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きみよ(再)

たいせつなものが
消えたとき
ひとは どのように
あきらむるのか

6月の雨の夜
その底でやわらかなきみの笑みを
逃さないよに 目を凝らす
すぐに消えかかるから
眠らないよに こころ覚ます

戻らないものをなくした時
ひとはどのように越えるのだろう
白みかけた街角で
見上げる空の
雨にけぶる空の
問うても 返らぬものを

6月の雨
ノクターン流れ 車道の音が消える
きみは もういないのだ





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