こゝう『思考整理ノート』

都内在住。 【映像作家/クリエイティブディレクター/カメラマン/メディアアーティスト】…

こゝう『思考整理ノート』

都内在住。 【映像作家/クリエイティブディレクター/カメラマン/メディアアーティスト】 映像と、音と言葉と画をクリエイトして生きています。

記事一覧

アール・ブリュットの定義について/Helalbony『異彩の百貨店』

人は 自らを通ったものしか 真に理解しあえない それなりの時間を生きてみた感想 (もちろん例外もあるだろうけれど) だけどそれをどうにかしたいから 誰かと分かち合いた…

『理想と現実について』/マティス展/Henri Matisse:『 The Path to Color』

理想と現実の衝突 人生はあらゆる衝突でできていて その間の隆起したところで バランスボールに乗ってるみたいな格好で 人はある種の「妥協」と共に生きている (と勝手に…

『抽象というものについて』アーティゾン美術館_『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムか…

短時間でいかに多くの情報を収集できるか 深さや真意などより表面的な数字 「目に見えないわかりにくいモノ」を退け 「目に見えるモノ」 「自分の脳に優しいモノ」だけをチ…

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』/美学とアートとクリエイティブについて

実家の近くに記念館があるので、小さい頃から谷崎潤一郎という名前には親しみを感じていたが、まともに読んだのは二十代半ばだったと思う。 さてこの『陰翳礼讃』。 谷崎…

J.D.サリンジャーについて/『バナナフィッシュにうってつけの日』は『サリンジャー入門にうってつけの書』

ちょうど去年の今頃、蔦屋で発見して即買いした 「しししし3 特集:J.D.サリンジャー」 サリンジャーなんてものは、昨今の若者からは敬遠される存在 (流行ってすぐくらい…

アール・ブリュットの定義について/Helalbony『異彩の百貨店』

アール・ブリュットの定義について/Helalbony『異彩の百貨店』

人は
自らを通ったものしか
真に理解しあえない

それなりの時間を生きてみた感想
(もちろん例外もあるだろうけれど)

だけどそれをどうにかしたいから
誰かと分かち合いたいと願うから
人は芸術を生むのかもしれない
だから集い、話し、歌い、かき、奏で、演じ、触れ合うのかもしれない

ヘラルボニーのアーティストさんたち
彼らと同じ境遇にいる愛する息子を通して
僕は彼らを知った

2017年
息子を通し

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『理想と現実について』/マティス展/Henri Matisse:『 The Path to Color』

『理想と現実について』/マティス展/Henri Matisse:『 The Path to Color』

理想と現実の衝突

人生はあらゆる衝突でできていて
その間の隆起したところで
バランスボールに乗ってるみたいな格好で
人はある種の「妥協」と共に生きている
(と勝手に思っている)

フォービズムというものに対して
(小生の浅はかな知識の中でだが)
「自分のクリエイティブとは違う領域のもの」
という偏見があった
けれど結局ひっくり返った

誠に僭越ながら
マティスの言う
「色彩とデッサンの衝突」

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『抽象というものについて』アーティゾン美術館_『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』

『抽象というものについて』アーティゾン美術館_『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』

短時間でいかに多くの情報を収集できるか
深さや真意などより表面的な数字
「目に見えないわかりにくいモノ」を退け
「目に見えるモノ」
「自分の脳に優しいモノ」だけをチョイスできる時代

社会(特にビジネスシーン)にいると
「抽象」という存在がひどく弱いものに思える瞬間がある
社会が求めているものは「具象のみ」であるような気さえしてくる

けれどいざ社会を抜け出すと
「抽象」は時として
否、
ほとんど

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谷崎潤一郎『陰翳礼讃』/美学とアートとクリエイティブについて

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』/美学とアートとクリエイティブについて

実家の近くに記念館があるので、小さい頃から谷崎潤一郎という名前には親しみを感じていたが、まともに読んだのは二十代半ばだったと思う。

さてこの『陰翳礼讃』。
谷崎が日本の「美」について(特にその影と闇について)語る一冊。
欧米ディスのようにもとれる部分も多いwが、個人的に日本カルチャーが好みだし(サリンジャーやアップル、ゴッホなど強い興味を抱いた対象も、奇しくも禅や東洋思想、浮世絵に傾倒していたと

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J.D.サリンジャーについて/『バナナフィッシュにうってつけの日』は『サリンジャー入門にうってつけの書』

J.D.サリンジャーについて/『バナナフィッシュにうってつけの日』は『サリンジャー入門にうってつけの書』

ちょうど去年の今頃、蔦屋で発見して即買いした
「しししし3 特集:J.D.サリンジャー」

サリンジャーなんてものは、昨今の若者からは敬遠される存在
(流行ってすぐくらいの頃の『アキネーター』ですら「サリンジャー」を当てられなかった)
であると思っていた。

「サリンジャーに傾倒した時期がある」
などと言うと、いろいろな意味で、
「ある種の人間」としてカテゴライズされてしまうのではないか
という自

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