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植物が本業

本業の植物分類学会大会にオンラインで参加している。
お金をもらうわけではないが自分の本業というと植物だと即答しそう。
ではお金を稼ぎに行く方が副業かというとそうでもないのだが本業と聞かれて即座に答えるのは植物だなあ。
お金がなくて学会参加を見送ろうとしたけれど参加してよかった。
前々から入ってみたい学会だったので一昨年思い切って参加してよかった。
学会参加がコロナでオンラインになったからという珍しいきっかけではあるけれども思い切ってよかった。
来年こそは現地参加したいものです。
学会に入る相談を当時の上司にしたら「やめるときはしっかり退会届を出さないと会費を取られる」という現実的なアドバイスをいただいたが私が言ってほしかったことはコレジャナイ。

植物分類学の祖、牧野富太郎先生がお作りになった学会でもうすぐNHKの朝の連ドラのらんまんの雰囲気も漂います。
朝ドラを機に牧野先生の資料が発掘されないか期待されているとのこと。
牧野先生は学者さんだけでなく一般の植物愛好家まで巻き込んで植物採集をする変わった先生だったので大学所属の人から一般愛好家まで発表者に名を連ねる珍しい学会だと思う。
牧野先生が一般の方から頂いた植物を勝手に自分の名前で発表して怒られたというエピソードがあってドラマになるぐらいだからどんなエピソードがあるのか期待。

去年、植物分類学会のご縁で兵庫県立人と自然の博物館(以下ひとはく)の植物標本の入力のボランティアを始めた。
植物分類学会の講演会が去年の暮れにありひとはくの研究員さんが植物標本のAI判定という講演をされた中で「植物標本の入力ボランティアを募集しています」と話されたので「ではやります!」とメールしたら「言ってみるもんだ」とお返事が来てさっさと兵庫県三田市のひとはくまで行って植物標本庫まで見せていただいた。
大阪駅より1時間以上かかった、遠かった!
標本が入る前の標本庫を見せていただくという貴重な体験ができた。
去年は大阪自然史博物館、牧野標本庫と全部で標本庫を3か所で見せていただき幸せだった。

ボランティアでは植物標本ラベルを400件入力した。
1件1件がボリュームいっぱいなので400件はかなりすごい。
何の植物かはデータベースに入っているのでそれを選べばいいけど採取場所を日本語と英文両方書くのは骨が折れる。
本州、九州、四国、北海道、琉球と日本語と英文両方で記入が必要で忘れてしまうように気を付けなければならない。
一番骨が折れるのは採取場所の緯度経度を入力すること。
最初から採取者が書いてくれている時はいいけど自分で調べるのが結構難しい。しかも難読地名が多いので調べるのが困難きわまりない。
植物好きというよりも地名オタクの人に向いている。
そんな標本たち、見た目は草としか表現ができないがモエギスゲーの表記がかわいらしい。

学会で今度は植物標本の写真をアップロードするとラベルを読み込んで解読してくれるアプリを作ったということの発表。
アプリを使ってみんなでそれぞれ手持ちの画像を試す。
普通の標本だけではなく昔の貴重な先生の標本や国立博物館の標本の解読結果など出るわ出るわ。
世界が広がりました。
某大の先生がアプリの使い方がいつまでたってもうまくいかなくてお手伝いに飛んで行きたかった。
この先生は植物分類学者の養成講座をやっていてコロナで何年かできなかったから今年こそ北海道に飛びたいと思う。
大学で学問はなしえなかったけれど自分が蒔いた種から植物についてまだまだ学べそうな気がしている。

こうやって植物の話ばかりしているから私の事を農家と呼ぶ人が後をたたない。
単に農学部卒だから農家と呼んでるみたいだけど耕してはいないからカンベンしてほしい。
もうすぐ2回目のエバーフレッシュの花が咲くのでまたきっと農家農家と私のことを呼ぶ人がわいてくるに違いない。
春の虫みたいだ。

追記:二回目のエバーフレッシュが咲きました。
今度は種もできそうで楽しみです。

エバーフレッシュ、マメ科、南国では花がたくさん咲く、オシャレなお店に飾ってある

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