切迫流産入院14日目

分娩室で迎えた朝。
まさかこのまま朝を迎えられるとは半日前には思っていなかった。多分誰も思ってなかったと思う。
胎動もあるし、6時の点滴の時に心音聞いたけどいつもと変わらずだった。生命力ってすごい。

とりあえず容態が安定しているので、夫は一旦帰宅。諸々終え、昼頃来るということです。
で、タクシー乗ったら財布を無くしたことに気づいたそうで。相当気が動転していたんでしょうね…。
結局最初に寝ていたラウンジにあったようで、助産師さんが届けてくれました。

そして明け方からうなっていた妊婦さんのうなり声はどんどん大きくなり、夫がいなくなってからマックスに。
この人ホーンテッドマンション乗ってるんか…ってくらいの絶叫にビビる。出産怖い…。
無事ご出産されたようなのでよかったです。おめでとうございます。

山場も越え、ひとりになり、22週で産まれた子について調べてみる。
昨日先生から言われた、このまま22週まで持ち堪えた場合のこと。
22週は生存できる週数とは言われているが、合併症など障害が残る可能性が非常に高い。
なので、病院によっては22週で産まれた場合積極的に救命措置をしないところもある。
ここでは救える命だと思ってるので積極的に救命措置は行うが、両親の意向もあると思うので話し合ってください。

22週で産まれた子供を調べても、せいぜい22w4dとか、週後半。
22wちょうどで産まれた子供なんて見つかりやしない。
その後半に産まれた子さえ、やはりたくさんの合併症があり、小さいながらに手術をしたり、障害と共に生きている子がほとんど。
そもそも親より長く生きないかもしれない可能性だって高い。
でも今まだおなかの中で生きてる。動いてる。
もし生きて産まれてきてくれたら見殺しになんてできないと思う。
まだ覚悟ができない。そもそも22wまであと2日もある。長い。

朝先生がエコーをとってくれた。
昨日診た時と身体の向きが変わっているらしい。おなかの中で随分とぐるぐる動いた模様。
楽しいのかな。苦しいのかな。
エコーの最中も元気に動いてたけど、おなかからのエコーだとわかる範囲が限られてるので日中経膣でまた診させてくださいとのこと。
容態も安定しているので、日中部屋に戻れそうなら戻すということでした。
そのあと入院中メインで診てくれていた先生も来てくれました。

ほどなくして再び診察。
部長、元主治医(副部長)、主治医、入院中のメインの主治医で腹部と経膣のエコー。
主治医曰く、「処置室に運ばれたときは内診台上がった時点で卵膜が見えてたらしいけど、今は見えない」らしい。
股開いただけで卵膜見えてるとか怖すぎなんですが………。
相当ヤバイ状況だったというのは把握した。
でもやっぱり胎児は子宮内にいるし心拍もあるからこのまま安静にするしかないようで寝ててくださいとのこと。
治療という治療がないのがほんと悲しい。

出血も多少落ち着いたので部屋に戻れることになりました。
それに伴い夫は再び面会不可になってしまったのでそのまま自宅にいてもらうことにしました。
ひとりの部屋はさみしい。
起きてると余計なことばかり考えてしまうので、ひたすら寝ました。

昼食

何にも見えない。
が、途中から皿を枕元に持ってきて食べるとい動いてた技を見つける。食べ物のことに関しては我ながら器用である。
おにぎり1つ、スクランブルエッグ?、回鍋肉?、杏仁豆腐を食べました。
あんまり食欲なかったけど、食べれる時に食べておこうと思ったので食べました。おいしかったし。

目が冴えてしまって眠れず、色んなことを考える。
妊娠が分かってからまもなくつわりが始まり、3月下旬からGW明ける頃まではほぼ寝たきりだった。
その頃世間はコロナウィルスで大変なことになっており、夫も4月頭から在宅勤務へ。
そのおかげもあり、ほぼ2ヶ月の間家事はほとんどやってもらっていた。
GW明けには安定期にも入ったので体調も落ち着いてましたが、まだ外出自粛ムードだったので基本的に5月下旬頃まではどこにもでかけず。
今思えば、コロナが無ければ多分もう少しアクティブに動いていたと思うので、そうなるともっと早い段階でこうなっていた気がしてならない。
となると、不幸中の幸いの中にいるんだから、なんとなく奇跡が起きるんじゃないかって気持ちになってきた。無理やりした。

16時ごろ男性の入室。
知らない先生かな〜と思ったら、知らない先生は知らない先生でも歯科の先生でした。
あっ、こんな状況でも歯診るんだ…。わたしさっきブラックサンダー貪り食ったけど…。笑
結果歯肉炎ぽいってことだったんで丁寧に歯を磨けと言われたんですが、この状況下じゃ無理です!!

夫とLINEしてたら、実は昨日の荷物の中に手紙をいれていたとカミングアウト。
書いたのはおとといの夜だから状況が変わっちゃったけど…ということでしたが、助産師さんにカバンを取ってもらって漁ったら出てきた。

そのへんの赤子に負けないくらい声出してギャンギャン泣いてたら主治医来て焦った。
手紙は死ぬとき棺に入れてもらおう。

腹部のエコーのかんじは朝と変わらず。
胎動も感じてるならまだ子宮内にいるからOKとのこと。
また明日診せてくださいってことでした。
無事に明日が迎えられますように。
出血確認もされましたが、問題なさそうなかんじでした。
(自分からは見えないけど、怖いから聞きたくない)
ちなみにこの出血は鮮血で最初ドバッと出たのですが(鼻血みたいなかんじ)、主治医いわく「おしるし」ではないかとのこと。
おしるしって9日入院することになったときくらいなかんじ(ピンク寄りの赤で少し水っぽい)だと思ってたのでちょっとびっくりしました。

手紙を読んで改めて思ったんですが、夫は多分障害があるかもしれないならやめようとかいう人じゃないなって。
ふたりの子供だから、赤ちゃんのためにも、夫のためにも頑張らなきゃって思いました。
寝たきりの生活なんて、長い人生で見たら一瞬なんだから。
だから泣いてないで、赤ちゃんに新鮮な空気届けなくちゃ。ごはんも食べなきゃ。

早く会いたいけど、もうちょっとだけおなかの中で泳いで遊んでてね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?