2024-04-16

新学期が始まった。

この半月くらい、ずっと引き摺っていた人生の岐路に立ち尽くしていた。質量のあるものを幾つも諦めた。未来の自分が許してくれそうにないくらい本当にたくさん、諦めることにしてしまった。
後悔はしないと思う。無理だったという事実の穴が一生空いたままになるだけ。

つむじ風に巻き込まれる葉や、眩しい夕日や、瞬く煙草の火や、満開の花や、いろんなものを見ていても、それが名称以上の言葉にならず呆然としている。生きる意味などというものを見つけようとはもう思わないけれど、とにかく何もないようで、あなたの前に姿を現すことも憚られる。授業内での自分の声の小ささに絶句して、喉と胸が苦しかった。

一日ごとに足場を失っていく。とても扱いきれない分まで持ってしまっていたというだけで、つまり正常な値に戻っていくだけなのだけれど、いつまでたっても適応できなくてごめん。転落の時のようなふわふわした感覚が背中から臓器に滲む。

自分の人生に足りないものは自分自身だけだが、どう充填しようか。

授業の後、買い物と自転車の回収がてら散歩をする。歩くとすぐ疲れる。自転車を忘れて帰ったのは初めてだったし暫く気付いていなかった。全体的に鈍くなっているのが分かる。見なくてもいい動画を一日中見続けているから疲れる。でも止められない。

回復に時間がかかっている。家事も勉強も連絡も読み書きもろくにできない。家族に買ってもらった食材はいつまでも手付かずで、ゼリーを買い込んで啜っている。覚えていない悪夢で起きて頭に靄が掛かりっぱなしなのでカフェインだけは摂り続けている。薬はまた飲み始めようと思っているけど忘れてばかり。履修も危うい。我ながら本当に大丈夫なのか心配というか、わからない。ずっとわからないっぱなしだ。でも進まなくてはいけないし、進めるだけならできる、後の事の得体の知れない恐ろしさは誰にもどうにも伝えようがないし実体も無い、ずっとそういうものと戦うことが当たり前すぎて幻覚以外が見えなくなってしまった。

相談室に行く元気がなくてオンラインで話して、集中できなくて色々聞き流しているうちに終わっていた。自分の人生の責任を取る気が無さ過ぎて笑えてしまう。

どうしようもなさの前に眠って、起きても頭の中に何も思いつくことはなくて、今日もあなたと喋ることが出来ないと分かる。何も具現化できない日が続く度、続けてきた全てのコミュニティにもう二度と接続することが出来ない可能性に怯える。もう二度とあなたに会えないと本気で思う。

人に会うたびにこの手の話しか出来ないのが本当に嫌なので本を読んだり映画を見たりせめてあなたの話を理解したりしたいのだが……

私が今考えていることは、とにかく無様でも見放されてもいいから(心の準備が出来ているわけではないけどそれでもいいと思っている)生き延びること、これは最近は結構本当で、貰った言葉を割らずに抱えていたいと思っている。それでも挫けるとは思うけど、なるべく。

腐りかけの卵、肉、葉になんとか火を通して胃に押し付けた。折るように爪を切った。強迫が無ければ生きていけない、私にとっては強迫の理由を納得できるようなものにすることが第一の自己愛の表し方だろう。私は私を愛したい、という炎はまだ燃えている。体が火照っている。作業が出来なかった。

MARETUさんやきくおさんの曲ばかり聴く夜だった。ぴんく
JOYSOUNDでうたいたいな

休学しないことに決まってからは一日にひとつは進めていることがある、はずなので、まあ最悪ではないのではないだろうか。やれる範囲のことはやりたい。

言葉を取り戻したい。読む・書く・聞く・話すが出来ないことがくるしくて、空っぽであることがとてもくるしくて、ただ泣くことしかできない。

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