については別カウント)
・選考基準はフリー(お気に入り・埋もれ発掘・テーマに沿って等何でも可)
参考「ニコマス20選まとめwiki」: https://w.atwiki.jp/dassyu/pages/204.html

「20個も挙げられないだろうな」と思って
今まで参加したことがなかったのですが、
今回の期間は結構動画を色々拝見していたし
まぁ行けるやろ、て感じでやってみました。
そしたらどうでしょう。20個って少ないっすね…。
実際やってみたら20じゃ全然足んねーんだけど、という印象でした。

ともあれ選んでみました。
少しずつコメントなども付けてみたいと思います。

ただし、
思う存分に独断や偏見、主観、妄想などが
入り混じった内容になると思われますので、
もしお読みいただけるのなら、その際には
飽くまで私個人の感想である、という事を
念頭に置いておいて頂けると幸いです。

※今この注釈、
記事を書き終わった後に追記してるんですけど、
全然「少しずつ」じゃなくなってしまいました。
って いつもの事ですね!ハハハハ!!!
随時読み飛ばしてやってくださいね。





1~10





乾杯日本の衆 (by gu さん)



ニコマス星人の一角、guさんの作品です。
guさんの作品を一本は入れないと嘘ですな。

guさんの作品は言うまでもなくどれも凄まじいクオリティです。
映像技術の高さがどうとか、というよりは
まず何よりもなんというか、基礎力がハチャメチャに高い、
っていう感じがするんですね。
だから何やっても浮足立たずカッコよく決まる、というか。

動画作りの教科書を開けば書いてある様な、
大切だろうけど地道な理屈。
guさんはまずそういう基礎的な部分を
徹底されている気がします。
容易い事では決してないんでしょうが、
guさんの動画のぶち抜けてる点としては、
そういった油断とか隙みたいなものが
全くないっていうのがあるんじゃなかろうか、と
僕は思っている訳ですね。
これは決して当然の事ではありません。
「だましだまし」みたいな所が本当にないって感じ。


↑別の動画の話になってしまいますが、
かつて削除されてしまった氏の名作動画がありまして、
なんとその動画をどう編集したかがわかってしまう神動画を
惜しげもなく上げてらっしゃるんですよね。
どの様に視線を誘導しているのかなどが
視覚的にわかる様に編集されていて、
どの元MVを使ったかみたいなのも
オシャレにかっこよく明示されています。
思いやりがすごい。
見てるとなんとなく、
動画編集そのものが好きなのかもな、
て感じがしますね。

話を戻して。
そのように丁寧に構成された動画は
一切の違和感を排除し、結果
最初っからそこにあったかの様な映像になる訳です。
公式MVか?みたいな。


画角など、いちいちシネマティックな趣きがあります。
モノクロひとつ取っても安っぽさが全くない。
めちゃくちゃカッコいい!
どこを切り取っても模範解答みたいな。
テロップの位置ひとつ取っても。


ニコマス動画はあくまで二次創作であって
元があるものをつぎはぎして作られるのですが、
そういう「編集したよ」っていう匂いを
感じさせない所がある
んですね。
前向きな楽曲が素直にストレートに届きます。
すごくいい動画ですね。

楽曲は東京事変の「縁酒」という歌みたいですね。
ロックでもジャズでもあり、
でもやっぱポップス、みたいな。
流石ブチ抜けてる。
椎名林檎って人は不思議ですね。
デビューの頃から今まで、
若さや老いを感じさせないというか、
ずーっと彼女なりのニュートラルで
居続けてる感じがします。
言葉選びにしてもいちいちクセが強い様に見えるのに、
摂取してみるとキャッチーというか。
ブレた事がないという事なのかも。

全ての人にオススメです!!




竜宮デナイト(by 残機F さん)



残機Fさんの作品です。
企画「大スリー浦あずささん祭り'22」への
参加作品ですね。名作揃いのすげー企画でした。
また2022年の上半期の企画「何時m@s」の主催者の方でもあります。
その節は大変お世話になりました。

先述したguさんの動画が
「動画編集の教科書にでも載せられそうな動画」であったとしたら、
残機Fさんの動画は
「ニコマスMADの教科書に載ってそうな動画」
って感じに個人的には見ています。

それでいうと残機Fさんの作品は、
基本的にはダンスシンクロなのですが
こう、小粋なニクいカットなんかも挟んできて
程よく演出交じり、って感じに個人的には思っています。
ちょうどいい感じ。

それでいて、押しつけがましくない。
その辺のバランス感覚にすごい優れてる方だと思います。
見映えのするシンクロも、エモい演出も盛るし、
一方でアイマスの公式設定はきちんと拾うし、
でもそれが押しつけにならない程度に気を配っている、というか。
全部やった上で気持ちのいい視聴感を達成している。
そういう作品だと思います。
こう、あくまで「アイマス」って感じ。


シャララって曲があって~(ペラペラ)
普段の関係性を知ってるとアガるワンカット。
普段の(略)
この二人は持ってる価値観とか割と近そう。
(略)
皆が見たいとこしかない。
まさに「アイマス」の「MAD」。


いわば「ニコマスの上澄み」みたいな動画です。
あらゆる配慮に行き届いた上で
エンターテイメントを徹底してる、
みたいな感じ。
とてもおすすめです。
特にアイマスが好きな人なら、好きな人ほど。

サタデーナイトくらい はっちゃけちゃいましょう!!




アイドルマスター匿名合作(by ゲスト さん)



これは主催者・参加者全てが匿名という
実に挑戦的かつ画期的な企画でした。
主催者の方はツイッターやニコニコのアカウントすら
それ用に取得した、という徹底ぶり。だったはず。
僕も参加しました。

今日(こんにち)。
今はセルフマネージメントの時代であり、
どの様にしてネットで名前を売るか?という考え方が
主流になりました。
技術者だって作るばかりではなく、
自ら名前を売るような事も
出来なければならなくなってきている事でしょう。

そんな時代の中、翻ってこの企画。
「アイドルマスター匿名合作」ですよ。
どうでしょう!!このいかがわしさ!!!
チラシの裏みたいな動画もあれば
なんと手描き動画もあるし、
巧妙な音MADを作ってみたり、
音も映像もいじってるメチャクチャ気合の入った普通の良作MADすら
混在しているではありませんか。
戦後の闇市みたい。戦後の闇市知らんけど。
たまりませんね…。
全員がなんのてらいもなく安心してやりたい事をやっている。


映像はデレステ、ロゴはラブライブ、楽曲はアイカツ(スターズ)。
終わってる。だがこれがいい!!


これですよ。やっぱりネットはこうでなくちゃ!!!
運営は大変そうですが、是非またやってほしい企画ですね。
こういうのが必要です。人が人である限り。クソデカ主語。

アングラに飢えてる方にオススメです!
今のニコマスの深淵を覗いてみましょう!!





Walkin' in Wonderland(by さえもん さん)



上半期を代表する不朽の名作、「オープンカー」の作者である
さえもんさんの作品です。こちらもまた名作!

どこかいい意味で「おもちゃっぽい」楽曲を伴い
楽しそうに踊る心白ちゃんの動画ですが、
そもそも彼女のその姿がどれだけ貴いものであるか?というのを
さえもんさんは分かっててこの動画を作ってる様な気がします。


かわいい。本編をやると紆余曲折ある。
隊長!

投稿説明文の
「隊長!次はどこに行きますか?」
という一文が、スタマスをプレイした身にジーンと染みます。
本当に楽しそうでね…。

スタマスが気になる方はコチラ!!(露骨な宣伝)

余談ですが、スタマスはたまにSteamで半額になってたりしますよ。
PC版になっちゃいますけど。
スペックの高いPCをお持ちの方はおすすめです!
(僕はPS4版でやっています)

さえもんさんのダンスシンクロ動画のすごい所は、
登場するアイドルと楽曲+振付に対して
作り物っぽさがない、という所だと
個人的に思っております。
元からあるもの、世界観を大事にしてらっしゃるというか。
仮に悲しい楽曲に振付を充てるとしたら、
「悲しそうな顔」ではなくて
「悲しい顔」に見える様に作られるというか。
アイドル達が、充てられた振付ではなく
本当に楽しくて自分から踊ってる様に見える、というか。

徹底して無駄な要素や余剰なものを
排除していて、そのせいでそう見えてくるのかなぁ、
と勝手に思っています。
動画中に映ってるものは全て
動画に必要なものなのだろう、ていう。


「虹の彼方に何があるのかな?なんて」
「辿りついたあと わかるものよ」


ブログではまだ特に言及してなかったかもしれませんが、
実はわたくし、今度開催されるMLHVol.2
参加させていただくのですが、
実はその縁でさえもんさんと大変仲良く
させていただく様になりまして。
ものすごく丁寧な人柄の方でいらっしゃるんですよ。

とにかく人の気持ちを大事にする方で、
ブログの記事を書いた後などは
本当にこれで良かったのかな、と本気で悩んでしまう事も
多々あるそうです。
個人的なあれかもしれませんが、
動画を見ているとその話に
凄く納得しちゃうんですよね。
本当に大事に作ってるんだろうなと見て取れる様な。

そしてそれって凄い事だと思うんですよ。
作品を見てどんな人かわかるって、
そんなの創作で一番やりたいやつですもんね。


サザエさんみたいな終わり方もすき。

いい動画だと思います。
底抜けに楽しそうな心白ちゃんを見てニコニコしましょう!!




mellow(Remaster)(by Pacific Side さん)



昨今のニコマス界隈の一部で有名な Pacific Sideさんの
セルフリメイク(二度目)作品です。
詳しくは後述しますが、
ニコマスMAD制作チーム「N@CD」の一員ですね。
何故有名かって、その流麗な作風もさることながら
この限界集落ともいえるニコマス界において
若干16歳もの若さでダンスシンクロMAD界を席巻しているという
鮮烈なプロフィールが、業界を激震させているせいです。

実はMLHのご縁でこちらの Pacific Sideさんとも
仲良くさせていただいております。
相手は16歳なのに、やたら同じ世代の話題が通じるので
この子はタイムスリップでもしてきたんじゃないかという
気持ちになったりします。
むしろなんで俺より俺の世代の音楽詳しいの?ていう。

さて、作品について。
氏の作品は実に風雅で、
個人的には間の使い方が異様にうまいという認識なのですが、
その中で何故この作品を選んだかっていうと、
この動画の持つ文脈が興味深かったからです。


やや真芯を外すことで空間を広めに感じさせる、
みたいな画作りを多用する印象。


先述しましたが、二度目のセルフリメイク作品なんですよね。
以前にも2度、同じ楽曲を用いて動画をつくってらっしゃる。
それらを見比べた時の、価値観や表現力の変遷が面白いんですよね。
登場するアイドルが変わっていたり、
挿入するシーンにも変化があります。
リメイクする度、より多く間を取ったりして
メリハリをつける方向に構成している様に見えます。
若さに似合わず(失礼)、とにかく焦らない人だなと思います。


同じ楽曲で三回目の動画となるが、
出てくるアイドルにも変化がある。
千夜は必ず出てくるんだけど、相方役が変わる。
文香→マキノ→奏。
大人っぽいカットが増えてってるかな?


お話した感じではかなりの感覚派らしく、
したがって価値観の変容などが
本当にダイレクトに動画に現れている様に思います。
本人からすれば自覚はないかもしれないけど。

同じ楽曲の動画で3作つくる、って
多分あんまりないと思うんですよね。
価値観の変容の流れを追えるという意味でも
貴重な作品なのではないかと思います。

もちろん、普通に一つの動画として
すごく好きなので挙げております。
曲調やスピード感など、
多分Pacific Sideさんの真ん中に
この曲があるんだろうなって感じがします。
やっぱサカナクションが似合いますね。


サビだからこそたっぷりと間を使う。老獪というか。


他人の夢を覗き見てる、みたいな視聴感がクセになりますよ!!




【ミリシタMAD】二人の娘(by すほはまP さん)



企画「SMART LIVE P@RTY 2nd」への投稿作品です。
作者は すほはまPさん。
SMART LIVE P@RTY は、ミリシタとデレステの縦長のMVを
使った動画を投稿する企画です。
(一部に使用するだけでもよい)

この「二人の娘」は
KOKIAの歌う同名の楽曲を扱っている様です。
「月」と「太陽」を「空」の娘として
母なる天空が二人の娘に教えを説く、
といった様な内容。
動画では真のMVを左右で真逆、鏡写しの様に配置し
それぞれを二人の娘として割り当て
美しい映像に仕立てた上で、
テロップやシンボルアートを添える事で
歌の内容を違和感なく落とし込む事にも成功しています。


どっちが「月」でどっちが「太陽」か、
見た瞬間にわかる。


発想がまず素晴らしく、
内容だけでなく画作りにも寄与しているのが凄いですよね。
髪の分け目が逆な事も相まって、
「性質が真逆の双子の娘」というのが一目で飲み込める
よく似た別の子にちゃんと見えてくる。


画面の半分以上が白バックという大胆なレイアウトながら、
構図の割り方を変えたり、両者の画角に差をつけたり
振付をズラしたりして、
画面を見飽きる事が無い様に
かつ見ている人を引き込むような工夫に余念がないのが
見てとれます。
添えられるテロップとシンボルアートも素晴らしい。
アニメ―ションや空白の比率を含めてデザイン性が非常に高く、
極めて趣味が良い。
下手するとアイマスのMVが無くても
いい動画として成立し得るくらい
美しく作られている
と思います。


月まこりんめっちゃいい。
結構ビックリしてるんですけど、こうやって見ると
左右反転してるのは太陽真の方なんですね。
月真の方は正位置なんだ。
真のポテンシャルは無限大ですな。


とはいえもちろん、真あってのこの動画、
というくらい真もバッチリハマっています。
太陽のイメージは元々ありましたが、
最初期の持ち曲が「エージェント夜を往く」だったりして
夜のモチーフも持ってるんですね、考えてみれば。
それ抜きにしてもハマってますけど。

楽曲のもつ自然崇拝的な、遊牧民の民族音楽の様な
スケールの大きい美麗な世界観も
活かされる事はあっても、損なわれる事なく
慈しみに溢れた歌声が響いてきます。


しかし本当にどこを取っても美しい。小学校で流せる。


おとぎ話のような物語の海に溺れてみたい!!
そんな方は是非!




ロックンロールの息の音は止まない(by 二階から点鼻薬 さん)



企画「voc@loidm@ster祭り'22」の主催者である 二階から点鼻薬さん、
通称二か点さんによる、
主催者自ら企画に参加した作品ですね。
色々あったみたいで企画の運営は大変そうでした。

二か点さんは非常に精力的に活動してらっしゃる方で、
複数のニコマスPを集めてニコマス動画を
制作するチーム「N@CD」を結成したり
(N@CDには先に取り上げたPacific Sideさんも所属しています)、
2022年10月初め頃からほぼ一月の間
武者修行と称して動画投稿を控え
動画の作り方を勉強したり
とか、
かなり革新的で面白い事をずーっとしておられます。

動画の表現手法についても試行錯誤している様で
ここ3ヶ月くらい本当にいろんな作り方をしてる印象なのですが、
僕が見た中ではこちらの作品が
ひとつの転換点になってる様に思ったので
挙げさせていただきました。

ミリオンライブの漫画からジュリアのシーンを引用したり
ミリシタ内のスペシャルアピールを使ってみたりとか、
意欲的に新たな表現手法を模索している、というのもそうなんですが。
具体的にはわかりませんが、なんとなく
この動画で何かを掴んだのかなっていう様な
感想を抱いたんですよね。
楽曲の芯に構成がより食いつくようになったというか。


スペシャルアピールを活用したりだとか。
この表情の抜き方とかすごくいい。
漫画引用シーン。
とにかく貪欲に表現手法を探ってるというか。

武者修行というだけあって
二か点さんは今武器を増やしている段階にあって、
最近はその扱いにどんどん慣れつつある、
みたいな印象を勝手に受けています。
どうなってしまうんでしょうか。
今後も動向に目が離せませんね!!

他意はありませんが、
変身後のデスピサロの画像です。
今は通じんか、デスピサロ。


あとこちら、先述した「N@CD」について
記事を書いてらしたので。


胸を焦がしたい、そんな時はこの動画です!!





ボリュームを振り切るよ(by やる□(やるしか) さん)


ニコマスMAD制作チーム「N@CD」に所属している
やる□(やるしか)さんの作品です。
個人的にやるしかさんは、
ちょっと失礼な表現になってしまうかもしれませんが
「ムラっ気のある鬼才」みたいな印象で見ております。

タイミングによっては物凄くネガティブだったり
でも友人のためにかブチギレ散らかしてたり
かと思えばガンガン自分をアピっていったり、ていう
色んな面をツイッターでよく見かけてる気がします。
なんというか生命力溢れてるな、という感じ。

そんなやるしかさんの作る動画は、
とにかく鋭いんですよね。
欲しい時に欲しいカットが必ず来る。
なんなら想像を超えてくる。
誰しもここは好きだろう、というツボを押さえるのが
メチャクチャ上手いんですよね。


動画中一回だけ入る手拍子のシーン。ちゃんと叩いてくれる。
このバックショット!


選曲にも表れてるかも。
なんだかんだで何らかのキャッチ―な要素を持った楽曲を
好んで選んでいる様に見えます。

多分ですけど、結構独特なアプローチでアイドルを捉えていて、
しかもおそらくそれは大成功している。
「自分のやり方でアイドルを解析する事に成功している」
氏の動画を見ていると、どの動画もアイドルのパーソナリティが
一貫しているな、という感想を抱くんですよね。
それをわざわざ説明する事はないんでしょうけど、
とにかく「よく捉えている」感じがします。
真似も言語化も出来ないから勉強になりますとは言えないけど、
すごく刺激になります。


例えばバンド題材のアニメの挿入歌でタイトルも「Distortion !!」なら
ジュリアで良さそうなもんじゃないですか。
ギターソロシーン以外ではギターも持ってないのに。
でも確かに可奈なんですね。
本当にちゃんと曲を聞いてこの表情を見ると納得してしまう。
先を行くんですね。
「ギターの弦が揺れる度
揺るがないものに変わっていく」
歌う可奈に重ねられる映像は、
可奈をステージに連れていく可奈。

文句なしの名作です!!




MOTTÖ!(by きよぽん(回P) さん)


回Pさんです。言わずもがな。
ニコマスダンスMAD界の雄であり、
ニコマス星人であり、
僕が尊敬している方です。

「It’s my darling」とか「秋分」とか「冥土まで」とか
「PBoyP@rk'22今日から!」とか
どれを20選に入れようか、本当に迷いましたが
同じくらいの神動画が並んだ時って
見て取れる愛情の量とかで差をつけるしかなくて、
どれか一つを挙げるなら僅差でこれかなぁと
いう感じです。
りあむがすげーりあむっぽかったっていう一点。

MOTTO!SUKORE!YO!
一番ガニ股が似合うアイドルだと思う。

ブログでも何度か回Pさんの動画を取り上げたり
それについて言及してたりするので(多分)、
あまり今更ペラペラ言ってもなって感じなのですが。

回Pさんの動画の魅力を言語化するのは
正直難しいのですが…
なんとか何かを言うのなら。
回Pさんは多分珍しいスタンスを
持ってる気がするんですよね。
これはホント完全に僕の妄想ですけどね。
それは、「アイマスを全肯定できそう」な所です。

これはですね、ツッコまないとかイジらない、て事ではなく。
公式の言う事は全部文句なく飲み込むのがPだろ!
みたいな事でもないんですね。
「アイマスを」全肯定するっていうのは、
そういうツッコミとかイジリとか文句すらも
あっていいんじゃない、と肯定するという事なんですね。

雪歩の声優が変わったりアイドルの髪型が変わったり、
色んな事があったし、その都度プレイヤー達は選んできたのです。
どっちがいいか。
その場に留まる人もいたし、今に至るまで走り続けた人もいたでしょう。
いずれにせよ、「アイマス観を少しずつ狭くしてきてる」はずなんです。
選ぶというのはそういう事です。

で、回Pさんは、それでいうといい意味で
「いまだにあんま狭めてきてない」という感じがするんですよね。
もちろんわざわざ明言してないだけっていうのも
多分にあるのでしょうが、
好きだから好き。いいと思うからいい。
作りたいから作った。そういう感じ。
凄くシンプルに黙々と、そしておそらく何よりも純粋に楽しんでいる。
という風に僕には見えています。
必殺仕事人。


「思い通りなんていかないものだわ」
バナナの皮で滑るなんて昭和にしても…
「恋せよ乙女 命短し」
ユーモラスな合わせ。
アイドル大好きなりあむと回Pさんが
なんとなく近い所があるのかもしれない。

こんなに屈託なくアイマスもニコマスも好きな人、
あんまりいないんじゃないかと思います。

回Pさんの動画は全部おすすめですよ!!





わたしが、あなたと(by むすひら さん)



ニコマスMAD界の父(兄かも。異論は認める)、
むすひらさんの作品です。
近頃は多忙ゆえにあまりやられておられませんが、
むすひらさんのニコマス紹介生放送が
心のオアシスである、という方は少なくないんじゃないでしょうか。
また、企画「大スリー浦あずささん祭り'22」の主催者であり、
それに むすひらさん自ら参加した作品がこの動画です。

僕が「いまだに」ニコマス動画を作り続けているのは
家具屋PさんとむすひらさんとannPさんのおかげと
言っても過言ではありません。
でなければ処女作でやめてたと思います。
この場をお借りしてこっそりお礼を申し上げたい次第です。
本当にありがとうございます!

さて作品について。
僕はむすひらさんの作品がそもそも好きなんですよね。
むすひらさんの動画っていうのは、一見
「あずささんに向けたラブレター」みたいに
見えるかもしれませんが、
その実ラブレターの構造ではないんじゃないか、と
僕は個人的に思っておりまして。
自分はこんだけ好きです!って感じじゃないというか。
やましい意味ではなく、
「こっそり撮った初恋の子の写真」みたいな感じなんですよ。
(現代ではこういうのは忌避されるかもしれませんが)


なんて言えばいいのかわからんが、
全然変な意味ではなく。


それは聖域みたいなものなのです。
変えられない、汚せない、侵せない。
大事な領域です。

むすひらさんの動画っていうのはそういう、
絶対に誰にもこの聖域に立ち入らせないからな、ていう
気概を見せつつも、
けどその美しさは誰かに覗いて欲しいんだよね、という
ジレンマを抱えてそうな感じというか。
ある気がするんですね。


ウィンクからクロスフェードに持ってく感じとか。
普通に考えるとおいしいカットほど
シャイさが出てる感じっていうか。
真正面から思い切り…みたいな画は
3:41~3:46あたりの5秒弱、「だけ」と言ってもいい。
全体を通して思うのは、あんまり説明的、示唆的に
なり過ぎて欲しくないのかも。とか思った。
作り物っぽくしたくないというか。
相対的にこういうカットに思い切り体幹が乗ってくる。


本当にあずささんが好きなんだろうなと
思わずにはいられない作品です。
本当に大事な写真はアルバムではなく引き出しの奥にしまうものです。
いつでも自分で見られる様に。
それを見せてもらえる様な、いいのかなーっていう
そういった贅沢感があります。

大事なものを、ちょっと見せてもらいましょう!!






11~20

やっと半分…。
クソ長くて申し訳ないです。
そもそも全部読む人はいないだろうけど。

ここから後半戦です!




ギョーてん!じゃぱりぱーく!(by ごP さん)



確認できる限りではなんと2009年から!という、
ニコマスのかなり初期から動画を上げ続けていらっしゃる
ごPさんの作品です。
小中学生のアイドルをチョイスして集めたユニットでの
名作アニメ「けものフレンズ」1期のOP曲でのダンスシンクロMAD。
各アイドルはそれぞれ「けものフレンズ」に出てくるキャラクター達を
イメージして配役しているそうです。


ふれんずー!!
デレの低年齢キャラ、
なんでこんなに可愛いんですかね。


僕の ごPさんに対する印象を一言で言うと、
「楽曲のイメージをすごく大事にする方なんだな」という感じです。
例えばこの作品で言っても
きちんと取り上げたアニメをイメージして
それぞれ対応し得るアイドルをあてがう事で、
ニコマスとしても、またアニメを元にした動画としても
高いレベルでそれぞれのイメージを保つのに成功していると思います。


みりあ が かばんちゃん、莉嘉がサーバル、こずえ が フェネック。
かばんちゃんホントにかばん持ってる!


そもそも元の楽曲が非常に評価の高い名曲である事は確かですが、
小気味よく、かつ純度の高いダンスシンクロが
アイドル達のかわいらしさを通じて
本来の「けものフレンズ」の持つ楽しさやハッピーさすら
(僕も原作見てました。神アニメでしたね!)
感じさせる、或いは思い出させてくれます。

すごいのは、元素材の映像は「魚類」をテーマにしてるという所です。
イメージを蔑ろにしないとはいえ、
魚類を取り上げた素材にも関わらず
違和感なく「けもフレ」を直で想起させるのは、
流石に熟練の経験や感性が成せる技って感じがします。


冒頭に思いっきり魚類映ってるんですけどね…
なんで違和感ないんだろう。
歌による力ももちろんあるんだろうけど。
スクショで見るとめっちゃ魚なんですけど、
動画で見ると不思議と違和感ないんですよ。


低年齢のアイドルで固めてるのですが、
「かわいい!」という印象に負けず劣らず
「元気!」という印象も表現しきっていて、
どうしたって顔が綻んでしまいます。

これぞニコマス!という感じ。まさに王道ですね。

とっても可愛らしい、ハピネス溢れる動画です!!




『MONA SEE』 STORM (im@s MAD PV)(by 『i』Energie×D21Z  さん)



『i』Energie×D21Zさん(噂によれば d21SbMAD BREAKERさんの別名義だそうです)による、「望月聖 × LUNA SEA」シリーズ、”MONA SEE”の動画の一つです。

この方は独自性が非常に高いニコマスPさんであると
僕は思っておりまして。
多分この方のスタンスはこの方以外には絶対出来ないと思います。
異常と言っていいペースで新作を上げておられますが、
本気の人間の情熱の為せる業でしょう。
それらの全てがほとんど同じ熱量に見えます。
信じられますか?年中受験勉強してる様なもんですよ。
言い方を変えるなら、同じことをやれって言われたら出来ますか?
僕には絶対に出来ません。

本気というのは、
誰しもがその場所も行き方も知っているのに
中々足を踏み入れられない領域と言える様な所があると思います。
そこに散歩するみたいに踏み入ってる様な感じなんですよね。
並みの覚悟ではない。

特にこのシリーズの何が凄いって、
「望月聖」で「LUNA SEA」をやる、ていうのを
本当にガチのマジの本気で取り組んでるっていう所なんですよね。
なんというか、両者に差がないんですよ。同じ次元で扱おうとしてる。
おそらくですけど、
どちらかが負ける事を良しとしたくないんじゃないでしょうか。


30秒ほどの導入を経てからのこの歌い出しの瞬間とか
死ぬほどかっこいい。
間奏部分が長いため、バンドメンバーの演奏するカットの素材が足りず
何回も使い回すんだけど、必要だからしょうがない。
執拗に何回でも使い回す。
細かく演出を変えたりしてなるべく印象が被らない様にしている。
「失うものなど」。
本当に望月聖を河村隆一としてるんじゃないかな、と思ってるけど
実際どういう意識でやってるんだろう。


どっちも最後までやりきってやる、という
明確な意志と覚悟を感じます。


LUNA SEAは踊らないかもしれないが、ここに矛盾はない。
アイドルの部分を否定してないからだと思う。


妄執ともいえる程の執念は、
もはや映像も音をも超えて
視聴者の胸に届くはずです。
僕は怖気に近い感動を覚えました。
その果てにあるのは、彼がその目で見た美しい景色と
殆ど同じものであるかもしれません。
実質 Luna sea のライブを見る様なもの。
そういう感じです。
この作品を通じて、その片鱗を教えてもらいましょう!
ニコマスならそれが出来るのです!!




【ボカマス'22】結ンデ開イテ羅刹ト骸【真17祭】(by ムシエ さん)



先にもご紹介した「Voc@loidM@ster祭り'22」参加作品。
作者は ムシエさんです。

ムシエさんはとにかく雰囲気作りが上手い、という印象です。
どの動画を見てもぐいぐいと引き込まれてしまうんですね。
こちらの作品で言うと、
選曲に合わせた衣装と舞台設定がまず秀逸ですし
(特にこのハロウィーンモチーフのステージを活用する例は稀です)、
ビネット効果(周辺減光、画面の外側ほど暗くなる効果の事)や
おどろおどろしいフォントの採用など、
ひとつひとつの要素の選択が実に上手い。


「片足無くした猫が笑う」で足のカット。
「首輪に繋がる赤い紐は」で首を前に出す振付。
普通に合わせが怖いんだよな…。


「星間飛行」も好きですし、
上半期になっちゃいますが「映日紅の花」も好きですが
今回こちらの動画を選出したのは
個人的に色んな衝撃を受けたからです。
ちょっとホラーに見えるのが凄いなと思うんですよね。
アイドル達は普通に笑顔で踊ってるんですが、
それこそフォントの選択、楽曲の持つ世界観、
振付合わせなど、動画全体、総合演出を以て
「不気味に見せる」というのをやり遂げている。
それって本来どこにも無かったはずの要素じゃないですか?

どこにも無かったはずの属性を
わざわざ明言する事なく
婉曲的に達成している、というのが
ムシエさんの力なのかな、という感じがします。


さーれーこーう…
べー!
笑顔がこえぇ。
背景と衣装で和洋折衷のはずなんだけど、
ホラーテイストで統一されているからか
意外なほど気にならない。
メリットの方が大きいという感じ?


思わず引き込まれて圧倒されてしまう、
そんな迫力のある動画だと思います。
「怖いもの見たさ」から先、病みつきになっちゃいますよ!!





共有(by よぅ さん)



ニコマス星人の一角、よぅさんの作品。
楽曲は「溶けない名前」というバンドの「恍惚教室」です。

実はギリギリまで同氏の”berry”という動画を選出していたのですが、
去年の年の瀬、すなわち下半期のギリギリに
こちらの動画を投稿していらっしゃったのに今気づきまして、
見てみたら相当ヤバかったので
迷いつつこっちにしました。
広告しようと思ったら広告禁止になっててキレそうだったので
20選に載せるしかなくなりました。いや載せるだろ。
なんなんだよ。伸びろよ。意味わからん。

↓"berry"もめっちゃ好きなので是非!

丁寧に手抜かりなく作られてるのに、
ゆる~くハマッてるのが本当に好きなんですよね。
めっちゃダルそうなカボチャで笑っちゃう。
そもそもデレステだと(僅差で)森久保推しなのもあって。


さて、続き。
よぅさんの凄さについて
恐れ多くも僕なりの解釈(妄想ともいう)を述べさせて頂きますと。
「音が見える」みたいな方なんじゃないかと思うんですね。

つまり、よぅさんは
音楽が鳴らしている「音」そのものに対して
自分の中でイメージを与えるのが上手い
のかな、と。

例えば音の温度、手触り、色、湿度、高度、とかそういうもの。
言葉でいう所の「比喩表現」の様に、
姿のないはずの音に輪郭を与える事が出来る、というか。
「この音は色で言うと青!
 温度は低め!湿度は高め!」みたいな。

かつ第三者がそれを見聞きしても共感を覚えられる様な妥当性も
もたらす事が出来る。そういう感じです。


冒頭。もう目が離せない。
4:3の比率もいい。
音との結びつきの強さがとにかく!!ってのを言いたいから、
どうしてもスクショで出来る事が少ない。

いきなり手前味噌の話になって申し訳ないのですが、
僕が動画を作る時は、思いっきり歌詞に頼っています。
歌詞を読み取っては手話の様に、
映像を通してその意味を翻訳していく、
そういう感覚で動画を作っている所があります。

それで言うと よぅさんは、理論上、歌詞に左右されなくていい訳です。
こちらの"共有"もそうですし、上で紹介した"berry"もそうですが、
歌詞が明確に意味を持つ類の楽曲ではないと言っていいでしょう。
”恍惚教室”では無作為気味に歌詞がループしていたりと
結構自由に歌ってらっしゃいます。

余談ですが、
この楽曲「恍惚教室」を歌ったバンド、「溶けない名前」のブログに
該当する曲のセルフライナーノーツが載ってるのを
見つけたので読んでみました。
かなり感覚派というか、イメージ優先で作られてる様です。
すごい不思議で相当面白いですよ。
参考:"溶けない名前(Tumblr)"https://tokenainamae.tumblr.com/page/3

そういった音楽からもたくさんの物を受け取り、見出せる鋭い感性と
それを可視化できる技術力とセンスを持ち合わせる、というのが
この方なのかな、という感じがします。
もしかしたら繊細な方なのかもしれません。
そこまで見えちゃうって事であるのなら。


「そし」
「て」
全体通して麗花さんの表情がメチャクチャハマッている。
恍惚教室…。


教室合わせの衣装の麗花さんもハマっています。
いちいち脳裏に焼き付くような映像です。
画面を超えてこちらまで、空気すら漂ってくる様です。
どこで切り取っても存在感、「実在してる感」すらあるというか。


なんていうか…
なんかもうつべこべ言いたくねーな…
僕じゃ役不足の様です。魅力を言語化出来てない。
動画見てください。絶対その方がいい。


今すぐ見ましょう、見た方がいいです!!





夏大好きとか言っちゃったり(by メンテ さん)



自身でもラップを歌ったりして精力的に活動しているメンテさんの作品。
タイトルでピンと来る方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
楽曲はスチャダラパーの名曲、「サマージャム'95」です。

いわゆる「越境モノ」というやつで、
アイマスの多数のブランドの映像を
ふんだんに盛り込んで制作されています。
876勢がほぼ出てこないかなくらい?

ともすればとっ散らかっちゃいそうなものですが、
こちらの動画では「夏」という
非常に普遍性の高いテーマをもってして、
それを最大限に全面に押し出した演出をすることで
全てのブランドを違和感なくまとめ上げています。
プラス「撮影フレーム」で囲い、
またスキャンラインを合成する事で
映像に一貫性を持たせています。
よく考えられた論理的な構造で作られているなと感じます。

またその演出の大胆さにも注目したい所です。
画面は常に熱気で揺らいでおり、
色合いも暖色に思い切りよく振っています。
輪郭は常にぼやけており、
「うだるような夏の暑さにやられた頭でぼんやりと見る」様な
誰にでも身に覚えのあるような感覚。
一年中のどこでこの動画を見ても
等しく暑い夏が思い出される事でしょう。

ダンスに限らず、映像と歌詞を見事にシンクロさせていたり
また映像中の背景などを利用したトランジション処理も多用していて
見飽きる事はありませんし、歌詞もどんどん入ってきます。
そうなると楽曲が元々持っている本来の魅力が浮き彫りになってきます。
スチャダラパーの無駄な力の一切こもってない、ぶつぶつぼやいてる様な
でも一言一言研ぎ澄まされた言葉選びで確かに耳に足跡を残していく、
飾らないかっこよさみたいなものが効いてきます。
とにかく見ていて、聴いていて「面白い」!

例えば、以下の流れ。

「週間予報は晴ればかり 何?マジ?アニ?どうしたい?」
天気予報の映像。シャニマス。


カメラが引いて先の映像が背景のテレビに。デレアニ。


「あそーりゃもう のってくべきでしょ」


「べきかな?」


「べきだよ!」
デレアニ名物の二人の押し問答を
印象深いサマージャムべきべき問答に充てる。天才か?

この様に、楽曲の歌詞の流れとアイマスの文脈とを
実にスムーズに結び付けてるんですよね。
このシーンは本当に氷山の一角で、
全編通して非常にユーモラスな発想と処理で
動画が紡がれていきます。

特に好きなのは、
終盤の色んなアイドルのぼやきみたいな声が
ラジオから流れてくる音声の様に聞こえてくる演出。
なんか非常にエモくていいんですよね。

夏の気だるさを疎ましく思いつつも
なんだかんだそれ含めて楽しんじゃうんだよな、という
サマージャム'95らしい、
ひいてはスチャダラパーらしいカッコよさが
遺憾なく活かされた超良作MADだと思います。

ついつい流され、そそのかされちまってみましょう!!


あとこちらは完全にニコマスほぼ関係ないんですけど、
同じくメンテさんのオリジナルラップの動画。
これがすげー刺さってしまったので
ついでに紹介させていただこうかなと。

「パパママごめん、子ガチャ外れだ」
など諦観めいたパンチラインが胸を打ちながらも、
わかっちゃいるけど執着し止められないものがある…という
消えそうな炭火の名残みたいな熱、
燻る様な、しかし確かなバイブスが
クセになる事請け合いですよ!

「バース終え服を着る 何故なら
 Backから風 流してる
 こんなクソッタレだって愛してる
 時は流れ 24/7
 たまに肩で切っては歩いてくかも」


feat.のUNO-Tさんと配達員さんのバースも超カッコいいですよ!
おすすめです。是非!




【MAD】Wouldn't It be Loverly?(by 誤差P さん)



誤差Pさん制作の、
デレマスのアイドル「水本ゆかり」さんの誕生日に
上げられたMAD作品です。

再生した瞬間から度肝を抜くスーパーオシャレ演出の数々!!
多分本職というか、どっかしらの
映像畑の人なんじゃないかと勝手に思っているのですが。
技術力の高さもそうなんですけど、このセンスの高さは
研鑽を積んでないとここまで磨かれないでしょう。
少なくともデザイナーとか…
なんらかの、デザイン的なものに日々触れる現場で
生きてるんじゃないか、というバックボーンを
勝手に想像してしまうんですが。
とにかくそう思わせるほど洗練された画面作りをされています。


律儀に玄関から始まるが、この時点でもう…。
あくびしながら登場。かわいい。
楽曲紹介…。
マジでわざわざ言う事が一個もない。
オシャレ。よすぎ。

再生開始から実に全体の1/4ほどの時間をかけた
丁寧な導入
の後は、水本ゆかりさんのダンスシンクロを
主に映していく、という構成です。
これだけ丁寧に導入されたら気持ちが入らない人はいないでしょう。
そこから展開していくのは、とにかく可愛らしく踊る彼女の姿。

先ほど、むすひらさんの動画について述べた時に
「引き出しの奥の大事な写真を見せてもらえる様な感じ」
という表現をしたのですが、
それでいうとこちらの動画のダンスパートは
「ほら見て!ウチのアイドルかわいいでしょ!!!
 これもこれもほらほら!!!!」

と、テーブルの上いっぱいに彼女の写真を広げて見せてくれる様な、
また違った形と質の愛情が込められている様に感じます。
こういうのはニコマスというよりもむしろ
アイマスならではって感じがしますね。


いいんだよなぁ。
これもこれもこれも!!


そうして見ていった先の結びのテキストもいいんですよね。
多分作中の水本さんのセリフなのでしょう。
水本ゆかりPにとって大切なセリフなのかも。

ベースになっている優しく柔らかい色調に、
どういった視線を注いでいるのかが顕れているような気がします。
本当にいい動画です。
見れば必ず幸せな気持ちになれますよ!!




【並木芽衣子生誕祭2022(遅刻)】芽衣子さんの旅々(リテラチュア)(by 音無翠 さん)



こちらもデレマスのアイドル「並木芽衣子」さんの
誕生日に上げられた(正確には一日遅刻したそう)MAD作品。
作者は 音無翠さんです。

並木さんは帽子がトレードマークの
旅行が趣味のアイドルで、
楽曲の「リテラチュア」は
「魔女の旅々」というアニメ作品のテーマソングらしいので、
旅繋がりで掛かってるのかなと。

この動画で使われている曲は、
ドラマチックな内容、エモーショナルな歌唱、
後半になるにつれどんどん盛り上がっていく構成と
王道をのしのし歩いていく様な、
楽曲としてはかなり「重め」なものだと思うんですけども。
それに決して物怖じせず
真っ向から向き合って堂々と合わせていく。
徒手空拳、裸一貫、正々堂々の
超スーパーストレートなダンスシンクロMAD
だと思います。

選択している元MVのモチーフも内容に掛けてていいんですよね。
「流星と星空」から始まって「本」「地球儀」、
”優しい風”という歌詞を拾って「沢」のシーン、といった感じ。


これから旅に出そう。
世界名作劇場みたい。


あとこれは狙ってるかわかりませんが
サビの”また会いましょう 約束だから”と歌う場面では
ステージから見下ろす形で観客席が映るのも好きですし、
"主人公になれていますか?" で扉を開けるカットなど、
非常に素直な構成が、動画の持つ物語を
まっすぐ胸に届けてくれます。
特に曲の最後、ブレイクに合わせてひまわり畑を映すカット以降など
実に素晴らしい余韻を味わわせてくれます。


見えてるからねー!
これがまた、さりげなくやってていいんですよね。
このカットすごく好き。
この4人で旅をしてきた感。
星空を見上げて冒頭の星空に繋がる。


旅を始めてから終える様な充実感を
たった4分間で味わう事が出来ますよ。
芽衣子さんと一緒に旅に出ましょう!!




【デレステMAD】昼顔 remix【成宮由愛】(by SunPaul さん)



作者はSunPaulさん。
デレマスの「成宮由愛」さんを取り上げたMAD動画です。
楽曲は「mekakushe」の「昼顔 - Daijiro Nakagawa remix」。
鬼気迫る名作!!

作者のSunPaulさんについて。
動画自体の初投稿は2017年、
その後2020年に2本の動画を上げられてますが、
その時はまだ「MAD」動画ではなかった様です。
いわゆるNPV、ノーマルPVというやつですね。
2021年に処女作を含めて3本のMAD動画を上げて、
2022年はこの動画を1本だけ上げられた様です。
ニコマス的には21年Pという事になるのかな?

処女作の時点ですでに技術力・発想力が非常に高く、
幾何学的というか、記号的な要素と
デレステのフォトスタジオを利用したBB映像素材を多用した
フラットな画面作りでの見せ方が特徴で、
またそれが本当に上手です。

これは僕の持論になってしまいますが、
シンプルな要素で簡潔に説明しきる、みたいなのって
本当に…こういう言い方は歓迎されないかもしれませんけど、
本当に「センス」が必要だ、ていう風に
どうしても言わざるを得ないです。
センスは磨けるものです。それは間違いありませんが、
それでも持って生まれたモノっていうのは多分やっぱあって、
この方のはちょっと頭一つ抜けてるよな、と
どうしても思ってしまいます。
ちょっと FRISK さんとか機能美 P さんの動画に
通ずるものがあるかもしれません。


↑ FRISK さんの動画。
相当前のになっちゃうけど、
かなり有名な動画だと思います。
これ大好きなんですよね。
アイマスをよく知らなかった頃から、
この動画だけは好きでよく見ていました。
「すごい動画を作る人がいるんだなぁ」と。
シンプルな図形のモチーフをこれでもか!と活用する感じが、
SunPaul さんの動画にも通じる所が
あると思うのですが。
参考:アイドルマスター 「●▲■×」 : https://www.nicovideo.jp/watch/sm12795700


↑ こちらは 機能美Pさんの動画。
そういえばこの動画はニコマスではなかったかもしれないけど
細かい事は気にしない。どうせ面白いし。
約16分と結構長い様に見える再生時間ですが、
内容が非常に濃くあっという間に観終わるし、
映画を観た後みたいな感動が得られますよ!
参考:【テクノで落語】月は無慈悲な寄席の女王 : https://www.nicovideo.jp/watch/sm19103065


22年下半期に投稿されたこの「昼顔」ではより洗練され、
選択した楽曲の持つモチーフも相まって
暴力的なまでに高いセンスを詰めに詰め込んでくるような
動画に仕上がっています。
ひとつひとつ解説するより見た方が早いし
リアルタイムに摂取した方がいいと思うので、
是非一度は目を通して頂いた方が人生的にいいと思うのですが、
僭越ながら少しだけここ好きポイントを紹介させて頂きとう存じます。


揺らぐ西日に影が伸びていく。
簡素な図形とモノトーンだけなのにそれをパッと見でわかる様に表現しきるセンス…。


振付を利用して窓枠に手をかけてる様に見せる発想力。
日付の演出もカットごとに変わるのですが、いちいち洒落ている。
「神は細部に宿る」とはよく言ったものです。


「二人で重力に逆らってみませんか」
スケッチブックが重力に逆らって浮上する映像なのですが、
由愛ちゃんの両腕がちゃんと前に来るように細かい処理がなされています。


終盤のグリッチ演出の畳みかけは凄まじく、
しかも全てのカットに一切の手抜かりがない。
グレーと水色で合わせる色彩センスもヤバいし、
四角形と壁面へのアイドルの影だけで
「部屋の中」の空間を簡潔に表現してるのもヤバい。
マルマンのスケッチブック的モチーフの反復
(電灯、窓(ウォールシェルフかも)、壁と天井)、
アイドル+鏡像+影で3つの元映像、そして配色。
鬼の様に徹底した画作り。ていうか多分鬼。
牛とか頭から食ってると思う。

ちょっと紹介しましたが、本当に、全然一部に過ぎません。
マジで1フレームも見落としていい箇所などない動画です。

SunPaulさん、何者なのでしょうね。
メチャクチャ制作が大変そうなのも相まって、
ハイペースで動画を輩出するタイプでは無さそうですし
昨今の、どうしても人の少ないニコマス業界においては
(なんならニコニコ動画と言ってもいい)、
こんなレベルの神動画でも伸びないのかと
正直やるせない気持ちになりますが…

是非是非、また新作動画を見られたりしないかな、などと
思ってしまいますね。
そもそも推しのアイドルのNPVを上げて
何年も経ってからそのアイドルのMADを作り始める…って流れ、
どんだけ好きなんだよ、て話ですから。

悪い事は言わないから騙されたと思って一度は見て頂きたいです。
巨大な竜巻に外から入って
ズタズタに暴風に揉まれまくった後
急に中心に抜けるみたいな、
衝撃的な体験でした。

この動画と一緒に、重力に逆らってみましょう!!




ずっと褪せない僕らの青春を(by 豐嵜P さん)


https://www.nicovideo.jp/watch/sm41231990


豊嵜Pさんによる、デレマスのアイドル「藤本里奈」さんの
誕生日動画です。
楽曲は「藍坊主」の「ホタル」。
今気づいたけどデレマスのアイドルの誕生日動画ばっかり挙げてますね。
なんかやっぱこもってるんでしょうね。愛的なものが。

デレステプレイヤー兼ニコマスを嗜む方であれば、
冒頭の演出からすぐにバイブスがアガる事でしょう。
そう、デレステでタップした箇所についてくる
あの光の軌跡を、演出として動画に落とし込んでいて、
しかもそれが楽曲のモチーフである「ホタル」を
表現しているのです!
これが最初から最後まできちんと効いてくるんだから凄い。
全体にクリアな映像で、ハッキリくっきり美しい。

再生開始から5フレで鳥肌ってもんです。

初めて視聴した時、
序盤~中盤くらいまでは
「うわ~すげー動画作りがうまいな~!」
とか呑気に構えていたんですが、
中盤から終わりにかけては
マジで際限なく盛り上がっていくもんで
全然笑えなくなり、終わった頃には熱気に充てられて
涙ぐんでしまいました。

中盤から、物凄く細かいカット割りで怒涛のように
感情を揺さぶってくるんですよね。
エフェクトなども入れるものの、ポイントで少しずつ程度。
ただ構成が上手すぎるせいで、それ以上の効果を
編集による繋ぎだけで生み出してる、という感じです。

本当にたくさんのシーンが盛り込まれているのですが、
それらの全てが例のホタルの演出によって
まるで魔法の様に一貫性をもたらされています。



ホタル演出が入る時の「ポッ、ポッ」って音が
またすごく良いんですよね。
このテロップにしたって、蒸発エフェクトで入ってきて
文字ごとの座標とサイズにランダム性を持たせて…と
細かく丁寧な処理してるのに、
動画の邪魔にならない程度の位置に置き
また場面転換に被らない様にすぐに消してたりして…
こういう手の込んだ演出って、手間をかけた分
見て欲しいって気持ちが湧くせいで
多少主張が激しくなりそうなもんですけど、
バッサリしててすごいなと思います。
すべてはアイドルのため、て事でしょうか。
実際、いちいちグッとくるんですよね。


そしてあくまで軸に据えられているのは
「ステージ上のライブ」の映像。
膨大なシチュエーションが散りばめられた上で
しかし間違いなく「アイドル・藤本里奈」の魅力を
すっぱ抜いた動画にちゃんとなっています。

「ラブレター」というよりも「ファンレター」みたいな
動画かもな、と思いました。
うまく言えませんが、
こうあってほしい、という願いと
実際そうである事を知ってるよ、という信頼
とが
両方成り立ってる感じ。

なんでそう思ったかというと、
動画の終盤、ほとんど最後の最後のシーンなんですが、
これだけ藤本里奈を映してきた動画のほぼシメ、
一番いいとこに持ってきたカットが…


仏恥義理からの…
おっ…たくみん!


↑これなんですよね。
向井拓海 が締めに登場する。
これどういう事かというと。

かつて月刊少年チャンピオンで、迫ミサキ先生によって
「アイドルマスター シンデレラガールズ WILD WIND GIRL」
という漫画が連載されていたんですね。
2017年に完結しました
(僕も好きで、電子書籍で全巻読みました)。
この漫画の主人公が向井拓海でして、
藤本里奈はその良きパートナーとして活躍するんですね。


作中、まだ今ひとつアイドルにノれてないたくみんを
初めてちゃんとその気にさせたのは、
実は里奈ちゃんによる所が大きかったりします。
詳しくは本編を読もう!


あんまり詳しく紹介しちゃうとネタバレになっちゃうので
アレなんですが、
この漫画を読む限り、ほとんど最後に向井拓海を
持ってくるのは凄く納得がいきます。
たくみんあっての里奈ちゃんであり、逆もまた然り。
そういう関係性なんですね。
悟空に対するクリリンとでも言いましょうか。

本当に藤本里奈が好きだからこそ
この構成にしたんだろうなと。


その後、ホタルを見送る藤本里奈。
闇を飛んでいくホタル。おぉ…。


疾風怒濤のような感動を享受できる様な作品だと思います。
この動画を見て、限界なんて振り切っちまいましょう!!




Goodbye to a World(by おうどん さん)



大石泉、池袋晶葉、高峰のあ の三人から成るユニット、
「A.I.開発チーム」を取り上げたMAD作品です。
作者は おうどんさん。(お名前変えられた?)
楽曲は”Porter Robinson” の "Goodbye To A World"です。

すみません。
正直に申し上げるんですが、実を言うと
本当に今さっきギリギリまで別の候補曲が
ここに入ってたんです。
でも僕が余りにアホ過ぎて気づくのが遅れたんですけど、
その別の候補曲、2021年に投稿されてたんですよね…。
なんか病気かもしれません。脳の。
痴呆症とかそういう。痴呆症って気功掌っぽいですよね。(?)
なのでギリギリまで入れようか悩んで
一度は外したこの作品を、改めて選出させて頂いたのですが。

ただマジで入れられて良かったです。
もう一つ謝りたいのは、
ノミネートした時点ではまだ
僕はこの動画の事を何も分かっていなかったらしい
、という事です。
詳しくは後述致します。
という事でご紹介していきます。

”Goodbye to A World” は、かなりスローかつ静かな
フューチャーベース…といっていいのかな?そんな楽曲です。
全体を通して静かめではあるのですが
かなり起伏に富んだ展開をしていくもので、
一番盛り上がる所と一番静かな所とで
非常に大きい差があります。
ボーカルに初音ミクを起用しており、
宇宙服を着て歌ってる様なエフェクトがかかっています。

作者の ”Porter Robinson” さんは
アメリカの音楽プロデューサーらしいですね。
日本のアニメなどの文化が好きなんだとか。
youtubeでは4000万回再生されているとか。ヒット曲ですね。

楽曲と共に映像も非常に引き込んでくるもので、
常に掛けられるVR色収差エフェクト
意味深なカットの連続に、心が捉えられてしまいます。
アイドルの三人も見事にハマッており、
どこか退廃的な世界観となぜか漂う儚く切ない雰囲気の中
それぞれが「らしい」表情を見せてくれるギャップに
やられてしまいました。
一度見始めたら目が離せない名作です!

…と、いう所で、僕の感想は一旦は止まっていたのです。
しかし、楽曲を調べ、
このアイドルの組み合わせを調べ、
歌詞を探っていく内に、
もしかしたら全然別の意図が裏側に込められているかも
しれない
事に気付いたのです。

とはいえ、それは僕の妄想に過ぎないかもしれません。
なので以下、これから書いていく事は
話半分くらいのテンションで読んで頂けると幸いです。
では、いよいよ触れていきます。

まず映像を見ていきましょう。
冒頭、のあさんが宇宙船から地球を見下ろす映像から始まります。


そもそもいきなり掴んでくるカットでもある。


それから泉、晶葉もやってきて
思い思いに地球を眺めている様なカットから、
テレビ→廃墟へとシーンが遷移。
意味深なカットが増えます。


なんとなく期待感ありそう。
テレビが映って…
廃墟へ。上陸した?
3人全員に空を見上げるカットがあります。
ちょっとバグった感じの のあさん。
なんか晶葉が妙に映えるんですよね。理由はわからんが異様に切ない。


この辺から映像が乱れ始めます。


綺麗な部屋に遷移したかと思うと…
また廃墟。さっきのテレビがありますね。


以降、廃墟と綺麗な部屋を行き来しながら、
結局廃墟に。


綺麗な部屋の映像はモノクロがかり、何故か映像が乱れる。
サムネイルのシーンへ。


サムネイルのシーンはおそらく動画内でも重要なシーンで、
三人が自然物のシンボルを投影していきます。
曲も大サビを迎え、
バチバチハマってくシンクロが非常にカッコよく気持ちいい。
押さえたカタルシスを開放するパートと言えます。


実際こういう映像が撮れる、ていうのがデレステの面白い所ですよね。
実にバラエティに富んでいる。


大サビで三人が踊った後、
舞台は再び宇宙へ。


一瞬だけ挟まれる意味深なカット。
ケースの中?
メタフィジカルな場所で踊るユニット。
背景の歯車も人工物のメタファーとしての意図がある気がする。


そして帰投する三人ですが…


帰投するが…
スクショだと分かりにくいけど…


帰投した瞬間から映像が乱れ、
音声についてもバグり出し、伴奏が一切なくなります。


さっきあった意味深なカットがここでも。
ケースに入れられたユニットメンバー。
激しいグリッチエフェクトの中で、
それぞれが空を見上げたカットが連続する。
確かに空を見た。
あの廃墟。


そしてラストカット。


ケースにしまわれた3人。


激しく乱れて動画が終わりますが、
ニコニコ動画のリピート再生をオンにしていると…



間髪入れずリピートが始まり、冒頭に繋がります。
ひとまずこれがこの動画の構成です。

さて、ここで更に歌詞を見ていきましょう。

歌詞は短めの英語の文章を
「何度も繰り返す」内容となっております。

Thank you, I'll say goodbye soon
Though it's the end of the world,
don't blame yourself, now
And if it's true,
I will surround you and give life to a world
That's our own

" ありがとう、もうお別れね
  世界は終わってしまうけど
  どうか自分を責めないで
  もしそうなっても
  私があなたに世界をあげる
  私達だけの世界を"
参考:「洋楽の歌詞を和訳しているブログ」:https://ameblo.jp/diane-marie/entry-12722762418.html

中々ものものしい内容。
「世界は終わってしまう」。

そして
”I will surround you and give life to a world
という部分。
大サビで花を咲かせていたシーンが連想されます。

「何度も繰り返される」音声。
最後にはケースに収まったユニットの映像と共に
ビープ音を吐き、止まってしまいます。
しかしすぐにループ再生が始まる動画。

ここで思い出すのはユニット名。
そう、「A.I.開発チーム」です。

つまりです、まとめると。
動画に出てくるのはこの3人のA.I.で、
この動画はもしかすると
A.I.の見続けている夢なのではないでしょうか?


「私があなたに世界をあげる」。


とにかく徹底して人工物以外は映し出されない構成。
自然物としての空を見上げる映像も、
後半は激しいグリッチがかかります。


自然物が無い世界にこうして作っていた?


あの綺麗な部屋は、一度も映像の乱れなく
映されたことはありません。
あれはあくまで理想のイメージで、
彼女らの降りた地球には
廃墟しかないんじゃないでしょうか?


あるいはかつての記憶?
何度も映る廃墟のカット。


あるいは、
全てがイメージでしかなかったのでは?

宇宙船から地球に降り立ったように見えた三人ですが、
本当はそもそもケースの中から出ていないのでは?
ほんの一瞬だけケースの中の
(おそらく)大石泉が映るカットがありましたね。
そして最後の、3人がケースに収まっているカット。
あっちがこの動画における
「現実」なのではないでしょうか?


「帰投してから激しく画面が乱れ始める。」
現実ではなかった?


そして、
動画中のほとんどに掛けられている
VR色収差エフェクトは、この映像が
仮想現実である事を表しているのでは?


どんな場面でも必ず掛かっているはず。


このエフェクトが切れるのはおそらく1箇所。
最後の最後、3人の入るケースを映したカットの
動画が終わる前の数フレームにだけ、
一瞬だけこのエフェクトが切れる箇所があります。

これは、三人がこのケースに入っている場面だけが
仮想現実ではない、現実である事を表しているのではないでしょうか?


本当に一瞬の間だけ
VR色収差エフェクトが切れて…
ループへ。
「何度も繰り返す」。


もしかしたら彼女達は、
A.I.開発チームが作ったA.I.そのもので、
実在しない世界が滅びては
美しい記憶を頼りにまた作り上げ、を
永遠に繰り返し続けているのかもしれません。
または、そういう夢を何度も見続けている。
それがこの動画に込められた真相なのではないか?
というのが、僕の考察です。
楽曲の内容に沿って、そういった一つの物語を構成した…
という可能性はないだろうか?というお話。


「歯車は人工物のメタファーなのでは?」


そう思うとあまりに切なくやるせなく、
そしてどうしようもなく美しいものの様に思えてきました。
彼女らは果たして誰の為に
世界を作り続けているのでしょうか?

この動画はそういった、
完結した一つの箱庭のような世界なのではないでしょうか?

そういう目で2週目を見てみると、
全然違った様に見えてしまいます。
あなたにはどういう風に見えるでしょうか?

以上は僕の妄想に過ぎませんが、
もしかしたら本当に何か仕込まれてるかもしれません。
何故ならニコマスだから。

いや、仮に妄想だとしてもです。
「もしかしてそうなんじゃね?」と
気付いた時の興奮はそれはもう凄まじいものでした。
これがあるからニコマスはたまんないですね…!!
この、公式の与り知らぬ所で
存在しなかったはずの物語に想いを馳せる。
二次創作の醍醐味というものですね!

ていうね。妄想ぶちまけショーを繰り広げてしまいましたが。
とにかく、奥の深い、考察する余地のある動画なのではないかと
僕は感じたのですがいかがでしょうか。
でもそういうのを全部置いておいても
儚げな雰囲気の漂う、非常に美しい動画だと思います。
終わりゆく世界を見届けにいきましょう!!




あとがき


以上です。ほぼ25,000字の記事になってしまいました。卒論かな?
しかしですね、いや正直に言えば、
こんな熱量で20個も紹介するなんてのは
もうやりたくねーなという気持ちで
いっぱいですが(大変だから)、
毎回やってる方マジ凄いですね。
でもやってよかった。
非常に面白かったですね。

選出するからにはキチンといいと思った理由を書かないと、
折角こんなにどれ入れるか苦悩したのに
「お、忖度か?」とか思われるかもしんないのが嫌だったので
(そんなの選出した動画にも迷惑がかかるし)、
責任を果たすみたいな意味でも
ここまでたくさん書きましたが…
改めて気合入れて見返すことで
発見できる事が非常に多かったです。
実際なんとなくで動画を見ちゃってた部分があったのかも。
やっぱちゃんと見た方がいいですね!

と、言う訳で、この辺で失礼致します。
最高の動画の数々に、改めて惜しみない称賛を送らせて頂きます!!
感動をありがとうございました!!

あと、今年もよろしくお願い致します!

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