発表練習の大切さ

 大学院に入ってからというもの,授業では発表を行う機会が増えたように思う.学部生時代は,授業の評価と言えばやはり授業演習・応用をした提出物や小テスト,そして最後はテストが主流であった.(なお出席はそもそもテストや最終レポートを提出するためにしなければならないのでノーカン.)
 私はちょうど新型コロナウイルス(Covid-19)が流行し始めた2020年に大学に進学した.大学1年生という一番心弾む学年は,授業開始延期の知らせから始まり,パソコンとずっと向かい合う日々が続いた.当然授業評価も小テストなどの手出物の相対的重要度が高まり,学期末は持ち込み可にせざるを得ない状況での期末テストや,最終レポートになることが多かった.発表を行う授業がなかったわけではないが,それも大学在学4年間を通して2・3度の話だ.研究室に配属されて以降も,自身の卒業研究の進捗を発表する機会はあった.しかし筆者はものぐさな性格なため,発表資料は前々日ぐらいから作り始めて練習もすることなく,ぶっつけ本番で発表して結局グダグダした発表を行うことになるのだ.卒業研究の発表会練習も最初は上手く練習できずに担当教員に叱られた(十中八九自身が悪いので仕方ない).それ以降練習を重ねることで卒業研究発表はクオリティを高めたものを発表を行うことができた.ただやはり発表は依然として苦手なままだった.

 しかし大学院に進学して以降というもの,それなりに発表を行う機会が多くなった.授業では参考書の内容をまとめたり,大学に引き続き研究室でのゼミ発表であったりと.修士課程であるからして,研究は当然テーマが決まっているし進捗はある程度あるものだ.自分の中で余裕がでてきたのか,卒業研究発表の中でコツを掴んだのか資料作りも進む.授業で最終評価基準として行う発表も無難に行えた.
 発表を行う上で重要だと思うのは練習だ.何を当然のことをと言われるかもしれないが,結局練習しなければ上手には発表できないのだ.練習を通して見えてくることもある.特に顕著なのはスライドの粗だ.自分で作っているときは上手くできたつもりでも,明らかな誤字,話の流れを考えると不自然で発表するには難しいもの,ぱっと見てゴチャゴチャしているもの,様々な不備が見つかる.それを見つけるためにも,発表練習をすることは大切だと感じた.修正・発表,つまりトライアンドエラーの繰り返しだ.そうすることで,発表のクオリティは上がっていく.良い発表を行うことができれば,自ずと苦手意識も薄れていく.発表の苦手な方は是非とも発表練習をすることを大切にしてほしい.人前に出るのが苦手であるとか,どうしても緊張してしまって上手く喋ることができない等,性格的に発表に苦手意識を持つこともあるかもしれない.筆者も喋る際に若干のどもり癖がある.それは言いたいことがありすぎてどれを喋れば良いか分からなくなったり,考えている言葉に似た言葉が先に出てきてしまったりといったもので,冷静に発表を行うなど長期的に改善していかなければならないものだ.最初はこのどもり癖から発表の苦手意識が作られたと思っている.

 最後に,発表の滑らかさは当然大切であるが,そもそもとして発表を行うにも体裁が整っていないのであれば,観衆は発表で何を伝えられているのか分からない.何を伝えたいのか,どうすれば伝えやすいのか,それを考えて発表を行って欲しい.それができている発表であれば,観衆も心地よく聞ける良い発表を行えると思う.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?